すべてのおすすめ
母は 捨てる
真昼に閉じた雨空へ捨てる
滑空する白色の鳥が堕ちる所
そこに堕ちる母のものを捨てる
湿地帯に隠された 母の書いたもの
そこに堕ちる母のものを捨てる
滑空する白色の鳥が堕ちる所 ....
母さん僕はやってしまった
やってはいけないと
あなたが無言のうちに
僕にさとそうとしていたことを

母さん僕はやってしまった
あなたの愛憎をきわめて
そして僕の中ではいつも
不在と実在 ....
 

雨が花の形を整えていく
わたしたちは共通の言葉で話し
共通の言葉で
触れるべき場所に触れる

民家の前にぽつりと置かれたバス停で
傘を差してバスを待つあの二人は
親と子なのだろ ....
牛です私決めました出産ですお立ち会いのもと牛です私牛です出産です決めましたお立ち会いのもと出産します牛ました私です決めました私牛を出産します。


産まれました
白と黒の牛は仔牛と呼ば ....
攻撃的な人は嫌いです
両手に鎌を持つ人
しゃきーん
俺の言葉を否定する奴は賛同できない奴はしんじまえーって、
言われてる気がして
怖くてこわくて眠れなくなる夜だって、しばしば。
私は誰の意 ....
「笑っているの」と訊ねると
「笑っている」と応える


木の葉が風に舞って
肩越しに落ちかかるまひる
赤い葉っぱが嬉しくて
赤い色がかなしくて
その指先をもとめて手をのばすの


 ....
パンティーストッキングは本当にすばらしいなあ!
パンティーストッキングは本当にあたたかいなあ!
うわごとのように繰り返す君はもう駄目なんだね
白い病室のベッドに縛り付けられた君はもう駄目なんだね ....
恋人よ 悲しい冬の朝のにおいを
結び合わせて僕たちは
僕たちを手ひどく扱った
このちっぽけな町を出てゆくのだ

機械油のにおいだとか
缶詰工場の工員のつなぎだとか
狭い路地や貧乏そうな子 ....
命令されたくないですか/
信号はもううごきません
進めか止まれかわかりません
心ある
つもりだった人々は戸惑い
まだ車ごしだったが
向き合って見つめ合った
幻想のサプライ
忘れ ....
何も無い畳の部屋、僕は全裸で寝転んでいた。
赤ちゃんみたいに手足をぎゅっと身体に寄せて、じっと天井を眺めていた。
四日間飲まず喰わずの僕の頭の中にはオペラが大音量で流れていた。

部屋のふすま ....
放課後、屋上に呼び出され
どこにいるのかと見渡したら
彼女はコンクリートにうつ伏せていた
近づくと、目を閉じた横顔のまま
私の輪郭を引いてくれないか、と
きっぱりと言った

よく解ら ....
 
 
○父

窓から庭のブランコを
眺めることが多くなった
あれにはもう一生分乗った
と言って
時々体を揺らす
背中が
押されるところではなく
支えられるところとなってから久し ....
そういやこの曲を聴いていたときに
君はすでに死んでたんだね
なんだか不思議だね
僕がこんなに素敵な音楽を聴いているときに
君はとっくにこの世にいないなんて

あのとき僕はどんな思 ....
いつか一緒に死海に行こうと
あの人が言うものだから
いつかっていつだろうかと
わたしは鼻をくすぐられる

あまいあまい
ほっとみるくのにおいは
たいようのように
あたたかくて
あつく ....
不意に、もうひとり帰ってくる気がする


母は家にいて
私も家にいて
弟が帰ってきて
もうひとり弟が帰ってきて
それから父親が帰ってきて


机に張り付いて私は耳を澄ま ....
 
 
 
私に手を掛ける三分前
あなたの世界は破裂したのだろうか
どろどろとした緑を排出しながら
あなたの世界は破裂したのだろうか
 
 
私とくちづけを交わす三分前
あなたの世 ....
同じ図書館は二つとないね
どの図書館も違う

引っ越したあとも使っていた
利用者カードの期限が来て
今度は更新できない

一度別れてしまった恋人の手や髪や唇には
二度と触れられないよう ....
物に感情移入してしまうのは
馬鹿げているのかもしれないけれど
その物に関わったひとの心は
つながっていると思う
あの自転車を見るたび
泣いてるようにしか見えないから
三年以上
電信柱に寄 ....
切っ先は悲しくて
心はいつも遠くて
空と目を合わせない
人々を笑いながら

