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すれ違うままに、時折り消えていく存在。

かすかに足の裏が傷む。その感覚が拡張され、次第に、体全体へとその痛み蔓延する。血流の呪いか、はたまた肌に溶け込んだ電子の波の影響か。
大量に流れ出る汗は ....
影の、模様が、オレンジ色の光の混ざって、
ひときわ目立つ、クリーム色の壁。

朝には、日差しが、ベランダの、遅起きの昆虫を、
執拗な温度で照らす。

次の日も、町内に響く、下校のチャイムが ....
高温のベランダ。光が照らす形。光に溶けていく体。ここから先へはいけない。夜が待っている。
蛙は水田で鳴く。鳥は空で鳴く。人は蛙と鳥のあいだで鳴く。ここから先へはいけない。朝が待っている。

芸術 ....
昼が過ぎる。真夏日が待機した窓を開いた。
半裸な都会の露出度は、夕方に足を突っ込んでいる。
ベランダから返り討ちをしてやろうと、長袖に手をかけてやめた。

―ソファーの色、体毛よりも淡い、素肌 ....
彼女達の足がモデュロールを刻む。スポットライトが暗闇のステージを照らす。観客はステージを凝視する。ダンスピープル。彼女達の足が刻むモデュロール。

魅力的なのは妖艶なのか。無印の、無垢の、表情が重 ....
良心の呵責を感じた看護婦が、昨日、自分の祖父に謝罪文を書いたバーカウンター。
130席用意しているけど、130人以上の予約を喜んで受けてしまう店長。
ご自慢の料理は?ときかれて、妻の自慢料理を答え ....
形状と言えば、影の淵の庭に続く、丸みを帯びたプール。死んだ水滴の集まる、丸みを帯びたプール。

形は、そこに記されている。それが見えなくとも、匂いで分かる。影の、淵の、庭のような匂い。それらの形は ....
曇り空の晴れた日の夕暮れに、昔からおしゃべり好きな友人が自信たっぷりに言ったことが気になった僕は、土手まで歩いた。

「夕暮れになると魚はいっせいに鳴くんだ」

そいつはアッカンベーが好きだっ ....
水蒸気が薄く空の前にはばかっている。鮮やかな青空はこうして、くすんだ青空を獲得した。目の前に広がる、見なられた景色。今じゃ、コクコクと変化していく時間に褐色じみた進化を見せている。だけど、少子化の拍車 .... ある物理学者が、人の数だけ次元は存在するといった。人と人が出会うたびにそれらの次元はゆがみ、分裂し新たな次元を生み出していくと。

21歳の春。地元の小さな山の上。見晴らしのいい場所だった。その場 ....
地球がある

地球は地球じゃなかった
地球は山か土か岩だった

地球は野原
   野原というよりはフレーム

地球があるのは
地球に住んでるから

地球にウサギが入る
地球をト ....
洞穴がある

洞穴は洞穴じゃなかった
洞穴は、山か土か岩か。

洞穴は地球。
   地球というよりは出来事

洞穴があるのは
洞穴を見つけたから

洞穴をウサギが横切る
洞穴に ....
忘れてきた思い出がある。夜になると、頭の中で記憶と感情が騒ぎ出す。乱雑に、不規則に。忘れてきた思い出が疼きだす。ひっそりと現実をかみ殺そうとしている。いや、現実にかみ殺された感情が、現実を見返してやろ .... 「あれです」
後ろから指差す声に、「あれ」の方角を見なかった僕。
雨が降り始めて、地下には大きな水溜りが出来た。

粉々になった写真を灰皿に入れた風景。
燃えていく写真は灰になって机に落ちた ....
麻雀に負けた。と言っても、いつものことだ。僕は麻雀が弱い。弱い理由は、頭が悪いからだ。人生は麻雀のように運だけでは渡れない。半チャンが終わるたびに、僕は落ち込んでいく。
「もしも、あと一手早ければ」 ....
夜から続く朝に、雨の跡はなかった。霧雨は降っている。地上に湿度はない。
細身の女はテレビの中で「昨日の事は忘れて頂戴」
その細いからだの細胞は、今を忘れるためにある。
階段を上がる足音が聞こえる ....
そいつが若い頃、「ロックンロールは永遠だ!」って叫んでいた。今じゃ
そいつは「ロックンロールは死んだ」って呟いている。
そいつはロックの神様みたいに、ロックを永遠にしたり殺したりするけど
そいつ ....
空中に持ち上げられた、
そいつの、苛立ちが、
そいつのリズムに宿った。

