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洗足池で 
花見をしながら  
屋台の前のテーブル席で
生ビールを飲む

桜色の{ルビ提灯=ちょうちん}が
気持ちよさげに 
ゆらゆら
揺れる

周囲には
いくつもの
しゃ ....
ある晩に見た夢の中で
僕は詩人{ルビes=エス}に
なっていました

92年の生涯の最期の夜で
33937日目のことでした

おじいさんになった詩人は
細い息をゆっ ....
私の名前はローレライ
一生懸命語るほど
言葉はあなたに届かない

言葉が
言葉ではないことを
昨晩私は知りました

私の名前はローレライ
あなたを想えば想うほど
 ....
なぜだろう
深夜の台所から
──日々はそれでもおもしろい
と、誰かの声が聴こえた
食卓にぽつねんと置かれた
黒い{ルビお猪口=ちょこ}は 独り聴く
窓外に舞う雪たちの
億光年の唄を
久々の一人旅で
新幹線に乗る

列車は加速し始め
多摩川に架かる空色の丸子橋を過ぎ
東京は背後に遠のいてゆく

あの日
君を見送ったのも
品川だった
かろやかに君は
こちらをふり ....
傾いたクリスマスツリーが
ちかちか闇に、明滅している
今宵、{ルビ一縷=いちる}の夢を
こごえる誰かに運ぶように
僕は只
あなたの傍に立っていたい
硝子のお猪口を手にする
一滴の涙が頬を伝う
梅雨晴れ間 産声あげる 我が詩集 一人もの思う夜
静寂(しじま)の囁くメッセージ

──すかぼろーふぇあを聴くがいい

曲のイメージとは裏腹に
日々の場面の転調は
暗闇に光の射すような
小さな変化の兆しらしい

そ ....
日々働いていた頃は
退勤のタイムカードを、押したくて
嘆いていた
「早く日がくれないかなぁ・・」

時は流れーー退職後
障がいのある息子につきっきりの夏休みは
つい愚痴ってしまう
「早 ....
──献杯の酒を飲む夜に

  * * * 

高校三年生の頃、僕は恋をしていた
あんなにも好きだった娘(こ)に
教室で話しかけることもできず
震えながら・・・告白しようとした
夏 ....
よか世には
まだまにあうのでは
なかろうか
友よ、風の声を聴け 
たまにはかわいい息子を、本気で叱る 
ひと握りの愛情をもって(目を見つめ)
げんこを、こつん

息子は唇かみしめて
何かをこらえ
涙ぐむ

明日こそは、抱きしめよう
親父の本音と
 ....
ぶーん
と、軽やかに宙を舞う 
一匹の蚊よ
命がけで人の血を吸う 
機会を狙うお前よ

逃げなさい

大きな黒い手の影が 
生きることと背中合わせの
お前をいつも追っている 

 ....
天につばを吐いたら
金の滴が、落ちてきた 
あの頃「敷かれたレール」から{ルビ逸=そ}れて
長らく僕は、台本のない道を歩いてきた
最近ふと立ち止まり
ふり返った背後の道に
無数の数字が記されていた

3.14159265359……… ....
僕は親指を立てて
あなたの顔に、見せる

しばらく忘れていた
Thumbs up の合図を
あなたに
僕に
この夜に

フェイスブックに
ツイッターから
インスタグラムまで
誰 ....
朝、起きる前の布団の足下に 
ダウン症児の息子が入ってきて
妻がぱちりと、写真をとる 

頭上の壁には
ミレーの「晩鐘」
(一日の労働を終えた夫婦の祈り)

窓から朝日をそそがれて
 ....
スマホの小さな画面を
指で開く 
今日もSNSの文字は、告げる
「〇〇さんの誕生日です」

まぶたを閉じる
――今・世界の何処かで
東京都内の病院からは、赤子の産声が聴こえ
カルカッタ ....
青みがかった思春期の
あの日の僕に
夢を届けてくれたのは
夭逝の歌手・Oだった

