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街の外れの廃校の廊下に気配の何すらもなく
ただ1枚の絵が残されていた
幼さの目一杯の『4年3組』そして名前そして
描かれている 理由のない風を装った
其れは遺言だったから ....
とても卑屈に落ちた時
見上げることなど役に立たない
そのことを本当に知っているあなたは
宇宙のどこかにいるのだろうか
そう思って私は空を見上げる荒れるはずだったのが嘘のようなすぐに私は背中 ....
踏切で通過を待つ献立の色は
徐々に透明を重ねて
温かい食べ物が相応しい
そう思うと
環状線の列車が織りなす風が
調味料の先の方まで伸び
わたしもまた誰かの
呟きのようなものだった ....
仕事をしくじった
あれだけ丁寧にやっていたのに
しくじった
心苦しさが胸を重くする
このオモリを抱えるのは
なかなか無いことなので
自分を観察することにした
・
当日 ....
大文字になって寝かされ、倒れるように横たわるも
煤けたランプが瞬いている 肉を刻む出口は遠い
開始を告げるアラームもまた鉄骨のした
あかりが 途切れない という 身を 投げて 死ぬ
ハ ....
ご飯を茶碗によそり
雨が言葉になると
薄暗い都電は
速度を少し落とした
アナログの路面
壊れた手続きの
続き
途中、メキシコとの国境で
和歌山県の破片を拾う
和歌山県になりた ....
わたしのこころ
たったひとつ
わたしのものだ
映る外界に
真理を見よ
わたしのこころ
置きものではない
わたしを離れない
言葉と行動は
こころに
眺められる
蛇のように脱 ....
漫画って
なんて素晴らしいんだろう
小4の春でした
漫画家に、なりたい
絵は上手かったのです
絵は上手い?
やっぱ画家になろうかな
うーんでも
今どき画家じゃ食 ....
吐息が絡みついて
枯れはてようとしている
身体に纏わり付いた蔦は
自らの最期を知り
匂うように艶やかな濃紫の花を咲かせた
いい年をして
みっともない
そうね
常識という範疇で考 ....
妹の娘は
私に似ている
彼女が産んだ赤ん坊
男前ではないけれど
愛嬌のある顔
知り合いの可愛いおっちゃんに
似ている
彼は私を一生懸命見つめてくる
私が何者か分析している
....
従うことが当たり前
従うことしか知らない
俺たちは黙々と死の行軍を続ける
死ぬことは明白だ
最前線の捨て駒なのは誰もが知っている
逃亡しようとした者は
味方であるはずの上官に撃 ....
悲しみが言葉になって
口からこぼれ落ちる
君の愛は優しいね
わたしはずっと攻撃してたんだよ
身を守るためだったかな
それとも永遠を愛したい思いがあったのかな
過ちを理解したんだ
永遠のと ....
去る
あなたは
呆然としている
迎える
あのひとは
微笑みながら
腕を拡げている
橋の真ん中で
動けなくなった
私は
欄干を乗り越え
飛び下りた
ボクがいなければ、
キミは動けないね!
それはおたがいさま
でもボクは動いてねと
指示しなければ
キミは動けないよ
ボクが動かないと
キミの思いとおりには ....
あんたがあの娘の詩才に惚れたから恋したのは知ってる
あんたが惚れる(口説く、恋する)のは、詩才のある娘ばかりだからだ
そのくせあんたは愛まで欲しいと云う
もう真っ平だね
あんたがどんな ....
未来から 始まる絵本 010
ことごとく図書館が
潤滑油に漬けられて
ピンチオープンした
過去はAIと同化し
10年前の10円玉はまだ使えるのに
電話BOXがなくなってしまった ....
深夜、冷蔵庫から
紙飛行機の
墜落する音が聞こえた
微かな音だったけれど
突然の出来事に暫くの間
中は騒めいているようだった
翌朝、扉を開けると
すべては終息していて
冷蔵庫の ....
ピチャピチャッ
大きな浮き袋に乗って
わたしはツバルを目指していた。
鴎が降りてきて動力のイルカに指図する
~おらおら~そっちじゃない、あの蜃気楼を目指せよう~
デヴィッドがたっぷりの ....
なんだろうなぁ
この感情は
分析すると
遠慮
気後れ
申し訳ない
いたたまれない
もっと役に立ちたい
もっと会いたい
帰り道はいつも
なぜか
幸せな気持ちと共 ....
夏の名残が暑いからといって
イライラするのはやめよう
すぐそこに、
すぐそこではないかもしれない
それでも秋が来る
もう何度目か
短くなった
短過ぎる秋に舞う
蜻蛉の数も減ったかもしれ ....
零れおちる一滴を口にした
これは絶命を前にした人の、閉じた眼から涙を掬うという
誰かが書き記した言葉である
多くに看取られて冥土へ旅立つ者もいれば
ひとり、寂寞と三瀬川を渡る者も ....
手探りに歩いている
何かやわらかなものに触れたような気がして
それは母の乳房だった
まだ若い母は哀しそうに娘を抱いていた
山積みにされた古い写真の中でも
あの一枚は記憶に眠っている
....
{引用= グラフ化される こころのなか
それは まるで心電図のよう
きのうであったものが 季節の符号に置き換えられてゆく
ひと、おしながされてゆく
ぼくはしあわせでした
遠い ....
ふだん詩を書かない私は
小さく生きてきたからか
大きなこと言いたかった
詩を読み書きする必要もないほど
威張り散らして人影で冷や汗かいて
部屋でドラマをみて涙をながしたり
....
やわらかな拍布が身体を包みこむ
賞味期限は 胎児の記憶と似ている
未読メッセージの夜は
すべると太っただけ
するするとすこし
きらいなスロープが、
こぼれる。
マスク越しの吐息 ....
妹とふたり
霧雨のシンフォニーホール
舞台の上はふたり
セピア色の照明に浮かび上がる
息を吸うたび
音が全身に満たされる
長く透き通る高音の波が
眉間を通過し
思わず目 ....
気がつけば齢80才
モタモタしてるうちに八十年を過ごした
自分は年寄かどうかわからないけど
ヨボヨボな体
トロトロな動き
ワガママな言動
カアット血が上がる
....
モリモリ元気にごはんをたべてね
食べた分全部愛のパワーに変えてね
元気にガツガツ愛してね
たまにはそれもナイスじゃない
いいよね
美味しく食べれるってこと
好きとか嫌いとか好きでしょう
....
昨夜から喋れなくなったので
満たされている、
ということにする
三日月を水槽に沈めたら
金魚みたいに膨らんで
ひらひら泳ぐかしら
....
和歌の浦の光る海に8月が跳ねた
いつしか殺人鬼に仕立て上げられた8月
遠くから見ればあんなにゆっくり
揺蕩う海だというのに
灯台のもと白いワンピース着た
あの日の君の笑顔は清らかだった
今 ....
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