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透明なベッドをぬけだし
格子硝子の窓の隙から
そっと外に腕を差し出せば
つめたい風に吹かれ
植物のゆめとなって
旅をつづけるわたしは
そのまま尖りはじめた
伽藍のそらへつづいていく

 ....
短く折れた細い炎が
他の炎のはざまから
怪物を見る目でこちらを見ている



燃え尽きるものたちに囲まれて
何かを断ち切る仕草の列が
煙のなかをつづいてゆく


 ....
雨上がり
{ルビ水溜=みずたま}りには 
哀しい顔が浮かんでる 

ひょい と飛び越え 
曇り空の一日に向かって彼はゆく 

{ルビ仄=ほの}かな{ルビ灯=あか}りを 人の{ルビ間=あい ....
甘くない綿菓子が
細い線となって
時を紡ぎます

堪えきれずに
少しかじると
ただそれは消えるのです

甘くない綿菓子が
丸く光って
ことばをふくみます

離れられずに
そっ ....
晴れわたっていた
ページをめくるたびに
空はその青みをまして
澄んだ悲しみのように
雲ひとつ見つからない
その向こう側から
誰かが僕の名を呼んでいる
今朝旅立つことは
すでに決めていた ....
かつて見送られるもののために
窓はあった
そしていま窓は
残されたもののためにある
窓を開け放ち
潮の匂いのする風を迎え入れる
誰かが忘れていった
化石の海が
ひとつ置かれている

 ....
階段は増え続けた
僕らの知っているところや
知らないところで
やがてこの街は
階段で埋め尽くされてしまう
のではないかと思う
そうしたら君と
階段の無い街に行って
日にあたりながら ....
たなびくそらの彼方から
沈黙する
よるだね
ぼくたち
詩人も
涙を流して
沈黙するよるだね


ねえ
また見えない戦争がはじまるね
やわらかな影が
いくつも射殺されてくね
ぼ ....
バス停にライオンが伏せていた
バスを待っている人々が
たてがみや尾や背をなでていた
いろとりどりのバスが来て
ライオンはそれに乗り行ってしまった
人々は
去ってゆくバス ....
けして明日へつながるとはいえない
痛点の少ない あなたの指を
かたちも色も知っているのに
ふたたび降りはじめるそのときまで
ふたたび忘れているのでした
忘れることなく ....
満ち潮のとき
右足を動かし

引き潮のとき
左足を動かす

波と風の楽団をバックに
けだるげな夕日の照明

そうやってわたしは
地球と踊る
目をつむれば残る窓の{ルビ光=ひ}よ
あらゆる音が聴こえる
鬼の器のように
まっすぐな帰り道が見えなくなると
穴という穴からノームが這い出て
ら、るほ、ら、ら、るほ、
ダークダークノームダーク。(あれるっちぇんど)
君たちの手に掴めるものはわずかしかない
ら、るほら ....
 ?
あなたは白い直線を引いてある水面です。
わたしは、赤い曲線を水面に描き込みました。
其 ....
                    
あなたがいて
華のようなあなたがいて
あなたが動くと、わずかにか ....
生まれた時にばらまいた名前を
はしごにのぼってあつめていた
古い煉瓦に囲まれた白い街は
遠くの太陽に照らされ
すこしずつ飴色に変わった

明日を紡ぎながら飛行している風が
手をあげたわた ....
私は、私の内実を永久に出ることはない、だ
ろう。私の子宮では、無意識下で鋭くえぐら
れた、いつまでも分裂している彼方の翼が、
黒曜石の暗さで果てもなく胎動し凝縮と膨張
を繰りかえし自らへと表裏 ....
             小   に
             瓶   う
             は   よ
            た     の
          ....
あさ
テーブルに置かれた
コップのふちから
ゆっくりと 
日は すでに
暮れはじめている

