豚飼いの歌
恋月 ぴの

君は知っている
自らの命のはかなさを
自らの行く末を


生後僅か百八十余日の命


それでいて綺麗好きな君は
けなげに身の回りを整えている
与えられた僅かな命のために餌を食む


君の歌う歌は豚舎の優しい寝床となって
ひとときの安らぎを紡いでいるから
暮れなずむ陽に寄せる願いは
やがて訪れる決別の涙さえ
希望への予感と姿を変えさせるのだろうか


再び巡り来る朝があるならば
もう一度君の笑顔と出会い
奏でたい命の果ての妙なる調べを


自由詩 豚飼いの歌 Copyright 恋月 ぴの 2005-08-20 06:26:02
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