すべてのおすすめ
片足に秋の小蝶の影淋し
野良猫の影のか細く冬隣
基次郎レモンをひとつ置く書棚
さつま芋ご飯をつまむ{ルビ新=さら}の{ルビ箸=はし}
金柑を中心に秘めお饅頭
ふた口で終は ....
ふた口に消ゆる小遣ひモンブラン
こほろぎや僕はキュウリにマヨネーズ
{ルビ蜻蛉=とんばう}は{ルビ牧場=まきば}{ルビ蜻蛉=あきつ}は牧歌的
手を離し団栗拾ふ園児かな
男性をも ....
ごみ箱にポンと紙くづ冬隣
秋蝶の影消え風の軽くなる
つぶやけば淋し野菊といふ語感
うつむけば青空の色{ルビ牽牛花=けんぎうくわ}
それぞれに名の美しく秋の草
団栗のひと粒 ....
書きかけの手紙の様な薄紅葉
カーテンの影絵淋しく冬隣
秋しぐれ束の間淡き木々の色
シュッシュッと刻み金平牛蒡かな
稲の波案山子も少し溺れけり
生姜混ぜきれいな水で蕎麦食べ ....
げんこつの様な顔して虫が鳴く
猫じゃらし風とくすぐり合ひにける
まだ夢を見てゐる様に蟬の殻
やきいもを割ればその湯気天高く
永遠に感じ栗むく指痛く
主人待つ仔犬繋がれ冬隣 ....
やきいも屋マイカー磨く冬隣
{ルビ瓢簞=へうたん}の立たせてもまた転びけり
セクシーに腰くびれたる{ルビ瓢=ふくべ}かな
秋蝶の翳りありける小花かな
果たしたき夢まだありて残り ....
つなぐ手に夕陽の映えて赤とんぼ
ゲームにて地球を守り星月夜
野良猫の痩せたるを見て冬隣
防犯のカメラにピース菊の紋
風にまた雨音かはり破れ蓮
さつまいも料理出来ぬが生もら ....
{ルビ蜻蛉=とんばう}の消えて濃くなり空の色
もぐ人に青空近し青蜜柑
虫食ひもまた可愛らし初紅葉
秋の蝶止まる小花の定まらず
切り株に燃え移らむと苔紅葉
名を知らぬ風 ....
秋の蝶どこからか来てどこかへと
砂時計落ち切りて午後{ルビ酔芙蓉=すいふよう}
蟬の殻この世の何にしがみつく
宿題の夜長消しゴム転がす子
得た夢と失った夢蟬の殻
始ま ....
秋蝶の影を失ふ小花かな
ほやほやと優しき言葉ふかし{ルビ藷=いも}
鍋の中小さな{ルビ喧嘩=けんか}芋と芋
三日月に負けずバナナの曲がり方
きっと地球見てる人ゐて天の川
....
朝顔や手の届かざる空の紺
コスモスは風に倒され起こされて
{ルビ身体=からだ}より影長くして{ルビ飛蝗=ばつた}とぶ
かぼちゃ煮る母ゐる今を大切に
虫の音は心安らぐおまじなひ
....
夕暮れや紅葉を冷やす雲の影
流れ星窓に腰かけハーモニカ
色めくは雲のみならず秋夕焼
朝顔に歩み緩めて二歩三歩
朝顔や隣にまはす回覧板
登りきりそよ風のさき初紅葉
彫 ....
風香り木犀と知る曲り角
木犀の香る風折りポケットに
夕刊のあとに夕焼け赤とんぼ
空蟬に{ルビ未=いま}だ命の気配あり
木犀の香り初恋思ひ出す
ぴくりともせず蓑虫はお留守か ....
描き出すもの
愛も欲望も全部絡まっていて
──Grapevine
赤とんぼ夕陽と共に籠に入れ
虫の音やそのお姿は置いといて
名を知 ....
ほろほろと
独り飲む酒
肩を抱く
もう駄目だ
レッドカードは
は手のひらに
蝉しぐれ
サリサリと飲む
かき氷
釣り師から
坊主になって
しょげかえる
渓を夢みて酒をのむ
ひとりゆく
そらの青さに
溶けてゆく
酔い酔いて
独り旅ゆく
我が身かな
宵闇に独りでそっと酒を飲む
何時か底まで酌み交わそう
働いた手のひらをそっと見る
森を彷徨いうずくまる
{ルビ闇路=やみじ}の{ルビ褥=しとね}{ルビ花埋=はなうず}み
もういいよ
ぼくはひとりで
大丈夫
退屈な
陽射しのなかで
本を読む
今夜また琥珀をあおり夢をみる
黄昏に
カレーの匂う
帰り道
真夜中にたった独りで酒を飲む
夢の中で夢をみる
1 2 3 4 5 6