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彼女と手をつないで今夜
麓の街で開かれる
夜祭りを見に行く

月明かりが硬く降り注ぐ
蒼ざめた石畳の街の四隅に
かがり火が燃える

やがて大弓を載せた
台車が四隅から繰り出して
街 ....
慌ただしい朝
出勤前に身だしなみを整えていたら
妻から声がかかる

 バァチャンガナクナッタ

僕らの結婚当初からお世話になっていた
九州から出てきた妻は母親代りに慕っていた
おばあち ....
赤い電車も地下を走る
インバーターの
メロディーを奏でて

浅草/日本橋/銀座/新橋と
旧き佳き時代の繁華街を結び
雑多な電車が駆け抜ける

三浦半島から成田空港へ千葉NTへ
インタ ....
心地よい浮力を感じながら
どこまでも流され続けようと覚悟する
その心意気だけで日々を過ごし
世界を変えようとしている

隠れたセオリーを白日の元へ引きずり出す
幸せに繋がる/がらない/のか ....
夏の縁側に腰かけて
入道雲が真っ青な空に湧き上がるのを
見ている

背後の部屋は暗くて
ひんやりとしていて

もらい物の生菓子を食べようと
手を伸ばした瞬間

チリリ

(一陣 ....
人生の軽さを言いながら人生の重みを感じさ
せる。
   そんな境地に僕もいつか辿り着けるの
だろうか。
     ノイズとスクラッチとギターとピ
アノと正弦波とドラムとベースとライムのよ
 ....
何も残せないと分かっていたとしても
踏み出すべき一歩はあるはずと
遠い雲に問いかけてみる

僕が目指すべき地はまだあるのか
戸惑いながら歩いていく

朝に夕に
呼び掛ける人の声の暖かさ ....
わぁ泳いでる

宴会場に入ったとたんに
女性陣から声が上がる

浅い椀に入った白魚が
勢いよく泳いでいる
透明な体に赤い心臓
鰓が細かく震えている

勢いあまって椀から
飛び出す ....
固い蕾が座っている
春の陽射しのなかで
凛として震えている

パッと咲けという人が
最近はとみに多くなったけれど
慌てなくてもいい
はずだ

じっくりと根を伸ばし
ゆっくりと綻んで ....
暗い薄墨色の空を
綿ぼこりのような
存在感のない雲が満たしている
空がすごく低い

薄い夜空から落ちる雨が
僕の身体に滲みこんでいく

街灯に透ける僕の指
二重にブレてぼやける
街 ....
拍動し続けようとする循環器
食べ物を消化しようとする消化器
呼吸し続けようとする呼吸器

その自動性はいつインプットされたのか
何処に記憶されているのか

脳に?
臓器に?
細胞に? ....
一般市民向けのやさしい科学技術セミナーを受けに
漢字でも六文字を費やす「六本木一丁目」という
バス停みたいな名前の駅に向かっている

どんな話が聴けるのか楽しみにしながら
ホームドアで隔離さ ....
ゴツゴツ落ちつかないバランスの崩れた車
その中で聴く二十歳のためのロック
その青臭さが自分のものではなくなって久しい

十年前に書いた詩を読み返しながら
失ったもの表現できなくなったものを知 ....
週休出勤の帰り道
駅のアナウンス(それも合成音声)が
曖昧な事を言っている

まもなく、普通、上野行きがまいります

普通って
それじゃ事によると
上野じゃない所にも行くんだ

 ....
半蔵門って何処だ
紫の帯の地下鉄が開通したとき
まず思ったのはそのことだった

銀座/丸の内/日比谷/東西/千代田/有楽町

方角を示す東西以外の路線名は
東京近郊で産まれ育った僕でも
 ....
電車の座席に揺られると
素知らぬ顔で睡魔が襲ってくる
この瞬間も手が止まって意識が飛ぶ

気が付くと携帯電話のバックライトが消えて
真っ黒の画面が虚しく光る
(この機種はどうしてこんなに早 ....
信号待ちの車の中

ふいに
シチューの匂いが

忍び込んでくる

こんなに濃厚なシチューを作る
幸せな家はどんな家だろう
と思うけれど

走り出した車の中
すべては押し流され
 ....
ただ青く色そのものになった空
飛んでいる/はずの飛行機の窓の外には
動かない風景

窓の下には薄いごく薄い雲の海が霞む
空と雲の海/の境界を何と呼べばいいのだろう
白く霞む雲はその下に広が ....
?
加速を付けようとする度にガタガタと揺れる高崎線
高速で惰行運転に入っても細かい振動は収まらず

