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初めてこの道を通ったとき
小さな花が咲いていることに
気がつかなかった

初めてこの道を通ったとき
向こうから歩いてくる人が
君だったことに
気がつかなかった

初めてこの道を通った ....
まどろみの中で
薄れてゆく意識と
わずかに残る自覚とが
交差する

微かな論理が
無我と溶け合い
何かが生まれ
何かが消えてゆく

夢と現が
メビウスの輪のように結ばれ
頭の中 ....
日々の繰り返しが
時を止め
時間だけが過ぎてゆく
月曜から金曜は
他人の空間の中に
特別な意識もなく
身を沈めている

小さな場所の中で
自分だけの時が
ほんのわずかだけ動き始める ....

田園に降りしきる雪を見て
なぜかわからないけれど
昔の思い出がふと脳裏をかすめる

都会の星空は
教科書通りの星数で
オリオン座がはっきりとわかって
本当はたくさんの星があるという ....
朝から降る小雨が
今にも雪に変わりそう
そんな景色に
今日一日の力を抑えられ
心は閉じてゆく

沈んだ気持ちで
一日が流れてゆく

昼を過ぎた頃
気づけば雨は消えていた
間もなく ....
「ねえねえ、聞いて聞いて」
そう言ってくる子どもが
少なくなった
本当は聞いてほしいのに
本当はたくさん言いたいのに

「どうしたの?」
子どもの変化を察して
大人がきっかけをつくって ....
こんなに寒い夜だというのに
星空はどこか温かい
立ち止まって眺めれば
点と点は線になる

こんなに距離が遠いというのに
星空はどこか近い
目を凝らして眺めれば
どこかとどこかがつながっ ....
朝の新しい風が
粉雪を連れて
大地に白を吹きかけて
ささやかなあいさつをする

冬の風に蒔かれたその種は
すぐに銀色の花を開かせ
土の中へともぐってゆき
次の朝の茎となる

大地の ....
電柱と同じように
等間隔に植えられた木々の公園
朽ちた木材のベンチだけが
元来の自然を人々に示す

誰も座れなくなったベンチは
誰も迎えることができず
ただ一人で
日向ぼっこを楽しむ
 ....
冬の青い空を眺めて
見えたのは
光の粒子だった
きらきらと光るその粒は
純粋な希望の輝き

冬の白い地面を眺めて
見えたのは
水の結晶だった
きらりと光るその粒は
純粋な創造の輝き ....
繰り返される季節の
永遠を想う冬の朝
一面の土が白く広がる大地は
きららきららと光から音を奏で
音は寒さを物語る

繰り返される季節の
瞬間を想う冬の朝
一面の水が白く波立つ湖は
ふ ....
穏やかな風が吹く
冬の晴れた日の午後
寒い日のはずなのに
その冷たさはどこにもない

鳥たちはのびやかに飛び回り
土は生きている

めったにないこの日を
人も皆
外に出て心で祝う
 ....
枯れ草しかない目の前は
寂しさを感じるけれど
ここから春が訪れると思えば
渇ききった枝と自分の心にも
潤いが与えられる

土がむき出しのままの畑も
侘しさを感じるけれど
ここから生が誕 ....
雨上がりの砂利道を
そろりそろりと踏む石の
聞こえてくる砂音に耳を傾ける
それは優しさ

道の左の林より
枝から枝へと飛ぶ鳥の
聞こえてくる羽音に耳を澄ます
それは温もり

どこか ....
今日もまた
灰色の空から一日が始まる
青い空は心の中に閉じたまま
銀色の光が大地を支配し
赤い光は記憶の中に収められる

今日もまた
紐でかたく結ばれた一日が始まる
網の中に入れられた ....
冬の中に
君の白い息が眩しくて
なぜか視線をそらしてしまう
ぼくがいる

冬の中に
君の凍える姿が悲しくて
なぜか空を見上げてしまう
ぼくがいる

冬の中に
ぼくの凍える姿に手を ....
朝と歌う鳥達と目覚めを奏で
沈んだまま浮いてこれない ガラス細工を
丁寧に 丁寧に 探す
そこが 原点であり真実であるから

朝を歌う鳥達は高い空へと舞い上がり
弧を描きながらもまっすぐに ....
寒くなってきたので
言葉のタンスから
言葉のコートを取り出しました

一年ぶりに着る言葉のコート
冷たい北風も
これを着ていれば凍える心配もありません

どこか出かけてみよう
どうせ ....
誰も通らない道端の
枯れ葉が揺れるその場所は
風が自由に向きを変え
空へと戻る交差点

風と風とが巡り会い
互いの全てを確かめて
冷たい空気に温もり添えて

どこからともなく寒いねと ....
落第してゆく大人たちを
進級してゆく子どもたちが
通り過ぎてゆく

落第する大人たちは
進級することは過去にしかないと
思いながら
冷えた体で下を向いて歩いてゆく
丸まった背中が小さく ....
誰もわかってくれないと
思っているのは
誰にでもわかっていることで
誰もがわかっていると
思っていることは
誰もがわかっていない