午後
コップの高さから
風は 次第に
暗さ を深めていき
やがて
風上の ....
世界中の廃虚を見て回りたい
朽ちた屋根の隙間から
あの空を見上げてみたい

    ・

はじめての旅
鈍行列車にゆられて
車窓に映る奇妙な建物
好奇心を昇華させるため
予定外の駅 ....
枕のなかに棲む魚が
ゆうるりとからだを波打たせている
何の音もたてることなく
ただ端から端へと動いている



わたしは魚が静まるのを待ち
左向きに頭をのせる
魚はい ....
カップのそばで角砂糖が溶け出した

テーブルの向こうの景色が甘くゆがんで

青く透明な空気がゆれる

濃いめのコーヒーがくちびるにふれると

ひろがる香りとまざりあうことば

でき ....

の奥
の枝葉
の枯れ屑へ
足音の一人分を 
沈め続け


祈り
の指を 
耳たぶ一人分に
勘を頼り当てやるも
冬に備える温度の一人分も
何処にも少しも ....
透過傾向にある
あこがれを{ルビ禁=いさ}めて
風と{ルビ心中=しんじゅう}
(危うげに傾倒する風脈)
距離は
あこがれを侵食するのか
もう発生です
雨天決行よしなに

風はどちらか ....
憧れが
ささやかな私を満たす時
ひとつの幸せを見る

あなたは
時間とともに
美しくなってゆく

朗らかに広がる樹木から
眩しくはない光が差すように
あなたがいる場所には
精霊が ....
    一枚の地図が置かれた

    薄暗い部屋のなかで

    手のひらに生えた双葉を

    見つめていた
    午後と夜の間の光の

    素描の街を

    行き止まりに至る道を求めて

    さまよっていた
 




    子供たちが
    暗い建物のなかを
    走りまわっていた


    氷の根  淡い目の宝石


    つながらないふたつのものをつなげようと
 ....
 海には朽ちるということがない
 からだのなかに
 列車が走っているって
 わけのわからないことを
 あなたはいうけれど
 誰もいない
 

 きっとあふれだしている ....
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塔野夏子さんの未詩・独白おすすめリスト(51)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
午前4時- 青色銀河 ...未詩・独白807-5-22
ノート(43Y.2・27)- 木立 悟未詩・独白407-3-1
- 服部 剛未詩・独白1006-10-23
綿菓子- mayaco未詩・独白206-10-15
旅立ち- たもつ未詩・独白14*06-6-11
潮風- たもつ未詩・独白17*06-6-4
ひだまり- たもつ未詩・独白706-6-3
よるの果てまで- 青色銀河 ...未詩・独白606-5-17
ノート(43Y.5・16)- 木立 悟未詩・独白206-5-16
ノート(43Y.5・14)- 木立 悟未詩・独白406-5-15
円舞曲- アマル・ ...未詩・独白806-4-27
27Y.5・19- 木立 悟未詩・独白406-4-20
滲んでいった夜について- いとう未詩・独白17*06-4-9
鳥籠- 前田ふむ ...未詩・独白10*06-3-1
美しい残像________________________- 前田ふむ ...未詩・独白10*06-2-28
ひかる声- 石川未詩・独白106-2-21
羞恥心のアポトーシス- こしごえ未詩・独白10*05-12-25
小瓶- ふるる未詩・独白13*05-12-20
寒灯日和- 森川マサ ...未詩・独白305-12-1
ノスタルジア- yamia未詩・独白105-11-12
ノート(枕魚)- 木立 悟未詩・独白1105-11-1
角砂糖- mayaco未詩・独白6*05-10-31
冬の科学- A道化未詩・独白605-10-16
運転- こしごえ未詩・独白7*05-10-8
憧れ- 未詩・独白9*05-10-8
ノート(36Y・11.21)- 木立 悟未詩・独白705-9-21
ノート(36Y・12.10)- 木立 悟未詩・独白505-9-20
ノート(37Y・3.6)- 木立 悟未詩・独白505-9-14
無題- 石川未詩・独白905-9-4
HTTP999- Monk未詩・独白1105-9-4

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