それは日常にはありえない乗り心地で不安で
あまりに快適な運転に馴らされて居たことを知る
 ....
東むきの窓から見えるマンションは
夕陽を眩しく浴びて金属質に輝いている

けれどそれは束の間のこと
引き潮のように暖色の光は消えていく

夜を招き入れるような小鳥たちのさえずりが届くと
 ....
風呂あがりの
ほてった身体を
常夜灯だけがともる
洋室で冷ます

妻も娘も寝静まった
夜更けに
フローリングの床に
じかに座る

柔らかな闇に身を浸すと
穏やかな気持ちになる
 ....
銀座一丁目行き
まるでバスのような行き先を掲げて
開業した際に導入された電車は
千代田線のマイナーチェンジで
目新しさはなかった

けれど当時

沿線に従兄弟の家があったから
山吹色 ....
次女は毎朝
長女は毎晩
鈴を鳴らして
仏壇に礼拝する

その度に彼女たちは声にならない声で
何事かをブツブツと話していて

 何を話しているんだい/と、尋ねてみても

 えー秘密/ ....
大掃除の手始めに
なんとなく僕の部屋ということになっている
西向きの洋間
に置かれたまま整理していなかった
書類領収書請求書レシートパンフレット新聞記事コピー
などなんやらかんやら
雑多な ....
僕らの乗った客船は軋みながらも
概ね順調に航海をしている筈だった

海は時化ていて甲板には
出られないけれど
船の中に必要なものは揃っていたから
退屈はしなかったし
取りあえずは安全/安 ....
小学校四年生の娘と姪っ子は
互いに追い駆けっこをして
おじいちゃんちの六畳間を回る

クルクルクル クルク ル

いつ果てるともなく回り続ける
ように笑顔に笑顔を重ねて弾ける

そ ....
夜のアーケードを駅へと急いでいた

落ちていることを認識できない間隔で
落ちて来た水滴が太ももを濡らして
驚いて足元を見ると確かに路面は濡れていて


朝の路地を駅へと急いでいた

 ....
後で降りてくるよと
サザンの曲を元ネタにした
ショートドラマのオムニバスを
見ている妻に声をかけて階上に登り
詩の投稿サイトとかをチェックしていたら

カチャリ

部屋のドアが開いて ....
図書館前の信号に続く道へ曲がったはずだった
携帯メールをチェックしながら歩いている
右側から強い光を感じて振り向くと
接骨院の白と緑の看板を目が捉えた
瞬間
現在地を見失い見知らぬ街角に投げ ....
路線名どおり
東京を東西に貫く電車
地下鉄のくせに半分近くが高架線で
快速電車も走る らしくない路線

学生のころ
思いたって全線を乗り潰してみようと
中野駅から西船橋駅まで
無意味に ....
恋月 ぴのさんのkauzakさんおすすめリスト(191)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
祭りの夜- kauz ...自由詩5*09-5-30
悲しみを見失って- kauz ...自由詩7*09-5-25
浅草線- kauz ...自由詩10*09-5-21
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Rへえへくくらへら- kauz ...自由詩17*09-5-10
越境する音楽- kauz ...自由詩10*09-5-6
何も残せないと分かっていたとしても- kauz ...自由詩7*09-4-25
踊り喰う- kauz ...自由詩11*09-4-15
- kauz ...自由詩7*09-4-5
リレーション- kauz ...自由詩14*09-3-26
生物についてのエスキス- kauz ...自由詩6*09-3-21
南北線- kauz ...自由詩4*09-3-16
成熟した空虚_二〇〇九- kauz ...自由詩6*09-3-11
純粋な意味に縛られて- kauz ...自由詩8*09-3-6
半蔵門線- kauz ...自由詩8*09-2-20
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仄かな光- kauz ...自由詩6*09-2-14
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電車弐題- kauz ...自由詩6*09-2-4
東むきの窓/夕刻の光- kauz ...自由詩2*09-1-26
闇を愛す- kauz ...自由詩7*09-1-23
有楽町線- kauz ...自由詩2*09-1-20
日々の想い- kauz ...自由詩9*09-1-13
大掃除の手始めに- kauz ...自由詩3*09-1-4
不安な航海- kauz ...自由詩3*08-12-30
永遠とは- kauz ...自由詩4*08-12-21
インフルエンザ- kauz ...自由詩4*08-12-12
甘えた声で不満げで- kauz ...自由詩8*08-11-29
幻惑の街角- kauz ...自由詩1*08-11-26
東西線- kauz ...自由詩3*08-11-23

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