時は流れ
同じくOが好きな友達に
十数年ぶりで
遠い街まで会いにいった

連絡をくれた{ルビ理由= ....
みみずは、土と野菜をつくる
みみずがいなけりゃ、人類はいなかった
みみずはなんでも食べて
なんでも、楽しむ

夏になっても、僕は干からびないだろう
一輪の花がゆっくりと、蕾を開く、宵の夢 
創造のわざは、私のなかに働く

私を支える茎は背骨、密かな光合成をとめず
今日もわずかに、背丈を伸ばそうとしている

たとえまだ、日の目を ....
庭で夕空を仰いでいると
足下の、少し離れた場所が 
ふいに がさっ と鳴った

古い柿の木から
枯葉の吹き溜まりに
実がひとつ、落ちたのだ

よく熟れた柿は
ほんのりと夕陽に染まり
 ....
夕暮の秋風に吹かれ
すすき野原が{ルビ靡=なび}いている

僕は風に逆らう
なのに遠い夕空は優しい

道は何処までも下り
またどこまでも上り

やがて雲は
夕陽の顔を隠すだろう
 ....
送信の印を、押せば
一瞬で相手に届く 
メールの文面

手紙の文字なら 
その人らしさを表わす一字にも
一つの心臓が、宿るらしい 

令和3年にもなれば
ポケットから取り出した
長 ....
ぽたり、汗は落ち、土に浸みた
しゃがんで草をむしる
炎天下の庭で

ペットボトルの水は
すでに
ぬるま湯 

あとひと息
草の束を
根こそぎ、引き抜いた

土の中がピカッと光っ ....
もし、汝のこころが
本気なら
少々の障壁はもろともせずに

なんのこれしき

{ルビ空=くう}へ向かって、越えてゆく
夏の終わりの港で
堤防にひとり腰かけていた

(このまま海をずっとゆけば
 世界の何処へでも辿り着ける) と

ひとり言は港に置いて
堤防から下りた僕は
歩き始める

やがて秋めい ....
{ルビ古=いにしえ}の詩を{ルビ嗜=たしな}みつつ 
酒を呑み
体なきひと、我に語らん
こしごえさんの服部 剛さんおすすめリスト(167)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
お花見- 服部 剛自由詩425-5-31
最期の息- 服部 剛自由詩225-5-31
願い事- 服部 剛自由詩125-5-31
おつげ- 服部 剛自由詩225-3-20
夜明け前- 服部 剛自由詩325-3-20
Poets_on_the_Road___──_旅立ったcho ...- 服部 剛自由詩625-2-2
聖夜ノ木- 服部 剛自由詩124-12-31
- 服部 剛自由詩324-9-8
産声- 服部 剛俳句224-8-1
epiphany- 服部 剛自由詩223-11-19
風の吹く日々- 服部 剛自由詩1+23-11-19
……とある蛙さんへの手紙- 服部 剛自由詩1123-11-1
風の伝言- 服部 剛自由詩223-2-11
親心- 服部 剛自由詩222-12-24
- 服部 剛自由詩222-6-18
ばかもの- 服部 剛自由詩222-5-31
円周率の旅- 服部 剛自由詩322-5-23
Thumbs_up- 服部 剛自由詩422-3-16
冬の朝- 服部 剛自由詩822-2-22
祝辞- 服部 剛自由詩422-2-19
或る友情_―Oに捧ぐ―- 服部 剛自由詩222-2-8
みみず- 服部 剛自由詩321-12-30
- 服部 剛自由詩921-12-2
柿の知らせ- 服部 剛自由詩8*21-11-18
すすき野原- 服部 剛自由詩221-10-13
メール考- 服部 剛自由詩221-10-13
小さな太陽- 服部 剛自由詩321-10-13
- 服部 剛自由詩221-9-20
晩夏の夢- 服部 剛自由詩221-9-20
或る夜の対話- 服部 剛自由詩221-9-20

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