コロッケ
ふるる

夜ご飯の支度をしていると
息子が
「今日の夜ご飯なーに?」と聞きました
「コロッケだよ」「やったー」

寝そべって漫画を読んでいる息子は
11歳
伸ばした手足や
レゴをしゃがんで組み立てている横顔を見ると
はっとします
もう男の子には見えない
少年ぽい

買ってきたコロッケを、温めます
自分で作ろうかとも思うけど
息子は2個しか食べないので
やる気が起きません

夜ご飯タイム
息子は全く喋らず特に話題もないので
「今日の給食何だった?」
「忘れた」
で、終わります

私たちは黙ってご飯を食べます

二人きり、黙ってご飯を食べていても
気まずくも何ともないという
しあわせを
サクサクのコロッケと一緒に
噛みしめます

そのうちこの少年がもっと大きくなって
いつか
コロッケを3個以上食べるようになったら
自分で作ろうかな
手伝わせればいいや
手伝ってくれるのかな
と思ったり、します




自由詩 コロッケ Copyright ふるる 2009-04-13 00:41:41
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