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コトリガ ぴーぴー って泣くから わたしも ぴーぴーってないた。コトリガ キーキーって 鳴くから わたしも キィキィ って 鳴いた。コトリガ おおきく羽ばたいたから わたしは シタヲ 向いた 。 ....
言葉が躓いた先
視界の端で海が揺れる
掬ってみれば穏やかに澄み
浸してみれば鮮やかに碧く
一人一人違う泳ぎ方で
同じ海を泳いでいるのか
僕たちは淡い
孤独と出逢ってしまったか ....
幼い頃のひとり遊びの記憶は
影となって私に纏わり
誰かを愛そうとするたびに
耳元で呪文を投げかける
楓の色づく様を
薄の頭をゆらす様を
人と分かち合うやすらぎを ....
ピアノの鍵盤はじける
もどらぬ深海の底に
画用紙をはみだした黒と
混じり
内出血は生まれる
願いをこめた文字に
紙やすりをかける
....
僕のお母さんからは ロケットが出るんだ
小さい頃 そう歌ってた記憶がよみがえって来たんだ
作詞も 作曲も 全部僕で
ずっとずっと、歌ってた気がする
僕のお母さんからは ロケットが出 ....
流れてきたんだね、あの子。
−だって、水が濁ってる。
太陽の光を浴びたことがないのかな。
でも、真っ白な運動靴、素敵だね。
これからどうなるかも知らずに
一日中、笑っていたの。
空がと ....
取り締まることのできない光の減少が
駅のホームに加算されていき
歩みと停止を繰り返す人影を貶める
遠近法を失い胸まで迫ってくる欠落に喘ぐのだ
やがて満たされる黒の描写の内 ....
ポチが走ってくる
ポチが尻尾を振りながら走ってくる
ポチが全速力で尻尾を振りながら走ってくる
ポチがよだれを垂らしながら全速力で尻尾を振りながら走ってくる
ポチが乳母車を弾き飛 ....
空を泳ぐ鳥たちでさえ
死はいつも地上のある
明るすぎる地下に雨は降らない
きのうの洗濯物を今日の朝日に干す
明日は雨らしい
シャツには見覚えのない涙の跡がついている
毎日クスリを飲 ....
くにゃ
腕を預けておいた小さな棚がくたびれた
おおい、私のことは置いていくの
ストラップシューズのあいだから水玉の靴下をのぞかせ
のぞかせして今日も公園へ寄り道
はとを従えて行進 ....
液体枯渇の脳に注射器を射す
崖に落ちてく列車の窓に映った
黒く変形した俺たちの姿
微塵も穢れなき青空の雷鳴を
恐れ
物陰で怯える
地面に現れた ....
夏は逝くのだと思う
春や秋冬は毎回 同じものが回っているのに
夏だけは毎年燃え尽きてしまうのだと思う
少年の肌や少女の心に深く爪痕を残して
印象づけておきながら
潮のよう ....
死ぬ気でやればなんだってできるんだ
とあなたが思い詰めたように言うので
死なないで
と言ってみた
つらくても死ねないのは苦しいよ
とあなたが力無く言うので
じゃあつらい時は死になね
....
膝をたたみ 目を伏せて
思い出すのは
折りたたまれた空に見つけた夏のかけら
黒髪が 風を誘った雨上がり
わたし ここで猫が飼いたいの
....
夕暮れの 微笑 忘恩の 波
私生活の 凶器が 私の
夕暮れの 真似をした
道化の やはり
洪水の 模倣にも似た
祈りの 最中で
音が 鳴る
墓石に 虫が たかるように
音が ....
啓示は 下された
女が 死ぬ
男は 海に
自殺を 抱き
生き続ける
足下には 泥
むらがる 蟻は
蝉と 十字架を
運び
凹凸の激しい
排便
排便 そこには
美などなく
....
錆こする
蝉 が赤土の
踊り場を囲い 哉
哉哉哉哉 といにしえの
合
唱をまねび叫ぶ
哉 哉哉哉 哉
橡の木の下で錆び
た旋盤機が
抱 ....
「もも」のような人だった
夏の始まり
胃のあたりにひどい痛みを訴えて
青白くやつれていった
食べものの好みが変わって
「ガン」かもしれないと感じた
不意に 人生の何分の一かを失う と思った ....
潮風にのって白髪が
飛散するのを
じっと
唇をかみ締めて
耐えていた、
(藤壺を舐める舌の痺れ)
....
ふと遠いところへ行きたくなる
通過電車に手をのばせば届きそうで届かない
本気で身を乗り出すと本当に連れ去られてしまうから
「危険ですから、黄色い線の内側までお下がりください」
というアナウ ....
ふなりと 赤い 人形が 捨てられている
もうすぐ 季節が 笑う
一人の 生霊を もう 一人の
生霊が 育て上げ
赤い 人形は 沢山 捨てられる
田舎の馬車 弟の 遺言状が 護摩炊 ....
いつものとおり楽園じゃないところに帰る
多分それは明日も同じで
多分それは君も同じで
晴れているのに雨が降る
君が死にたいといったアスファルトを黒くする午後
楽園は彼方
母さん。
初めてぼくが笑ったのは、いつですか。
母さん。
ぼくに初めて友達が出来た日を、覚えてますか。
初めてぼくが熱を出した時、大変だったでしょう。
母さんのお粥は ....
輪郭だけをのこしたまま
あのひとがいなくなってしまったので
いつまでもわたしは
ひとりと半分のからだで過ごしている
明かりの消えた部屋で ひとり
アルコールランプに、火を点ける
ゆ ....
子供が行きたがっていたはずの
遊園地に行った
子供が恐がるであろう乗り物
恐がらないであろう乗り物
そのひとつひとつに順序良く
そしてなるべく丁寧に
乗っていく
スタンプカードがたまった ....
草原
おちるおちるる る る る る 青い水
ちいさな ちいさな ちいさな ピンク の ?
....
空が割れて
夏で満たされたプールで
泳いでいる
さかなのアンテナで
誰とも触れることなく、すり抜けて
泳いでいる
すれちがう誰もさようならをうたわない
体の中心がどこなのか
わ ....
歌詠いの老父。手がない犬を連れ、近眼の男と会う。耳なしホウイチは、ナポレオンと共に、
老父を暗殺しかけたのだ。宗教が正しいと認めるのは、勿論、老父の歌声だ。うごぼけの。
言語などない。老父は、達磨 ....
ティーンエイジャーの国境線越えたら
とびはねた言葉が口から出なくなっちゃった
もっとね
頭おかしい子でいたかった
授業ではきちんと正しいことを教えてくれて
それはそれとして頭おかしい子でいら ....
深夜のプールに
腹を裂いた犬の死体を浮かべた
悪いことしてない
したいからした
細切れにされた僕が
立ち尽くし
一つしかない空の星を
噛み砕いた
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