一人きりで抱えるならば
ただの隠し事
他の誰かと分け合った時
それを秘密と呼ぶ
すべてが終わると
その町にも銃を担いだ人たちがやってきた
彼らはこの国の言葉や
この国の言葉ではない言葉で話すものだから
町の人々はますます無口になった
少年は喧騒と沈黙でごったがえ ....
金魚もいないのに
君は金魚鉢を買ってきて
それから金魚の餌と
水道水の塩素を中和する
透き通った小さな薬品も
買ってきて
それでも結局金魚鉢の中を
金魚が泳ぐことはなかったのは
....
この世は河であると教える坊主を川へ叩き込んでやったら
喜んで魚になったので悲鳴を上げて倒れた僕は
いつの間にか全身にバターを塗られ
毛並みのいいマルチーズが耳打ちする
「それは百年金縛りだ ....
酔っぱらった僕は
フライパンの真似をして
空に羽ばたいた
一番高いところで
激しく嘔吐したけど
よく見ると
それは言葉だったので
ますます気持ち悪くなった
さいとういんこさんのお腹は大きい
大きく膨らんでいる
さいとういんこさんの子供が大人になる頃
僕はもう59歳だ
それまで生きているかどうかわからない
生きているつもりもないし
自信もな ....
あれもこれもと
人のものばかり
欲しがってしまうんだ
夜から続く朝に、雨の跡はなかった。霧雨は降っている。地上に湿度はない。
細身の女はテレビの中で「昨日の事は忘れて頂戴」
その細いからだの細胞は、今を忘れるためにある。
階段を上がる足音が聞こえる ....
そいつが若い頃、「ロックンロールは永遠だ!」って叫んでいた。今じゃ
そいつは「ロックンロールは死んだ」って呟いている。
そいつはロックの神様みたいに、ロックを永遠にしたり殺したりするけど
そいつ ....
空中に持ち上げられた、
そいつの、苛立ちが、
そいつのリズムに宿った。
林の道を抜けると、池があって、
そこでそいつはいつも昼ごはんを食べている。
お昼ごはんは、雨の日にだって決行さ ....
また一つ
約束を破った
夕涼む縁側
うちわ
ねつ
におい
笑うしかないと
娘は知っている
そいつは何を間違ったか「仲好しこよし」ってしかいわないんだ。
だから、嫌いなものとも「仲好しこよし」
好きなやつとも「仲好しこよし」
誰も、そいつが「仲好しこよし」ってしかしゃべれないなんて ....
夢なんて、
全て描いた絵みたいなモノよ
彼の後ろ姿を見たわ
少し猫背で頼りなさそう
飛べそうにないの
地平線まで駆けていく
風をきってゆく
そして私はおもしろ半分で手を広げたよ
....
コンビニ店員の手を握り締めて
愛を語ろうとしたけどダメだったんだ
あの子は、袋の中身を知っていたかもしれないし
カップラーメンほどの栄養価でしかない僕のエナジーを
あまり良くは思えなかった ....
明日から
社食の量を減らそうと思う
私の腕は短い
足も
身長も
なんだか損
ピアノの指は動かない
もう夜更けなので
音が出せない
残り時間は
現代詩
本を読ませてちょうだい
....
時計を見ると、待ち合わせの時間から1時間くらい過ぎていた。連絡は来ない。僕が待つもの。約束なのか、友人なのか。
愛が報われるなら永遠でも待てるといったエミリディキンスン。彼女は約束なんてちっぽけ ....
錦糸町駅で停車した総武線快速に
一匹のナナホシテントウが迷い込んだ
光に向かって飛ぼうとするが
むなしく窓ガラスにぶつかるだけだ
外に出してあげようにも
列車は地下に入ってしまって
....
真っ白な 階段の、背の高い イチョウの木。
見えない ふりをして かくれんぼを続けよう。
「日本最高気温をぬりかえた日」
たいようは 不死身で、僕は 貧弱だった。
君は、砂ほこりを ....
脅迫です。
書いたから読め、ということです。
2回ほどありますよ。この寡黙でおしとやかでシャイな砲丸投げ選手として活
躍しているMonkさんも。こっぱずかしいですよ。誰かのために詩を書いてそれ
....
午前三時の一号線を原チャリで走っている
気分はイルカの群れのなかに迷い込んだ小さなクラゲ
あるいはタンカーの間で右往左往する小さなタグボート
とにかく僕は泳いでいて、流れる街灯は揺れる灯台のよう ....
果たして夜は来るのだろうか。
僕のイメージはほこりをかぶったまま闇の中にほおむられている。そして、君が、好きな誰かへの感情も、きっとそうだ。なぜなら、ここはネバーランドじゃないから。
世界の中 ....
降りかかって立つものがわずかしかありません。 空を見上げるのは、いろいろな事です、そして、するのが可能であるなら、1つを変更する必需品はキックを見ます。 , そしてそして、母が再び星になって、例えば、 ....
配列された写真。白い空間。僕は、写真展の一室にいる。中央のソファーに座った中年の男性。その後ろから僕は写真を見る。いつか、その中年の男性がそこに座ると計画されていたように、写真はその男性を飲み込んだ。 ....
校長は絶好調!俺は田舎侍、
辻斬りするの、ザウルス
すべからく太もも弾け、
今日は良き日であるの、ザウルス
あっぱれ、俺は因数を分解する、
分解し続ける、ズシン
が、因数は俺を ....
絶望的なぬるさに
コーティングされているだろう
言葉は発した先からグズグズにとろけていくだ、け、だ
乳母車が坂道から転げ落ちて転倒、泣き喚く母親、宙を飛ぶ乳児。
小さいときに見たサーカスと潰れ ....
朝、布団から勢いよく跳ね起きる。
頭の中に張り付いた夢から現実を奪回せよ!時計の針は九時十分。ジャスミン茶三杯分の時間は残されている。
ビルの屋上の景色。
空とコンク ....
廃材が高く積まれている
探している
落としてしまったのだ
もしくは間違って捨ててしまった
手に取った
折れて錆びたナンバープレートには
誕生日の日付が入っている
やたらに高くごちゃご ....
眠れない。
昨夜23時の就寝時にこれから読もうと思っていた本が見当たらないことに気がついたがそのまま眠ったせいか、まず、1:00a.m.に覚醒。真夜中の家の中を探すも見つからず、諦めてまた横 ....
燃え尽きていくのが僕の本能で
輝いているのが君の理性さ
ジャガー・ジョガー
出入りする毎日がすこしずつ見えたらいいのに
割り出した住所を削っていく
テープデッキなら僕が持っているよ
ジャガ ....
永遠に来ない地下鉄の、プラットホームの彼女の声。
青いレンガの双璧が、僕に届く音のすべてを断ち切っていく。
港の、船の、煙の、消える、空の、僕の、小さな、声は、
永遠を知りはしない。
....
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