無実の罪の僕ら
猫みたいな君が見つけたのは
色を変えた心と騒がしい世界だ
眠れなくて

別れをつ ....
つかめない空を
見上げる君は
笑ってるようで
あきらめかけてる
物語は
まだ続くようで

なんだ、意外と行けそうだ
これから僕らが
交わす言葉は

「さよなら」
違うね。
 ....
大空という言葉は不思議ね
小さい空もあるみたいね

青空という言葉も不思議ね
緑色の空もあるみたいね

夕焼けには小焼けがある
青にも青の他に群青がある

小さな星には小さな空がある ....
あ、
雨の夕刻は
アスファルト状の黒いノートにおいて
ひとつぶ、ひとつぶ、別々の
無数の濁点だ、





雨滴、
雨滴、
黒く
滲んで
広いひとつの痣として ....
君のことを描くたびに
ひとつずつ言葉を失っていった
すっかり軽くなった水彩箱には
たったひとつの「ありがとう」が
隅にこびりついて震えている

―――ありがとう。

それだけで ....
古い古いソウルミュージックが
ラジオから流れはじめたその夜の
23時
僕は窓をあけ、風を誘い込んで
ノロノロと車を走らせる
マービン・ゲイ そしてマイケル・ジャクソンを口ずさみながら
誰か ....
ジェニ、ジェニ
気楽へ行こうよ
ちっこい僕の車に乗ってさ、
すなはまへ
ゆっくり行こうよ
塩の柱をながめながら
ほら
かわいた気分が
アメリカまで続いている
そこにあるのがどうしてな ....
雲がのびてゆく
編み目を広げて

ただの雲と思うなよ
まだまだ空は広いから

犬の甘え鳴きが
のびきってほどける日を
知らせようとしている
君の瞳を見つめられるのも
これが最後なんじゃないかと思った

怖かった

子供みたいにぺろぺろあめを舐めて
笑っている君はこれでおしまいなんじゃないかと思った

怖かった

泣いて ....
秋は
もともとが 美しいものだから
心を奪われないように歩く

木琴の連打がやわらかな足跡をつけていくとしても

スリットのむこう
無言のまま去っていった あの
影のない犬の
ように
十五年間生きてきて
恋をしたいと言っておきながら
やっぱりそんなものしたくなくて
わたし、口をつぐんでた


教室内で女の子たちは
携帯小説の話題か自分の彼氏の話をし
男の子たちは髪の ....
ダニエルは犬だ。ゴミ箱の前で、線路の影で、
夜を待っている犬だ。月が湿っている。赤くなる
空の前で、ゴミ箱がぼやけている。陽炎の
中のダニエル。ゴミ箱は青。霧雨も
降らないのに、電車は光をつけ ....
佐藤伊織さんの自由詩おすすめリスト(331)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
書かれた—母(2010年参稿)- 非在の虹自由詩7*10-8-2
狂詩曲- シホ.N自由詩210-7-31
抜け殻- たもつ自由詩2210-6-6
寄せる上げる潰す破裂- 手乗川文 ...自由詩21+*10-6-4
両手に鎌- ki自由詩110-4-13
兆し- 石瀬琳々自由詩8*09-12-10
帯革- セガール ...自由詩509-12-5
_このちっぽけな町を出てゆくのだ- 瀬崎 虎 ...自由詩409-11-23
畏敬ソケット- あすくれ ...自由詩5*09-11-3
そよめきと鳴る窓は君の外に- 青木龍一 ...自由詩709-9-10
輪郭- RT自由詩1309-8-18
家族- たもつ自由詩4909-7-3
思い出しメロディー- なかがわ ...自由詩709-6-16
死海- ことこ自由詩7*09-5-23
もうひとり帰ってくる気がする- 因子自由詩20*09-2-2
私に手を掛ける三分前- ゆるこ自由詩909-1-30
さようなら図書館- 小池房枝自由詩1009-1-29
泣いている- 蒼木りん自由詩7*09-1-21
from.e- 昏(ヤッ ...自由詩1*08-12-24
ストーリー- 昏(ヤッ ...自由詩1*08-12-24
レイリーブルーの秘密- 小池房枝自由詩6*08-12-23
冬のカルテ- A道化自由詩1408-12-13
セルリアン- Rin K自由詩2708-12-10
月光ドライブ- フミタケ自由詩8*08-12-4
ジェニジェニ- 構造自由詩1308-11-28
とどくまで- 木葉 揺自由詩7*08-11-8
もう君と会えない気がして、怖かった- そらの  ...自由詩5*08-10-31
影のない犬- 角田寿星自由詩808-10-7
アポトーシス- 笹子ゆら自由詩13*08-10-6
ダニエルは溝の中- ブライア ...自由詩9*08-9-14

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