すべてのおすすめ
腰の曲がった老婆がひとり
大雨の中を歩いている
両手を鎖に繋がれて
重い足枷を引きずりながら
濡れるに任せ歩いている
彼女にも愛は確かにあった
独り暮らしの雨は寂しい
愛は何処へ ....
奴は
山に登るのだ
そう言っては、ニコン党のくせに
私のオリンパスを借りに来る
高山植物を撮るのだという
いつも汚い日焼け顔をしわくちゃにして
稜線を越えていくホシカラスの夫婦
....
夏が欠けていきます
溌剌とした空の滴りを
濃厚な季節が吸い尽し
あとはさらさらと乾きゆくだけです
さっきりと出た月の高さも
いつの間にか伸びて
変わりゆく時は
青葉さえ少しずつ朽 ....
君は覚えているだろう
君がはじめて掴んだ自由は
真新しい買ったばかりの自転車に乗って
得意げに街中を走りまわる事。
そして今
世間との関わりを君は海に投げ捨て
白い灯台すれすれを斜 ....
君は知っている
自らの命のはかなさを
自らの行く末を
生後僅か百八十余日の命
それでいて綺麗好きな君は
けなげに身の回りを整えている
与えられた僅かな命のために餌を食む
....
チャリンコ チャレンジ 1年生
チャリンコ チャレンジ 1年生
空色のチャリ走る走る
びゅんびゅん
街
風を浴びて
葉 ゆれゆれ
サワサワと静かに奏でる夜の始まり ....
君は芝生の上でバランスを取る。
一糸まとわぬ露わな姿で
豊かな乳房を宙へ向けて解放つ。
日差しは、もう秋の方に傾き加減で
夏の終わりを告げている。
時代の息吹を君は背 ....
やる気 元気 勇気
三気の馬に跨がって
毎日 駆けてく その様は
アポロンにも似た 凛々しさで
ほれぼれ すっかり みほれます
おうまは 時々 気まぐれに
そ ....
真昼の公園で
全身、汗にまみれながら
ジョギングをしている人がいる。
両の手に
ペットボトルを握り締め
汗に濡れ、体に張り付いたランニングシャツから
鍛えぬかれた筋肉の動きが感じられて
....
僕のノートパソコンは頭が良くて
いろんなことをスマートにこなす
僕が逆立ちしたってできないような計算とか
僕が覚えていられないことをいつまでも覚えていたりとか
ゲームとか、OpenGLとか、簡 ....
僕はいつでも
丸いから
君は僕の襟足を鷲掴み
えいっとばかりに
放り投げる
どんなに空高く飛んでいっても
僕は君の胸元に ふらり舞い戻る
それが僕の愛 ....
熱帯夜
海の底を泳ぐ魚の夢を見る
深い蒼をさ迷い泳ぐ
色とりどりの魚と
変な足取りで海底を歩いてゆく軟体動物
煌く水面は遠く
まるで海の夜に迷い込んだみたいだ
光さえ ....
山からおごそかに下りてくるベール 鳴き交わす鳥たちと静寂
朝露を飲んだ少女が忘れる過去 乾いた南風に匂うクスノキ
自転車で行く小径 素足で渡る清冽な流れ
笑顔 拭われるかすかな涙 遠くから聞こえ ....
俺はナイフを持った狼面の羊だ
今から羊の皮を剥ぐ
けれどその羊も狼面してやがる
だからって俺はやめないぜ
羊の群れを泳ぐ
それはまるで川のようさ
羊たちは狼面の俺を
よく見抜いてる
....
朝、目覚めると妙に冷静な僕だから
君との将来についても
じっくりと話せそうな気がする
だけど、陽が昇るにつれて
「まあ、いっか」
そんな気分の僕に戻っていく
陽が暮れて夜になれば
....
電車を待つ人々が
いっせいに
携帯を開く
今日の株価を確認する
プロ野球の結果を確認する
誰かとの 距離
同胞メール
という
機能が嫌い
いっせいに
私の孤独を送信する ....
かくれんぼはきらい
とくいだから
かくれ切る
自信があるから
ひざを
抱え息をひそめ
草の
こすれる音を聞く
わたしは
どうなっちゃうんだろう
って
思いながら眠 ....
余韻を残したまま
壊れたグラスを見て
あたしは嘲笑った
ざまぁーみろ
あたしの頭の中で
延々と繰り返す
あの音は
しっかりこの耳に録音。
これを、証拠としてとっておきたくなる ....
草原の昆虫が挨拶!
木の幹にしがみついたビニール袋に、水滴がたまっている。
春を置き去りにして、走ってきたよ。
風は生温くて、とても涼しくなんかないよ。
春を置き去りにして、走ってきたよ。
....
「くだらねぇ」って思ってさ
コンクリートに転がった石ころを
蹴飛ばしてやったんだ
繁みに変な音を出して消えていったよ
毎日が同じ気がしてならないんだ
まるで無限ループみてぇだ
「それっ ....
白紙提出って
そんなに悪いことなんでしょうか
考えて考えて考えた末に
白紙になるなんてこと
絶対にないんでしょうか
拙く細い線の交わり合いよりも
だだっ広いこの純白の空間の方が
....
子供のころに
{引用=すききらいせずに
なんでも食べる子になりなさい}
って言われたんだ
だから、今では何でも食べる
ニンジンも
ピーマンも
あなたも。
僕が旅に出る理由は
1の僕の最後の抵抗
会わなくて済むこともできたのかもしれない
少なくとも
文字で僕をつたえることはできるって
そう信じていたから
何千字を送信することも ....
たなごころに ビイドロの はなぶんちん かざす
クリスタルに はねる こもれび
ひとみを いおとす きらめき
しろとくろが おりなす せかいへ ようこそ
まぶしさに かおを そけると
....
瀕死のロックンロール・スタァ
遊びにおいでよ今夜
瀕死のパンク・スタァ
遊びにおいでよ今夜
ノートに書かなきゃ忘れちまうような
そんな言葉なら最初から縋らなければいいよ
詩 ....
言葉って悲しい
伝えようとしても伝わらない
震える唇から滴る言葉を掬い上げても
そこには何もなくて
何も伝えられない伝わらない
誰かの冷たい裏切り
私なんて消えてしまえばいいのに
心 ....
重い、思いが
いくつも重なって
重奏を奏でた
扉がどぉーんと開いたように
僕はバッハに取り付かれた様に
必死で音を響かせている
聞こえるか、聞こえるか、聞こえるか
僕のサウンドにつ ....
瀬戸大橋が見渡せる
峠の途中で会ったのは
三十手前の細面
デジタルお遍路モモコさん
道を訪ねている時に
彼女の胸元差し込んだ
携帯電話が鳴り出して
画面に子供が現れた
ママママ ....
街を歩いています。
雨が落ちて来ました。
雨が落ちて来たのに、傘を持っていません。
傘を持っていない人は、雨に濡れてしまいます。
雨に濡れてしまったら、家に入れてもらえません。
家に入れても ....
僕の「はじめまして」と「さようなら」は
イコールになっただろうか
なんだか「さようなら」ばかり思い出す
僕は1年前
君に出逢った
君のことが好きになった
心から ....
1 2 3 4 5 6