林の道を抜けると、池があって、
そこでそいつはいつも昼ごはんを食べている。

お昼ごはんは、雨の日にだって決行さ ....
そいつは何を間違ったか「仲好しこよし」ってしかいわないんだ。
だから、嫌いなものとも「仲好しこよし」
好きなやつとも「仲好しこよし」

誰も、そいつが「仲好しこよし」ってしかしゃべれないなんて ....
時計を見ると、待ち合わせの時間から1時間くらい過ぎていた。連絡は来ない。僕が待つもの。約束なのか、友人なのか。

愛が報われるなら永遠でも待てるといったエミリディキンスン。彼女は約束なんてちっぽけ ....
真っ白な 階段の、背の高い イチョウの木。
見えない ふりをして かくれんぼを続けよう。

「日本最高気温をぬりかえた日」

たいようは 不死身で、僕は 貧弱だった。

君は、砂ほこりを ....
果たして夜は来るのだろうか。
僕のイメージはほこりをかぶったまま闇の中にほおむられている。そして、君が、好きな誰かへの感情も、きっとそうだ。なぜなら、ここはネバーランドじゃないから。

世界の中 ....
配列された写真。白い空間。僕は、写真展の一室にいる。中央のソファーに座った中年の男性。その後ろから僕は写真を見る。いつか、その中年の男性がそこに座ると計画されていたように、写真はその男性を飲み込んだ。 .... 朝、布団から勢いよく跳ね起きる。
頭の中に張り付いた夢から現実を奪回せよ!時計の針は九時十分。ジャスミン茶三杯分の時間は残されている。


     ビルの屋上の景色。
     空とコンク ....
永遠に来ない地下鉄の、プラットホームの彼女の声。
青いレンガの双璧が、僕に届く音のすべてを断ち切っていく。

港の、船の、煙の、消える、空の、僕の、小さな、声は、
永遠を知りはしない。

 ....
木製の、キシキシ音のする、大きな橋。
緑色の柳が揺れるたび、懐かしく思い出す建物。
透明な、湖の、湖上に浮かぶ、大きな橋。

鉄製の、熱を忘れた、冷ややかな橋。
茜色の夕焼けに、灰色の幻影が ....
たどり着くことの出来ない場所。
そこへ向かおうとしても、そこへ向かって走り出しても、たどり着くことの出来ない場所。その場所に本当の自分がいると感じる。

「まだ本気なんかじゃないさ」
と僕はよ ....
僕の知り合いの詩人から少し引用

{無反響室というものがあるらしい。海胆を裏返したような部屋で、上下左右、前後の内部壁面からは突起がいくつも出ている。

今「君」が「在る」場所から何か音を立て ....
プテラノドンさんのチャオさんおすすめリスト(28)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
不確かな存在3(風が起きるまで)- チャオ散文(批評 ...3*05-8-10
住宅地の陰口- チャオ自由詩3*05-8-6
光の声、闇の声。一つの声- チャオ散文(批評 ...4*05-7-19
アスファルトに宣誓する- チャオ自由詩7*05-7-15
フリースタイル3_(ダンスピープル)- チャオ散文(批評 ...2*05-7-12
スパゲッティー、コーヒー、アイスクリームカフェ- チャオ自由詩5*05-7-12
銀色のコップ- チャオ散文(批評 ...2*05-7-11
夕暮れが始まる頃に- チャオ自由詩4*05-7-9
不確かな存在2__(空、のその後で)- チャオ散文(批評 ...1*05-7-4
不確かな存在- チャオ散文(批評 ...2*05-6-29
地球- チャオ自由詩1*05-6-26
洞穴- チャオ自由詩3*05-6-23
縁取られる光、闇に消えていく思い出- チャオ散文(批評 ...3*05-6-22
指差す声に- チャオ自由詩3*05-6-17
ギャンブル落ち武者- チャオ散文(批評 ...4*05-6-6
作り話の内緒話。- チャオ自由詩2*05-5-17
そいつのロックンロール- チャオ自由詩2*05-5-16
そいつのリズム- チャオ自由詩1*05-5-10
そいつの日本語- チャオ自由詩1*05-5-6
人が待つもの4- チャオ散文(批評 ...2*05-5-2
日本で一番暑い日の、僕と君の遊び方- チャオ自由詩1*05-4-21
人が待つもの_3- チャオ散文(批評 ...4*05-4-18
フリースタイル- チャオ散文(批評 ...1*05-4-14
君のための小説- チャオ自由詩1*05-4-6
プラットホーム- チャオ自由詩2*05-3-25
透明な建物の鏡に映る橋- チャオ自由詩3*05-3-19
僕の本気- チャオ未詩・独白3*05-2-12
純粋正義への架橋2- チャオ散文(批評 ...104-6-21

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