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油染みだらけの記憶のわら半紙提出期限をとうに過ぎ去り




透明なグラスの底を目にあててきみの星座を見る白昼夢




あの夏にきみが投じた問いかけのこたえをさがす 波のまにまに ....
{引用=まだまだ探す気ですか? 
それより僕と踊りませんか?
                井上陽水『夢の中へ』}





「明日も全世界の空にオーロラが架かるでしょう」と ....
義父方の祖父の従兄弟の名を忘れ日がな一日オスカルの刑


慣れもせず言う事聞かずつちふまず必死で探す猫の住む家


「ナタデココ下から読んでチェブラシカ」守りたくとも解らぬ家訓


 ....
  ガリレオよ、宇宙をソラと呼ぶ人の名前を君は覚えているか 


  天地の神話が始まるまではあなたもわたしも素粒子だった  


  くるくると回る土星の輪っかから天体オペラが流れて ....
満天の振り子時計の催眠術 そしてあなたも地球を忘れ


寝る前に目覚まし時計を仕掛けなさい 冬眠なら苗床でしなさい


哲学者と詩人と恋人達のため囀り止まぬプラネタリウム


窓際の ....
(ここでは宇宙をスプと言います)
最前列右の左のスプを見た見たもの全て衛星で死亡



(ここでは宇宙をンと言います)
ンの声がロケット破壊しつくしてβ・γ線上の{ルビAir=アリア}
 ....
水槽に知らない虫が湧いているそれはそれとして夏は過ぎゆく

六甲のおいしい水を買い占めてもうすぐ君は火星に帰る

部屋中の精密機器は引き出しへ理工学部の多田君が来る

雨上がり気付かず傘を ....
花ことば常に前進ガーベラよ
         夏の花だとおまえの笑う



すれ違う風の香りの優しさは
         コンマ二秒心留まり



夕闇に街のネオン瞬いて
    ....
{引用=エレクトラ、たったひとつの恋なのに琥珀の瞳に総てを凍らせ}



{引用=041:迷}
「迷ったら、やめる」家訓の中ひとりメビウスの輪を愛する小娘


{引用=042:官僚}
 ....
いつだって取り分け用事はない手紙暑い夏ですお元気ですか


熱き息傍らに聞き盆送り今日の日の人毎日の君


にわか雨染み入る砂浜のごとくのどかに揺るる稲穂のごとく


便箋の印に沿い ....
われ先にわれこそ先にと同じ日に蒔かれた姉妹の朝顔の咲く


狩りそして狩られることの無き国の王女の不在のごとき静けさ


水中を沈みゆくバス、運転手、乗客らみなほほえむ夏日


コン ....
{引用=
その日々に名前をつけてはいけないの






{引用= 021:うたた寝}
うそつきをあじわいたくて焼きたてのラスクを舌にのせてうたた寝


{引用= 022: ....
日に満ちた電車はそっと風になり火照ったほほをすりよせてゆく




夏に包まれた海の底の席で車掌が居眠りしつづけている




唇のはしからはじまる熱気にもあたたかないばら胸に ....
金魚鉢かすめる涼風の行方知ってか知らずか手招きの夏



逝く春の背中押しつつ背中からはじまるアブラゼミの{ルビ時間=いのち}よ



きみがたわむれてた波ならひとすくい両手ですくって ....
遠き田の隅に孤独は佇みて親しきわれの呼ぶ声を待つ


白きゆり手折る微々たるゆびさきの力でわれをあやむるおまえ


君が代をふたりで唄うさつまいも甘き田舎の夏の縁側


 ....
憎しみを憎めぬ己に目をつむり走りつづける霧の日の朝



手をつなぐふたつの季節の境いめのついばむ鳥さえいない花の実



何もかも光も土も不確かな滝のように流れるふち ....
夜を飛ぶサーチライトをUFOと信じる子には光るシールを

映写機に撃ち落とされた銀幕の穴の向こうの月が綺麗だ

始発にて人気女優のクローンのような女と飛行場まで

新品のアメリカ製のス ....
風船がしぼんでゆくのは見たくないだから今すぐ針を刺してよ


箱ならば開けてしまうよ血管を通うわたしのパンドラの血


飢えている仔猫にミルクあげるとき黒い何かの目覚めに気付く


 ....
ぼくたちの出会いを事故と名づければたちまちエアーバッグが邪魔で


消えかかる蛍光灯の真似をするきみの瞬きずっと見ていた


きみのその背中の刺青の蝶を捕らえるために彫りし蜘蛛の巣

 ....
モラ(子)


