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軽やかな部屋
羽ばたくように
真鍮の鈍い光の反射

中空にあるのは
現世から浮かびあがろうと
何ものにも縛られたくないと
軽やかな意識で瞑想したいと
でも思っているのか

未熟なま ....
分からないままに歩き続ける
たどり着く場所なんて知らない

まして此処が何処かなんて
想い描く余裕もないから
ただ流されるがままに
諦めて誤魔化して色褪せていく

その世界を壊せばよい ....
ニュートラルな空気
僕の頬に触れているけれど

そこにあることすら忘れていた

ペダルを踏み込む
ふらつきながら動き出す自転車

そこにあった空気を押しのける

次々と 次々と
 ....
子供たちを寝かしつけて
朦朧とした頭を抱えて

ただジュースを飲みたいがために
サンダルを突っかけて外に出る

雨上がりの真夜中
起き抜けの身体はまだ夢の中

視界は頼りなげで
僕 ....
私は私のできることをしているだけ
シンプルなメッセージはしかし
どこかで諦めながら、なお光を求め
小さな力/を信じる/に祈る/モノの
清々しい覚悟を露わにして
背筋を伸ばされる気がしたんだ
 ....
二十歳すぎの男が
号泣という言葉にふさわしい
滂沱の涙を流して
人目を憚らず泣いていた


その涙は僕には絶対に経験できない

断言出来てしまう自分のこれまでの生きざま
が悲しいの ....
樹木のふりしたブロンズの支柱から
つり下げられた
仄かな風にそよそよと揺れるシルク

柔らかすぎる壁の中に
たたずむものは何だろう

揺れるシルクの隙間から
薄茶けた蝋のような
立体 ....
世界を捉え直すために
空を飛ぶ

風を感じる先に開けた風景は
僕を何処に導こうとするのか

星が綺麗だ
どこまでも視線を遠く投げて
どこまでも行くことができる気になっている

なく ....
君は彼女じゃない

そう自分にいいきかせても
彼女の欠片を
そこかしこに見つけてしまう

喜んだ顔とか
ふとした仕草とか

そんなことから
7,8年前の
ほろ苦い思い出が甦る
 ....
陶器製のビアタンブラー
の中でコークの泡が弾けている

チリリリリ
チリリリリリ

なんて機械的な
なんて人工的な

音だろう

飲み干しながら
いつもより覚醒を
強く感じて ....
私たちは
眩暈がするような速度で
転がり続けなければならない

変化すること
それが何よりも重要で
変わらなければ私たちは衰退する

そんな強迫観念に
いつの間に囚われてしまったのか ....
専用線の貨物列車を
雑草の生えた線路の際で見送る

ダダンダンダン
ダダンダンダン

それは思いがけぬ速さで駆けて行く
街の風景に似合わぬ
大きな図体に圧倒される


シズシズと ....
長女の生徒手帳は
しばしば行方不明になる

いや行方不明ではなくて
友人知人の家にある

繋がりたい友人からの
カラフルなメッセージ
で埋められた白紙のページ

僕が学生の頃
生 ....
雨は突然滝のように落ちるものになりはてた
そんな規則を作った奴は誰でもいいが雷が恐い

大量の水が空から落ちる風景を見ていると
興奮するこれで稲光さえなければ

洗い立ての洗濯物がまた濡れ ....
夏の夕暮れ

散歩する僕を突き放すように
雲は遠く空を覆っている

沈んで行く太陽に照らされて
黄金色に光っている


あたりには
雨の匂いが満ちてきて
遠くから雷鳴が聞こえる
 ....
蝉時雨が肌を刺す
てんでに湧き起こる
雲の峰の下
白き猫と対峙する

突然の珍客に身構えた
野生の瞳は鋭く
こちらを値踏みしている
ようだが

耳はフルフルと
右へ左へ落ち着かず ....
モノ言う知事の鶴の一声で
急遽ネーミングが変わったのだが
大江戸の名は意外に馴染んでいる

最初は環状線になるはずだったのに
いつの間にオタマジャクシ型に
計画変更されたのだろうか

 ....
いつかあたりまえのことを美しい言葉で書くことが叶うのだろうか
いつか美しいものをそのまま提示して成り立つ詩が書けるだろうか

ほんとうは人生の意味を掴みたくてたまらないのに
ほんとうは美しいも ....
リリリリー
公共地下道に蟋蟀の鳴き声が
響き渡る

蟋蟀の
姿は見えない

最近の公共地下道は
明るすぎて人工物まる出しで
めまいがする

塾帰りの中学生たちが
とめどなくおし ....
僕には手立てがなかった
君を忘れようとするしか
空しさをほどく術はなくて

叩き着けるように
書き殴られた手紙が届く
乱雑な折り目を開いて目を通す

君が去ったことを思い知る
追いか ....
それは樹齢数千年の老木のように
ごつごつと皺くちゃな
堅い表皮を持っている

アルミニウムの廃物で作られた
それは機械でもなく樹木でもなく
しかし天を目指してすっと立っている

その足 ....
岩本町駅は秋葉原駅のすぐ近くにある
けれどアキバ地区の裏にあるから
いまひとつ道を覚えられない

乗り継ぐ時は一抹の不安を感じながら
未だ見知らぬ街を抜けて
岩本町/秋葉原駅を目指している ....
パラパラ
パラと
中途半端に雨が降る

傘を持って行こうか躊躇する
空は薄曇り
天気予報も曇

曖昧なことが
日常には多すぎる

学校では
正解がある問題ばかり
教えられてき ....
神田方面から三越本店を通り過ぎた
交差点の向こう側が日本橋だ

高速道路が橋の上を覆って景観が
損なわれているとテレビでも書籍
でも当たり前のように言ってるか
らゴチャゴチャ閉塞的な景観に ....
まわるまわる
空間に溶けだすように
しなやかな身体を投げだす

無限ステップはミニマムなリズムに隷属し
時間を引き伸ばそうと
あるいは無化しようとする

そのリズムに身体を預けた君は
 ....
僕は迷わず選んでいこう
来るはずの明日の為に

*

何をしたらよいのだろうと戸惑ったまま流れていく
海に向かって

揺れ落ちて溶け行く陽を
君とふたりで見ていたのは

**
 ....
夕暮れの
韓国料理店の
店先に
出された
長椅子
の上に
地球儀が
鎮座する

海の色は
リアルに
青く
塗られている
くせに
陸は
ピンクだの
レモンイエローだの
 ....
考えてみれば終点の西高島平は
笹目橋のたもとにあるような駅で

我が家から結構近いところを走っている
はずなのだが印象が薄い

開業当時の電車はもう引退して
地方鉄道で第二の人生を送って ....
先週の金曜日に係員が
片っぱしから抜いてきた芥子が
車庫に運び込まれて

取りあえず焼却炉に火が入る日
まで
放置していた

 チョクシャニッコウハアタラナイシ
 カゼトオシモイイカ ....
微かに本が吐き出していた
縁の糸に絡み取られたように
また
導かれた一冊の詩集

図書館で目にすると
迷いもなく借りてきた


けれど貸し出し期間の半分が過ぎても開けず
10日が過 ....
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