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高崎線のドアは必ずしも自動じゃない

特急/快速の待避で5分停車ともなると
駅に着いてもドアが開かなくて
都心の電車に乗り慣れている人が戸惑って
ドアの前で立ち尽くしてしまう

開閉スイ ....
住む人の居なくなった実家
風を通すために帰省して
東京に帰る日の昼食は
味噌ラーメンが美味しいと
親父が通っていた店で食べる

 若いころ札幌で食べた
 味噌ラーメンの味に魅せられた親父 ....
海の底のような
薄墨色の空を従えて
ヒンヤリと佇む
片側3車線のバイパスを

時速80キロで流す

クシャッと自分の心を
にぎり潰した今の僕には
生理的に合う速度で

ハンドルも ....
シルバー剥き出しのステンレスカーの丸みを
帯びたそのフォルムは柔らかくて東武線の武
骨な旧型車より洗練されていた

(実は武骨に見えた旧型車は日比谷線の車両
 が登場する直前まで製造されてい ....
僕は何の脈略もなく選び取ったはずだった

図書館でその彫刻の本を手に取ったのは
静かで凛とした佇まいの彫刻が気になったからで

図書館でその詩集を手に取ったのは
背筋を伸ばして凛と生きた作 ....
生の感情を引き出せないかと
密かに手書き用のメモ帳を
鞄の中に忍ばせることにした

言葉が降って(笑)きたら
すぐに取り出して書き込めるように
手を動かすことで感情が零れるように

そ ....
10年と少し前まで走っていた真っ赤な電車
50年以上前にデザインされたとは思えない
斬新な色使いの電車は今でも地球の裏側で
タンゴのリズムを纏って走り続けている

メトロと言いながらそこここ ....
大手菓子メーカー製造の
5個入り徳用大福に手を付ける

機械練りの餡であっても
小豆は小豆だから

機械でくるんだ餅であっても
淡泊で餡のじゃまをしないから

餡の甘さに素直に溺れる ....
暗闇の中 せせらぎの音だけが響いている
ぼんやりと見える水しぶき
岩陰には何も潜めないようで

だがそれは思い違いにすぎなくて
水しぶきのように見える放物線

微細な魚たちの鱗の鈍い光が ....
夜の大学通りは遠くまで見渡せる
ポツポツと等間隔で並ぶ青信号
の青色ダイオードの光が優しい

君と手をつないで歩く歩道
たわいない話と温もり

曖昧に相槌を打ちながら
けやき並木が夜空 ....
引っ越した家への帰り道には
お寺の門前と墓地を抜ける箇所があって
そこから先は急に夜が深くなる

歩いていると聞こえるのは
虫の声と自らの足音だけで
夜に包まれる心地好さを感じながら家路を ....
電器店で洗濯機の購入手続きをしている間
に降り出したゲリラ豪雨は雷を伴って
ドドドォーンと雷鳴が店内に響き渡る

電器店の1階にあるセミオープンの駐車場
にも雨が吹き込んでいて
(それは水 ....
地に足が着ききらない物語
表面にとどまる心象描写

もっと深いところがあるんだ

したり顔で批評するのは

簡単だけど

人の声を得て
人の身体を得て

息を吹き返した言 ....
夕方の上り通勤快速は
降り出した雨を切り裂いて走る

車内は意外に混んでいて
ロングシートは満席で
吊革に片手をぶら下げて
流れる車窓を流れる雨滴を
ぼんやりと眺めていた

雨の駅に ....
風に吹かれ髪がひるがえる
ただ、風を受け入れる

きらめく波頭が目を奪う
ただ、光を受け入れる

潮騒と木々のざわめきが耳に届く
ただ、音を受け入れる

僕はいまここにいる
ただ、 ....
第三軌条だなんて
レトロフューチャーで
スタイリッシュな言葉

第三軌条に流れる電流は
架線に準じた強さ(で危険)だから
壁際を走る軌条は駅の手前で中央に移る

かつて走っていた旧型車 ....
ぎゅー
とか言いながら
小学生の次女が背中から抱き付く

突然の攻撃に弱い僕は
反射的に振り払う仕草をする
から彼女は頬を膨らます

いつものパターン
だけど今日はちょっと事情が違っ ....
何処にでも行けるのではなく
何処かへ行こうとする意志

強靱なしなやかな
意志

僕は持たない

ひさしく

日常はゆりかご

ひさしく

旅に出ようとすることは
慣れ ....
携帯電話のカメラモードを
セピアにセットして
梅雨の晴れ間の街を歩く

写り込む世界は

春まだ浅い砂浜で風に吹かれ
総てをなくしてしまったことを悟った
あの時のまま止まったように
 ....
背景のない世界
遠近感もない
乳灰色の空間に
僕はただ立っている
画素の荒い写真のような
朧気な白色光を浴びて

遠く人々のざわめきが
聞こえるけれど
方角すらない世界の中
ここか ....
そういえば僕は
綺麗な半円を描く虹を見たことが

ない

娘の絵本に描かれた
空に架かる橋なんて
どこにあるのだろう

あるいは
幼かった頃に
(例えば両親の故郷で)
見たこと ....
枯れ色を顕わにした麦畑は
豊穣の実りを得て
収穫を待ち受けている

その風景を見慣れない僕は
寂しい色としか捉えられない

咲き競う花々
明るく輝く若葉

新緑が萌え立つ季節に
 ....
表面だけを取りつくろって
内部は瓦解した家族の物語

けれど持ち合わせた秘密は
あまりにありふれていて
事件らしい事件が起こっていない

ただお互いの視線のズレが
互いに相手に抱く人物 ....
職場の同僚に教えてもらった
初夏の広域農道は明るく開放的で
自然と車の速度も速めになっていく

ストレスフリーで思うがままに操る車
エンドルフィンが漏出して
ハイな気分で

車を操って ....
東京タワーのライトアップは暖かい

都心のビルから漏れる明かりは
眩く刺さる白色光ばかりで無機質だから
高圧ナトリウムランプのオレンジの光を纏った
東京タワーに救われた気がして

ムキシ ....
あなたは花が好きなだけだった
大輪の花が咲くポピーと信じていた

それだけだった

けしの花
禁じられた花

大地に根を張るけしの力強さ
足に力を込め手応えを感じながら
何本も何本 ....
TVから溢れるノイズ
インターネットから溢れるノイズ
ブログから溢れるノイズ
ノイズ/情報の濁流

ヒトの生理的リズムを無視して
社会は勝手に転がっていく
置き去りにされた僕たちは

 ....
髪が耳を隠すくらいに伸びて

長髪にするの?

妻から皮肉にも取れるクエスチョンを受けて
久しぶりの散髪

ザクザクと刈り取られ
半分になった髪は
散髪前とまるで印象が違うから
 ....
ふいに
あなたは苦しげな表情

しながらその

裏で

屈託のない笑顔を孵そうとするのだろう



混乱するじゃないか
混濁するじゃないか

感性が
僕の



 ....
?
エロティックな関係プラトニックな関係
浮気をされたとしてどちらが辛いだろうと
問われてエロティックな関係と答える

そんな青くさくて即物的な僕は
人の心の機微を分かっていなかったと
 ....
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