−背骨−
黒焼きのサンマの背骨噛みながら十三回忌想う子二人


−ゼリー−
満ち欠けも両手離しで迎える夜{ルビ月花=げっか}固めたゼリーに満ちて


−産毛−
 ....
   こよつきよ              
   ここにもちから およぼせよ。

   夏草ノ原 草ノ海原。


 ノノノノノノノノノノノノノノノノノノノノ
      ノノノノノ ....
もう大人になった気がして二本足で立つことにした誕生日


「生命線を持って生まれたかった」スクラップされていくロボット


大福だと思って食べたら素甘だったという悲しみを背負う
 ....
平成十七年五月十七日
半歌仙連歌「木漏れ日まるく」の巻
於 RT会議室A

 表
 発句  夏木立木漏れ日まるくなりにけり
 脇    手足伸ばして歩く歓び
 第三  園児らの帽子ばか ....
ガソリンスタンドで働く父のために埠頭で釣りをする母


サンドウィッチにはさまれたクラゲがただ干からびていくのを待ってる


ヒツジの皮を被ったケダモノだが牙はすでに抜かれてし ....
味噌汁の茄子にやけどをした舌を冷やした夜に交わした明日

うぐいすをおくちのなかでとろけてく春の野に出で転がした笛

一皿のタコヤキでなく一粒を分け合えるならタコなし一興

晩飯のこと ....
思い出は美しかったと過去形で静かにきしめ回転木馬

さようならまたこんにちわ結局はどこにも行けない回転木馬

夕べから眠れませんという君に回転木馬の歌を聞かせよう
かぜきりさんの短歌おすすめリスト(26)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
教科書を、閉じる- 望月 ゆ ...短歌37*06-3-6
青い闇の警告- 本木はじ ...短歌8*05-12-15
新妻カナコ(仮名)- ヤギ短歌16*05-11-20
千夜一夜に星の話を(こっそり短歌祭)- 嘉野千尋短歌10*05-11-11
ピアニカジオラマ- ソマリ短歌15*05-11-8
ここでは宇宙を- ふるる短歌50*05-10-19
フラクタルとベクトルの相互不可侵性- シアン短歌1505-9-10
心パラソル- しらいし ...短歌16*05-8-23
ダディ,Mr.マイダーリン(題詠マラソン2005_041-0 ...- 汐見ハル短歌805-8-18
消息の文- ヤギ短歌9*05-8-17
真夏の禁猟区- 本木はじ ...短歌1505-8-11
呪文みたいな日々でした(題詠マラソン2005_021-030 ...- 汐見ハル短歌505-8-3
あたたかないばら- はな 短歌15*05-7-21
泡立つ未来- 望月 ゆ ...短歌23*05-7-16
転向。あるいは秋のいかづちの降る- 本木はじ ...短歌1205-7-12
霧の日- 木立 悟短歌605-6-26
幻燈機の夜- シアン短歌1805-6-17
黒い花束- 本木はじ ...短歌905-6-12
六月は雨- 本木はじ ...短歌1705-6-9
蟹モラ- ヤギ短歌2*05-5-28
なつくさのはら- 小池房枝短歌13*05-5-24
二足歩行- バカ男短歌1605-5-18
木漏れ日まるく連歌れんしゅう- 小池房枝短歌9*05-5-18
飛翔- バカ男短歌11*05-5-16
【短歌祭参加作品】記憶の、あまい- 汐見ハル短歌505-5-4
回転木馬- 山田せば ...短歌804-11-9

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