すべてのおすすめ
何か空腹を満たすものはないかと
見上げた空は午後だ
トンビがビルの屋上で踊る
薄色の羽根が舞い散る
猛禽が食らっているのは鳩
同族の羽根の降る中
広場ではポッポーとのんきに ....
憧れのフリージアさま
こんにちは
私はカラスノエンドウです
あなたはきれいな名前を持って
あなたはきれいな香りを持って
あなたはきれいな姿を持って
咲いてらっしゃる
{引用= ....
わたしは咲いていた
わたしは咲く
わたしが咲くとき
わたしが咲けば
わたしよ 咲け
あなたが咲くうたの
聞こえるところ ....
憎悪は森が
憐憫は人が
ひびくは草
ひびくは草
草の風紋
草の風域
ねえ、ことばがもっと自由だったら
よかったの?
やさしい手を
戸の隙に隠し ....
言葉なんてすぐに超越する
そこをこえたところにあるなにか
静かに静かに 海の底に生きる者たちのように
そこに存在する者同士しかしらない
ひそやかな いのち同士のみの知る真実が
....
あさ おきて
いき を ゆっくりすいこむ
きょうも わたしは いきている
よかった かな
ちきゅうからみて
ぜんたいからみて
きょうも わたし が いきていることは
よかったかし ....
白い月が
秋夜に はためく
この道は いつか
きた道
稲穂の
先に光りは
灯り
実る
真白き
宝石
かんで
川下り
柳の木
彼方がつくった
伽 ....
まだ1ページ目にもたどりつかないのに
栞ばかりコレクションしてしまった
迷子のアリスです
時計ウサギの隠された秒針が
すごくかなしげな顔をしているよ
表紙にはいつだって
スカートをはさんで ....
{引用=
夏の
それが 終わりを告げようとして じっ と
こちらをみてたゎ
こちらの
このあたりは 足りなげなのに
幾つもの
てん
を 爆ぜながら こと惜しげに
みてたゎ ....
不幸せな頃
わたしは死に憧れていた
神にさえも暴言を吐くくらいにわたしは死に好かれていた
わたしが
そう
ずっと幸せであったことに気づくまで
電車の中からふと見た夕焼け
夕焼けは実は虹の ....
子供たちが
暗い建物のなかを
走りまわっていた
氷の根 淡い目の宝石
つながらないふたつのものをつなげようと
....
{引用=
吸って
胸の奥深く
ため息
にもなれない
わたしの
中の
はい
}
鏡台につもる
見えない髪の毛
ふさふさとこぼれ
足指に触れる
鏡のふところにあなたはいる
鏡の声に応えるあなたと
ほころぶような微笑みと
映ることのないわたしを見 ....
{引用=
旅は 道草の葉に落ちて 染まる
せせらぎを消して 風は 川面の笹の葉を通りすぎる
空は 抜けるような青を広げて
すと―ん
何かが 落ちた
静けさは それを聞いてい ....
そとにあるよ
みんな みんな
そとにあるよ
黄色い光の午後に
窓のそばで微笑みながら
少女は世界を宿していた
....
単純にいえば
どこまでも言葉なんだ
言葉は嘘で出来ている
嘘でしかいえないほんとうがある
そんで言葉がでなくなるような
舌が癌で侵されている妄想に何年も悩んだ
私も言葉で
いつも ....
長雨の続く夕刻の水溜まりに影が映ることは
ない。泥水のように濁るわけでもなく、清水
のように色も無くすべてを透過するわけでも
なく、それは雨水と呼ばれるものと酷似して
いる。事実、それ ....
手に入れる。などという言葉を使うの?
手に入れた。という確証は何?
手の内のものはそれでぬくぬくしているの?
手に入れる。を始点にして
君が望む永遠は
得られるものなの?
永遠 ....
牙の鳥 牙の鳥
雨が近い
雲がシャラシャラ鳴っている
朝の名残りを踏むのをやめ
午後の艶を吸う準備をしろ
....
夜明けの鳥たちが、狂ったように群れて鳴いている。
悲しいとき、どうすればいいのですか。と訊いたら
それは致し方がないことなのだよ、と
優しい声で
言われた。
あぁ。私も鳴きたい。
灰色の群 ....
夏祭りの夜へと
手を引かれた私の
耳たぶ、薄く
汗の艶、熱く
提灯のように
風に赤らむことを
しっとり許された
夏祭りの夜に
石段の高みへ
鼓動と鼓動の、 ....
僕が生まれた頃
空は今よりもうちょっと身近にあった
雲はいろんなものをカタチ作るから
それだけで面白かったし
行き先も告げずに日の暮れるまで遊んで
「烏が鳴くから帰りましょう」と手を振る ....
細胞の輪郭は
発熱に適した形なの ね
あなたの音源との距離感は
可笑しくて悲しいけれど
あなたの感覚器の滑稽な分離も
可笑しくて悲しいけれど
さらに 伝導にも適した形なの
....
小さい色したカエルの子
小さな瞳で恋をして
一億年が過ぎたけど
健気で綺麗な心映え
心はすこしも変えないで
透き通る小さい瞳で見つめては
小さい色に恋をする
あの夏の星の輝く夜に君は生まれたのだよ
ずうっと後になって父がそう言った
その星のひとつを握って泣いていたのです
父の墓の前にたって私はそう言った
映る星と映らない星があるとわ ....
言葉が心を離れて
自分から遠ざかっていくようだから
文章は苦手だと
そんな事をいう人や
正しく使わないといけないのなら
もう 何も話せやしない
そんな風に投げやる人や
言葉重ねて ....
お兄ちゃん、と
呼ぶのが
照れくさくて
そのまま
僕たちは年をとった。
あなたは家を出て
後を追うように
私も出て
あなたは戻り
あるいは他所の国へ
私は
死ぬまであなたの弟 ....
体温と体温が混じりあい
肌と肌の境界を失うように
わたしとあなたも、また
いつしか混じりあうのだろうか
それとも、また
いつまでも失い続けるのだろうか
熱的終焉の果て
触れあうこ ....
祖母から母へ
母から私へ
結婚前に伝えられた言葉
「女として幸せになりなさいね。
(私には得られなかったから)」
母はそれはどんなものかを考え
母なりに何だったかを見つけ
....
港を背に
路地を抜けると
山の中腹に向かって
道は登っていく
海からの
北風を受けて
枯れかけた草むら
そこにあなたの
標がある
数えるのはもうやめた
齢だけじゃない
なにも ....
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