涙する者は
死んだあと

青いかなしみとなって
宇宙遠方の

つめたいの霧のなかを
何かを考えてるふうに 歩き続けます


ひとが何光年もの希薄のなかを
さまようはずは ないです ....
木製の、キシキシ音のする、大きな橋。
緑色の柳が揺れるたび、懐かしく思い出す建物。
透明な、湖の、湖上に浮かぶ、大きな橋。

鉄製の、熱を忘れた、冷ややかな橋。
茜色の夕焼けに、灰色の幻影が ....
空には幾世代もの飛翔した軌跡が
白く重なり
海には幾世代もの尾鰭の跡が
果てるともない波を繰り返している

そしてぼくらはときどき
幾世代もの記憶の上に立って
詩を書いていたりする
ち ....
勉強する気になれなくて

大名倉山のことを考えていた


発破をかけられて崩されて

晒された山の肌に

白い煙がかかる

山から砂利を運搬する音が聞こえる

ガッタンガッタ ....
白の終わり

マラソンコースが変わった後も毎朝堤防まで走る
その道程の 掻き曇るどころじゃない
レモン臭い息たち

ゆずの終わり

できたばかりの新しい大きな橋が
デートスポット扱い ....
さてさて、と。三連休も今日で終わりですな。
俺は一ヶ月ぶりに本業の打ち合わせのため、東京を離れてました。
ずっと旅が人生のような暮らしをしていて思うことは、
自分の居場所を守ることも必要だが ....
たどり着くことの出来ない場所。
そこへ向かおうとしても、そこへ向かって走り出しても、たどり着くことの出来ない場所。その場所に本当の自分がいると感じる。

「まだ本気なんかじゃないさ」
と僕はよ ....
頭の悪い子がいます
頭の悪い子は
トイレにいます
床の間にもいます
押し入れにもいます
でも
頭が悪いので
とりあえずそこで生きることしかできません
頭の悪い子がいます
頭の悪い子に ....
おおきい かあさん おおきいな

ちいさい とうさん ちいさいな

ひるね ひるね らいおん ひるね

おしろのてっぺん こうじちゅう


+


さとうと えんぴつ けんかし ....
生きていても仕方がないとか
楽しみが全然ないの、とかうるせぇな
それより、そのドリンクホルダーから
腐りかかったコーラを取ってくれないかい?
目障りな顔がすこしは優しくなるなら、かけてやるよお ....
 
 聖地の方角へ向けて祈る
 巡礼者のような面持ちで
 私は此処に立っていた
 星たちの第五待合室


 そこにある伝言板に
 私が一行書き加えると
 誰かが四行詩で返信する
  ....
バス 食いてえ
ツートン・カラーとか たっぷりの水分を含んだ 薄皮に包まれて
タイヤは曲がったゴムの匂い うは やっぱり
バス 食いてえ 
運転手が禁忌する交差点の手旗信号
それ ....
駅から少し外れた道端で
たまごを並べて座り込む少女に
声をかけるものは無く


産み落とされて
孵ることの難しさを
感じながら

帰路

理解されないまま
ひとつずつ
落とし ....
イライザ・ダルムー女史が
口角泡をとばして
答弁するには
その男には確かに翼があって
足は馬の蹄で
胸毛がやけにすごかった
ということだ
でも僕は信じない
自分を売り込むのに一番便利な ....
あわくふくよかな海洋特急列車
が ぼくらを南へはこぶ
間断なく規則正しいマリンバのエンジン音
海に敷かれたレールをゆっくりと
エルスール エルスール エルスール

仲間は海に喰われた
 ....
久方の親の家にて
車を借りて
まだ新しいそれは気分がいい
エンジンの音
窓の開きかたも
カセットから流れてきた音楽まで
フォーエバーヤング

65を過ぎた父が
免許を取ったのは5年前 ....
あたしは絶対に忘れないだろう
この心を刺す気持ち

きっとたくさん時が経とうとも
またあたしを締め付けるに違いない

何故だろうか
あたしは弱いのに誰かを守りたいと
いつも強く思ってい ....
僕の隣を35度線が貫いていて

本線から外れたところで
あなたがうつむいていた
ような気がして
振り向いてみると
変わらずに
距離は隠してしまう


あなたの隣を36度線が貫いてい ....
僕の知り合いの詩人から少し引用

{無反響室というものがあるらしい。海胆を裏返したような部屋で、上下左右、前後の内部壁面からは突起がいくつも出ている。

今「君」が「在る」場所から何か音を立て ....
いったいなにを鳴いているのだろう
夜の底が蛙の声で沸き立っている

半球はいつも夜のこの星で
絶え間なく鳴き続ける声はいつか
太陽系の外側の宇宙にむけて溢れ出すのだろう
何億年のあいだ ....
遥か西の国から旅を続けているマジシャンは
旅の途中で
マジックに使う鳩たちに逃げられてしまいました

