三脚に遺品くくりつけて昼食
不要論飛びかう机上にロケットの窓
笑う距離だ 爆発しながら
風の広場と石に書かれて内部は土だらけ
足音浸って錆びる線路を無空の車輪
頬伝う飛び ....
たのしいときは
とても短くて
やがて終わる
だから今日は
せめて朝までここにいようと
今日もまた思う
君が未来のことを話すとき
僕は苦しい
たのしいとき ....
靴を失ったの
裸足で歩くとガラスの破片で切るわよって
母が脅かすから
早く走ることも忘れてしまった
外には怖い人が沢山いるわよって
母が脅かすから
一人で世界を見ることも忘れてしまった ....
あんずの木が
温かい午前の光に
淡く染められている
あんな風に笑えますかと
あなたは訊きましたね
異邦人と呼ばれる彼が
いつまでも私のそばにいられる訳も無く
いらだちと不安だけは
....
ゆらゆらかげろう
玻璃の向こうに
柔らかき草萌ゆる
丘、ありて
音もなく 風渡る 景色に
あきもせず
遥かお山はぼんやりと 薄蒼く
頬杖つく
椅子の背は
しっとりと ....
家に帰ろう
そこには
なにもなくても
買ったばかりのソファ
で
ごろん
天井に
幾何模様を
いくつも描く
うまく
伝えられないね
ただ
あなたの存在に
ありがとう ....
いつか贈られたCDを川へ投げたら、15回くらい水を切った。
医者にタバコとトコトコを止められている。
圧壊する潜水艦の窓に、父の船が見える。
優しくなりたいと呟きながらど ....
私はピンクのハートを描きます
ハートは口紅で描きました
口紅は全部使い切りました
家の誰かがもったいないって
自分のポーチに入れる前に
あのお店で私は
ピンクの ....
胸いっぱいにすい込んだ煙を
青空にはきだした
煙はやっぱり雲にはなれなくて
風に巻かれて消えちまったよ
煙草もあと三本
僕は君を待ってるんだ
この公園のまんなかに ....
ふと気がついたら
わきの下にゼニゴケが生えていた
不快だけど放っておいた
ゼニゴケにだって生きる権利があるはずだ
そう思って耐えようとした
すると何日かして
あごの下にも
乳房の下にも
....
明日を小指で弾いたら
きれいな繻子の音がする
右にあるのは菊模様
金や黄色や紅色の
左にあるのは薔薇模様
薄桃銀鼠ターコイズ
鶴や鶯飛び立って
あとから鷹も追いかける
....
その手にぎゅっと抱かれた瞬間
小さなラットになって走り出したかった
全否定する愛に包まれたのだ
しかもそれに身を委ねる
目を瞑る
どうにかなるさと誰かが話す
どうにもならない
あたし ....
果実はひとつ、
熟り続ける。
きみが折れる、
その時まで。
了。
川沿いに歩いて ようやく
国道まで出た
ぼくたちは、しばしば
夜を迷う
ぼくたちには靴がなかったけれど
それはたいした問題じゃなかった
歩くべき道を
さがすだけの、夜を
迷っていた
....
真昼の月の白さ程
僕の心は精錬ではないのです
真昼の月の朧ほど
僕の仕草は控えめではないのです
今見せた手は汚れているでしょ
決して仕事で付いた汚れではないのです
それでもつい ....
あの人へ
何が、残せますか
つぶやいた言葉には、行方がありますか
いつも夏には
揺らめいて、薄れていくものが
近くにも、遠くにも
留めて
確かにそこに居たはずの
陽炎の ....
おまえが一人でメイド喫茶に行くのは
あまりにもリアリティが濃すぎて見苦しい
だから俺たちも行こう 大挙して押しかけよう
おまえの浮かれ具合を観察するためじゃない
おまえのモテなさをごまかすため ....
雲間から射す光は空の
星がちらちらと瞬くのは
木々が揺れるのは風と木の
霧雨は雲の
私の涙は
あなたが私の手を握るのは
祈り
小さな祈り
ここに存在していることの
....
もういないのよ
気付かない振りを
いつまで続けてゆくの?
その腕で抱いていた
あの天使は貴方から逃げ出したの
羽根の折れた泥塗れの
醜いドレスを引き摺りながら
貴方から飛び出していっ ....
ヘッドライトを浴びて踊る雪は
しだいに密度を増して
行く手の視界が遮られる
海岸添いのゆるやかなカーブが
永遠に終わらないという錯覚
私たちは
どこへ ....
猫が歩き回るけど
ちいちゃんは自分がどこにいるのか
わかります
お母さんが携帯で
「どこにいるの?」
て聞くと
「白い猫の近く」
て元気に答えます
するとお母さんは
「八百屋さんね! ....
うちのクラスの山田くんは いつも
弁当をもってこない。
昨日は
ホームレスのおじちゃんが ひもじそうだったので
あげてきた、と
寂しい目で 語ってた
一昨日は
おなかがいっぱいだ ....
弟に消しゴムを借りたら
それは人の形をしていた
手も足も頭もあって
だけれど体は白いゴムなのだった
消しゴムは今にも動き出しそうなほど
生き生きとした表情をしていたが
その ....
青い檸檬は
いつかは
黄色くなるんだろうか
低い鼻なのに
鼻先が冷たくなるのは
何でなんだろう
金の亡者になった頃
何不自由しなくなるのかもしれない
教訓は
身に凍み込む ....
この世のものは何故こんなにややこしい?
ワカラナイものだらけで──────
鏡に映る自分 これが本当の自分?
認めたくないと疼くこの身体
仕方ないと片付ける度 未来へ続く旅の歩みが遅くなる
....
会いたいと訪ねられても
指先に止まることさえ許されなくって
いつだって
危うげに空を舞う
今年も
冬は来る
いつか日々を掴んだ時に
届けたいものがたり
ゆめうつつの中
何度でも立ち止まる
やがて色に散らかった朝がきて
君は数え切れないほど瞼を開けたり閉じたりして
突然振り返って俯き加減に笑う ....
そのひとの名は やさしげでありました 。ほっそりとやさしくあさの匂いがありました。うつくしいところに およめに いかれるでしょう。ききょうの ようなひとです。
大和なでしこというけれど わたしは ....
ガッツ星人にやられて
爆発炎上してしまったウィンダムに
ウルトラセブンは 別れのことば ひとつかけてやれなかった
次の瞬間には ウルトラセブンは闘っていたのだ
地球を侵略者の手から救う ....
また
しっぽが
挟まれた
自動ドアが
わたしのしっぽを
認めない
管理人さんが
困ったねえ
と言って
ちゃんねるを変える
新しい服を
買って
穴をあける
埋め ....
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