連立する高層住宅の緑は孤独
メタリックな金魚は
雨の日に口を開けて上昇するんだ


施錠された鍵は傷ついている
何度も何度も何度も
屋上に取り付けられたばかりに
また傷ついている
無 ....
いくらでもふくれあがるおもいかかえて

かこばかりをみていると

どんどんつめたくなってゆく

まにあわなかったゆうやけが

どんどんとおくなってゆく

かたむいたすみっこのゆきど ....
宇宙の深淵から
水がひとつぶ
滴り落ちる。 。 。
と、
いのちたちはいっせいに水際に集まり
それぞれに
祈りの言葉をつぶやく
遠い場所で起こった恩寵に
いのちの囁きは共振し
星の瞬 ....
濯ぎ口から
哀し、と吐く元に重なり
狭く縮んだ喉を 搾るよう抜け
いぶくろしろく しろく あたためゆるめた

ほんのいちど体温は ぬくもり ふれる
くだはなだらかに すべられて
私の身体 ....
箱を思い出してみる

あるはずのない出口から
いとも簡単に私は
抜け出し

あるはずのない入り口を
きっともう私は
見つけられない

箱を思い出してみる

それは
美しいもの ....
神が不在の夜
その間隙をぬって
あくまでも地上的な硬い何かが
天上の淡い光を覆い隠す
その時
人びとの喉はゆっくりと絞められ
背徳の快楽に意味のない言葉が虚空にばらまかれる
昔日の絵の中 ....
 「今夜も夜空が見えない」と
  老いた猫が嘆きます
  だれも教えてくれませんでした
  嘆く猫の目が閉じられたままであることを
  だれも老いた猫には教えてくれませんでした

 ....
近所には小さな墓地があって
近所には野良猫がたくさんいて
墓地の奥は鬱蒼と暗く
木々が生い茂り
墓地を取り巻く壁は
どこまでも白い

その白さに毎朝
昇ってくる日の光が反射し
仕事に ....
寒がりな午後は日差しもゆるいので
あなたの肩にかける言葉も
引っ掛かりがなくて
滑り落ちてしまう
コートをかける場所を
内面の、深いところの
フックはまだ見つからない

確認するまでも ....
ゆっくり、透明に近づいてゆく。
ぼくらはそうやって生きてきたが、
それは多くの聖職者にとっても
共通の宿命だったのかも知れない。
ぼくらにとって神々しい《何か》が
ぼくらの感覚を奪ってゆく。 ....
地球規模のかくれんぼは

神様が勝ちました

ところで鬼たちは

何処へいったのでしょう?
一.

シンクロしている部屋に棲んでいる。

「今日は、耳を貸してくれよ」

ということなので、油に包んで投函しておく。
私は目を借りて、360°サラウンド。

帰ってくると

 ....
誰もいない部屋にうっすらと
埃がたまっていて

埃はほんのわずか
かきみだされた跡を残していて

白光にさらされて
ひとは乾いてゆく

終わりはないのだと
それはけしてこないのだと ....
 ひしめきあう一日のあとに
 コップを倒した夜は零れる
 子猫の駆けた路地裏に
 白い平らな月は滑る


 風は
 影の上に重なる雪をおくり
 この街の色やかたちをおくり
 世界はひ ....
「線路の上を歩いて海を渡る
 それ自体はけして珍しい行為じゃない
 だが
 心してきいてほしい
 次の駅にたどり着くことのできる者は
 きわめて稀である

「大洋をどこまでも縦断する ....
何人もの人が私のそばを
通り過ぎて行った

のではない

振り返る
そこには私がいない

通り過ぎたのは
私のほう

もう戻れない

ことばを失う
むしろ鮮やかに

悲 ....
布団を上げると 
やもりが一匹 
ぺったんこになってました
どこも腐ってなくて 
見事に水気が無くなって
臭いもありません

ミイラという言葉より
押し花という言葉が
頭に浮かびまし ....
砂丘であなたに会いたかった
あなたの足をつかみたかった
行き倒れる寸前の
砂に埋もれたあなたの足を




谷であなたに会いたかった
あなたの骨を接ぎたかった
花をとろ ....
あなたの手のひれが
わたしの頬にふれる、

見ているだけでは
かからなかった暗示は  せつな
私を滑らせる

あなたの指紋は渦となり
巻かれた貝奥の私を
するりと抜きおと ....
質の中に量があり
落下の中に流れがある
無数にまとまる一つ
雨と呼ばれるものの名
儀式のように繰り返され
思い出された最初の音
絶えず動きながら
点在する光を導き
生かしてゆく雨の ....
破壊する明日へ続く自動ドア

ため息一つの重さで
音もなく扉は開く

誰だってそんなところに
立ちたくはないけれど

ドアは静かに開かれる

私は今
どちら側にいるのだろう

 ....
 哀しみの絵とその音のない映画から
 スクリーンが破かれて救い出された
 洪水のない水浸しの家はとうに歩けない

 哀しみのない歩き方はやがて窓の外に出て
 降り積む雪の夜を滑り出すかどうか ....
ビルディングの肩はとうに壊れていて
投げ損ねられた昼がアスファルトで砕け続ける
どれが致命傷なのかわからないくらいの夜が始まる
黒々と割れたビルディングの窓は
誰かの死に愕然としたまま死ん ....
五線から飛び出た音符は

人々を乗せて

風のなかを縦横無尽に踊り

自由な世界を形どってゆく
いやあ
あきれはてるほど平和

ほんと
あごがはずれるほど安心

どろどろ
どろどろ
溶けだしている

溶けだしている
この国の幸せ
米国追随

鬼畜米英
とついこの間ま ....
いつか
遠い昔の夜
暗い海の
浮かぶ月に例えてくれた
何も残さない
わたしの体を抱いて
その透明なまぶたでは
すべてが見えてしまうね と
力なくゆだねる
その体は
いつか
水にな ....
散歩の途中で
くしゃみをすると
塀の向こうから犬に見つめられて、困った
立ち止まって見つめ合ってみるけれど
悪いことをした
わけではなく

少しだけ難しいことを
難しく考えてしまうから ....
美しい塊
食べ頃の死体
釣り上げた鯔を
蹴っ飛ばす
林の中の遺跡は
死体で埋まっている
掘り起こすのも
死体の兵士
金属の屑を遺跡に敷いて
仏像を転がす
小さな庵の中で
裸の ....
せつないね 水の音
世界が 少し へこんで
水の音
くすり指 井戸で ひたせば
風が 吹く 家


宿題を ぱたんと 鳴らして
水の音
よるが 窓から やってくる
遠くの 森で
 ....
誰にも なんにも

言えないものだから

大切にしまいこんだ笛を

吹き込む風が

鳴らしています


静かな部屋の中で

かすかに鳴る 笛の音を

聞いていましょう
 ....
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