僕の夜に
胸のコップをなみなみと満たす
コカコーラ
みみをすます
「ココニイル。」
泡ぶいている
「ヒトリダ、ヒトリダ、」
コカコーラ・Listen
胸を ....
桜の花びらの
ひとつひとつに
名前をつけて
しばらく会っていない
もしかしたらもう会えない人達を
眺めていたら
君を思い出せないうちに
最後の一枚が散った
....
誰もが望んでいるように世界ができていれば一番いいね と演説するスピーカーの音が蒸し暑い あの男どこからやってきたんだ 半紙に墨汁で致命傷と書きなぐって見せてやらなければ分からないのか 座布団を足の下に ....
気がつけばすべてがあの日に返っている
ポケットに突っ込んだままの右手を
思い出して引き抜くと
零れ落ちていく ぽろぽろと
ありふれた困難とか
いつまでも続く分かれ道とか
乗り切るた ....
ジャブジャブ歩いていける
砂浜から続く海
うすい砂色の皿に
浅い海の色のスープをそそぐ
(鶴は飲めない狐のスープ)
ふかい空から
ひたむきに
飛び込む姿勢で
(ウミネコの視線で)
....
なみだがポロリ落ちたけど
拭う仕草をわたしは知らない。
かなしいから泣くの?
泣いてる理由も掴めない。
ただ有り余るものがなくなっただけ。
そうなっただけ。
セックス なんてするもんじゃない
間違えてしまうから
愛すること
わかりあうこと
歯車は逆転フォース
許しあうカタルシス
言葉だけ ナルシス
気持ちいいことは他にもあるのに
あ ....
つぐみ死ぬ
草むらで
黒いちょうちょを
舞いあげた
あのひ粗末な
ひらひら風
薄暗さの
まっただなかは
ふたりの音で
冷たかったと
つまさきまで
覚えていて
十一月の原 ....
ある日僕は旅に出た。
みどりの扉をくいっと開けて、とにかく荒野に出てみた。
荒野には、野菜が植えてあった。
大きな果物の木もあったけれど、
なにがなっていたのだかはよくわからなかった。
そも ....
冬
風が商店街の路地で
空から見れば沈殿している
バス停からそれを眺めて
タバコを一服、宙に吐いた
背広を着込むようになってから
時々、神様の音を探して
じっと耳を澄ましてい ....
その宇宙の絵本は
だんだん遠くなる孤独の絵本だった
広さを知れば知るほどさみしくて
青い宇宙がこわくて
地球が消えて 太陽系が消えて
銀河系まで消えてしまって
ぐんぐんとスピードを ....
君が積木など買ってくるものだから
僕らは積木遊びをするしかなかった
家をつくって
壊し
城をつくって
壊し
他につくるものなど知らない僕らは
やがて一つ一つを並べ
街をつくり始 ....
夜中の間にほとんど埋めてしまうことができた。順調だ。順調に物
事が進むと気分がいい。雨が降らなくてよかった。多少の眠気はあ
るが出かける準備を始める。そういう気力がある。荷物も少ない。
残っ ....
雨の日は
耳になる
秋は死に
鳥は黙したまま
はじめから
世界は
満ちることなく
ぼんやり
霧にぬれる
地球と鳥篭
「マッテ」
誰かがそう言った
「待って」
私は復唱する
誰もいない
待ってくれる人はいない
最近よく聞く
この通りを通る時
「マッテ」
誰かが ....
とある金曜の夜
彼女は出ていった
理由なんか知りたくもない
ので土曜の午後から
彼女のものを片付けてみる
と冷蔵庫の奥から何重にもラップされ
忘れ去られたくさやが
....
空を一直線にかけのぼる飛行機雲
くすのきに登っても
時計台にのぼっても
そのしっぽさえ つかめない
「おーい!」叫んでみる
「どこまで行くのー?」
「おふとんに入った?」
「はい」
目を閉じて
わたしはあなたを
捏造する
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