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あてもなくふらつく夜の地下道
家の無い汚れた列が うようよと 笑ってる
バケツに入った配給の{ルビ雑炊=ぞうすい}を待ちわびて

地上への階段を登る
雨に濡れた新宿ミロードの傾斜を
危う ....
親愛なる詩友へ

友よ、あなたが今心から愛する{ルビ女=ひと}と出逢い、
日々幸せに包まれていることを、
僕は嬉しく思っています。

僕なりに感じることですが、
「芸術家」「詩人 ....
よく晴れた昼過ぎ
満開の桜の木陰にすいよせられて
黒い幹に{ルビ凭=もた}れ腰を下ろしていた

桜の花々は音もなく風にざわつき
ふと 辺りを見わたすと
桜の{ルビ蕾等=つぼみら} ....
鈍く光る銀色のドアノブをひねり
といれに入ると
窓辺にはうす桃色の{ルビ薔薇=ばら}が咲いていた

水色のすりっぱには
背中合わせのふたり
男の子は贈る花を背に隠し
女の子は四葉のクロー ....
窓辺のてーぶる
並んだふたつの影を朝日に落とす
じゃがいも・いちご
似ても似つかぬ後姿の影を背に
似た たましいの まなざしそろえ
窓の外に光のたまる
明るいほうへ   *

 

 ....
職場の同僚と{ルビ口喧嘩=くちげんか}して
{ルビ凹=へこ}んでいたハートに{ルビ靄=もや}がかかっていた夜
やり場のない気持を抱えたまま、散歩に出かけた

家を出て、ひとつ目の角を曲がると ....
立ち並ぶビル群の幽霊
ビル風が吹き抜けると
敷かれゆく風の線路の上
滑らかに空中列車は行き交う

乗客は皆視線を落とし
日常に見つからぬ出口を
携帯電話の画面に封じ込める

 「 ....
もう何年も前のこと
ある夜のブラウン管の中
孤高のステージで
赤毛を振り乱して歌う{注ジャニス=アメリカの歌手}

夭折した彼女の生涯を
ナレーターが語り終えると
闇の画面に
白い文字 ....
*(この文章は、ジュテーム北村さんから、「同時多発朗読」の連絡を受けた後、
  行った朗読と、過ごした時間についての個人レポートです。
  なお、ジュテームさんからの連絡は「21時に」とのことでし ....
土曜日の夜
賑わうレストランの
窓越しに一本のポプラが
誰にも気づかれず 
静かなものごしで
あるべき場所に立っている

時折吹く夜風に
大きい緑の葉を揺らしながら
今迄にどれほどの ....
こしごえさんの服部 剛さんおすすめリスト(160)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
心ノ種- 服部 剛自由詩6*05-6-13
詩人の幸せ・不幸せ_〜詩友への手紙〜- 服部 剛散文(批評 ...9*05-5-26
桜の蕾を手のひらにのせて- 服部 剛自由詩10*05-4-30
といれのかみさま- 服部 剛自由詩6*05-2-24
早朝の青空に消ゆ_みすずノ星の_澄んだ瞳に見守られ・・・- 服部 剛自由詩12*05-2-1
「腰越_Z_」の野球帽- 服部 剛自由詩6*05-1-3
空中列車- 服部 剛自由詩25*04-10-3
白い文字- 服部 剛自由詩12*04-7-4
同時多発朗読・個人レポート- 服部 剛散文(批評 ...7*04-4-14
ポプラの木- 服部 剛自由詩2*03-10-26

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