それでもどこかが
つながっているようで
そのつなが ....
時が動いているから
飲みかけのコーヒーの熱は
どんどん放れてゆく

時が動いているから
人を愛する気持ちが
どんどん高まってゆく

時が止まってしまったら
花は散らない

時が止 ....
遥か遠い昔
この海は空だった
雲の上を魚が泳いでいた
魚たちはいつも
海を見下ろしていた

遥か遠い昔
この空は海だった
水の中を鳥が飛んでいた
鳥たちはいつも
空を見上げていた
 ....
今あなたが見ている空は
どんなにがんばっても
裏側までは見ることができません
けれども
その裏側を想うことは
できるはずです

今あなたが見ている人は
どんなにがんばっても
心までは ....
今日は晴れたので
畑の土に足を踏み入れてみました
乾いた土が靴の中に入って
ついには裸足で歩きました

今日は晴れたので
あいさつがいつもよりも
大きな声でした
返事も大きな声で
つ ....
夢の中の街は
思っていたよりもずっと
重化学工業だった

建物はすべて
高度経済成長だった
メインストリートでは
地元の人々が
それぞれに近所話をしながら
いろいろな店へと入っていた ....
森の小さな滝は
冬とともに
時が止まる
滝は白い線となり
静かに眠る

森の小さな川は
冬とともに
音が止まる
川は白い玉となり
ゆっくりと休む

森の小さな湖は
冬とともに ....
賑わった砂浜は
今では自分の足音しかなく
しかもそれは
波風とともに消されてゆく

目の前に見える海は
今の海ではなく
遠い昔に見た記憶の海

狭かった砂浜は
今では自分の足跡しか ....
しまい忘れた風鈴は
もうトンボは飛んでこないよと
話しかけてくる

夏は終わり
秋も過ぎ去る
汗の輝きは思い出

放っておいた植木鉢は
乾いた土だけが
黙ったまま

夏は終わり ....
君はもう見たのかい?
翼をもった
銀色の馬が
空を翔けてゆくのを
冬はこうして
やってくるのを

君はもう聴いたのかい?
いななくたびに
冷たい風が
地上に吹くことを
冬はこうし ....
恋月 ぴのさんのぽえむ君さんおすすめリスト(233)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
初めてこの道を通ったとき- ぽえむ君自由詩16*06-12-11
冬のうたた寝- ぽえむ君自由詩18*06-12-11
動くのは時と心- ぽえむ君自由詩14*06-12-10
そこには神秘がある- ぽえむ君自由詩9*06-12-9
そんな景色に- ぽえむ君自由詩9*06-12-8
聞いて聞いて- ぽえむ君自由詩11*06-12-7
星と自分が一直線になる- ぽえむ君自由詩12*06-12-5
雪の花- ぽえむ君自由詩12*06-12-5
都会のベンチ- ぽえむ君自由詩12*06-12-4
生まれてくる未来への予感- ぽえむ君自由詩12*06-12-2
繰り返される季節- ぽえむ君自由詩14*06-12-1
冬の晴れた日の午後- ぽえむ君自由詩18*06-11-29
枯れ草- ぽえむ君自由詩11*06-11-29
雨上がりの砂利道- ぽえむ君自由詩15*06-11-28
夢と希望の種は冬に宿る- ぽえむ君自由詩11+*06-11-27
冬の中に- ぽえむ君自由詩16*06-11-26
原点のガラス細工(見崎_光さんとの合作)- ぽえむ君自由詩11*06-11-23
言葉のコート- ぽえむ君自由詩15*06-11-22
風の交差点- ぽえむ君自由詩17*06-11-20
落第する大人たち- ぽえむ君自由詩14*06-11-19
誰もわかってくれない- ぽえむ君自由詩13*06-11-18
時が動いているから- ぽえむ君自由詩15*06-11-16
いつしか人は道具になった- ぽえむ君自由詩13*06-11-15
今あなたが見ているものは- ぽえむ君自由詩20+*06-11-14
今日は晴れたので- ぽえむ君自由詩10*06-11-13
夢の中の街は- ぽえむ君自由詩14*06-11-12
春を夢見て- ぽえむ君自由詩11*06-11-11
秋の海は思い出しか語らない- ぽえむ君自由詩15*06-11-10
花の美しさは幻- ぽえむ君自由詩12*06-11-9
君はもう見たのかい?- ぽえむ君自由詩15*06-11-8

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