それならば鳩を使わなければ良いのでしょうが
そのマジックは彼の最大の見せ場であり
 ....
遠い国で鳥があの娘を
拾って育てる
鳥はあの娘に名前をつける
あの娘は鳥に名前をつけることを考えている

鳥はあの娘に
おいしいお粥を作らせる
あの娘は庭のいちじくを
鳥にもいで来させ ....
世界の外側は
ただのプラスチック
だから何も
心配することは
ないんだよ

光を浴びて
ミジンコが増えて
バクテリアが増えて
小さな魚も
小さなエビも
小さなタニシも
みんな笑 ....
見知らぬ男が
修道院への道を尋ねる
ああ この道を北上したところに
三叉路がある
そこを左に真っ直ぐ行けばいい
打ち上げられた血溜まりが
仰向いて月に答える
赤い服を着たジョーン・バエズ ....
{引用=詩集『カエルトコ』より; 1}


 ●アフリカ

いつかアフリカに
行くのではないかと思う
いつかいつか年老いて
総入れ歯になったその月に
アフリカに着の身着のまま
行 ....
「うみ」
と書けば
白い波が寄せて返し

「そら」
と書けば
どこもでも青く

「もり」
と書けば
木々が香り

「とり」
と書けば
それは翼をもって飛びまわり

「ま ....
街中を
ウィリアム・テルが走り回っていた
何故ウィリアム・テルと分かったか、というと
それはどう見てもウィリアム・テルだったから

駅前の市営駐輪場に
真っ赤なリンゴがポッツリとあった ....
簡単に分け与えた
朝を隔てて越えるもの
下向きになって思う空気は
まだ近く 目の中で止まらせたままの
駅の中で

何も 言えないほどには
透き通っていた
その時間僕達の足が
誰かと  ....
プテラノドンさんのおすすめリスト(268)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
冬空の通信- 朝倉キン ...自由詩1605-3-24
透明な建物の鏡に映る橋- チャオ自由詩3*05-3-19
地上にて- tonpekep自由詩7*05-2-25
天狗の望遠鏡- 蒼木りん未詩・独白2*05-2-18
白の終わり- 合耕自由詩2*05-2-15
現代詩フォーラム_ランダム道中千人斬り_其の五拾六〜其の七拾 ...- 熊髭b散文(批評 ...2005-2-13
僕の本気- チャオ未詩・独白3*05-2-12
頭の悪い子がいます- かなりや自由詩2*05-2-4
ファザー・グース- たもつ自由詩15+*04-12-20
半ドアだよ、なにやってんの- 示唆ウゲ ...自由詩304-12-12
待合室にて_(2004.11.22)- 和泉 輪自由詩1804-11-23
バス食いてえ- たもつ自由詩1404-11-7
たまご- あとら自由詩4*04-10-25
証言- 鏡文字自由詩204-10-18
マリーノ超特急- 角田寿星自由詩604-9-5
ずっと若い- 落とし子自由詩7*04-9-4
けれども- Kana ...自由詩104-8-31
35度線- 霜天自由詩1104-6-23
純粋正義への架橋2- チャオ散文(批評 ...104-6-21
蛙声- まんぼう自由詩504-5-24
別れの挨拶- たもつ散文(批評 ...904-5-14
メルヒェン- 鏡文字自由詩23*04-4-7
ビオトープ- チアーヌ未詩・独白404-4-1
海鳴りの音で目が覚める- 鏡文字自由詩104-3-5
アフリカ- クリ自由詩13*04-1-31
「___」に言葉を入れてみろ- たもつ自由詩3203-9-17
さよなら- たもつ自由詩203-8-26
恐竜の背中のカーブ- 合耕自由詩503-5-13

Home 戻る 最新へ
1 2 3 4 5 6 7 8 9