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きょう
ぼくは少年だった
両腕をいっぱいに伸ばして
いちにち
空を憧れていた

ぼくのノートは
かなしい文字でいっぱいだ
さようなら
さようなら
みんな さよ ....
いつからか
巨大な目/まばたきをしない目が
わたしをじっと見る

青い/緑の目をしたきれいな雌鹿
自分を巡って戦う牡鹿を
じっと見る
興味深そうに/興味がなさそうに

丘の上にある一 ....
郵便受けに
さくらの花びら

淡い水色の
小さな便箋

ゆううつの波に飲まれそうな朝のこと

春はまだ見えない
思えば今年の冬はいつもより少し長い

便箋の封を切ると
中からか ....
泥になって歩く
海の方から風が吹くと
私じしんである 泥
がかわいてしまいそうになる
おまけに潮のにおいまで
はりついてしまいそうになる
この湾岸沿いの道は 淋しさ
そのものが細長く伸び ....
春の花を見つける
忘れないように匂いを嗅ぐ
きっとこの花が
私を飾る
だから忘れないように
匂いを嗅ぐ

夏の果実をかじる
熟す時期を覚えておく
きっと私が最期に食す ....
花の咲いた間だけ
とげに触れぬように

見張るように透明なコップに
移し変えたのは

空の下で枯れるすべての事から
逃げるためですか
守るためですか

とげよりもおそろしい指で
 ....
?.

ヒヨドリたちが庭に現れる
鳥は歌うものだと思っていた
あれは
叫びだ

桜木町から横浜に向かう道で
君は叫んで
何度も叫んで
アスファルトの上に寝転がって
 ....
二人で作りあげた数式の右辺を
ある日失ってしまった

左辺とイコールだけで
成り立っている数式を見て
きみは笑う

だから
真夜中に起きた僕は
左辺を消しゴムで
消しておい ....
{引用=
雪睫毛、って言葉を
貴方に送る手紙の冒頭に書きたくなって
意味も勿論分からないままに
便箋を箪笥から出してきました


「雪睫毛」


二〇〇六年 十二月 三十一日 大 ....
神が
アダムの肋骨から
イヴを造りだしたように

おまえは
おまえの鎖骨から
わたしを造りだしなさい

おまえのその
滑らかな肩に眠る
真っ白な翼のかたちをした骨で

そうした ....
土が匂う
そうして僕は小学生になった

昨日より暖かな陽射し
冬休みの明けた教室の
油引きの床の匂い
ジャングルジムや鉄棒の冷たさ
授業中に見えるグランドの眩しさ
雑草の中には小さな白 ....
彼は眠りこけているが彼女は目覚めている。

息で曇る車窓の向こうは夜更けた雪国、
どうせなら洒落たペンションにでも泊まりたかった、
と彼女は思うけれど、
財布の中身を考えれば車中泊もしかたな ....
太陽が真上に輝くとき
私の影は死にました

影は本当の私でした
影が本当の私でした

私はいつも笑っています
笑っていれば許されます

影は時折泣いています
影は時に嘲笑います
 ....
動かない空気のなかで
宛てもなくひらりと
便箋を翻すと
そこには
まだ言葉にならない溜息やのぞみが湧きだして
いつの間にか黒い模様を描きはじめる


遠くへ帰るひとを
いま見送っ ....
夕焼け空を見て
胸に何かが込み上げる

少年はそれを言葉にできなくて
とりあえず 叫んでみた


ふと我に返り 辺りを見回す
恐らく あの空より赤い顔隠して
家まで走って行った

 ....
眠りながら歩きながら眠っている
墓標を背負っている

曲がりくねった黒い道だ
まっすぐ続く赤い道だ
途切れ途切れの

滑らかなカーブそこへ続く道を

眠りながら墓標を背負いながら歩い ....
死にたい奴から勝手に死ねばいい
と受話器に書き込んだ朝は
乾いた雪が派手に舞い上がっていた
ちっとも積もりやしねぇ
誰かこの世界を面白くしてくれよ

そんな事を言う輩は死んだ方がいい
と ....
こんなにもあかるい岸辺で
こんなにも頭がずきずきするのは
いったいどうしてなのでしょう
山々に溶け残る雪は
(誰にも踏みこめないところにあるので)
あくまでも白く輝いて
その鋭 ....
雨がまた積もっていく
雨音がまた積もっていく
その分だけここは、静かになれる
抱き合うだけの幅を残して

昔の夢のかたちを探り合う
窓を伝う雨粒の落ちる、速さ
遠退いた距離の分だけ、今の ....
小さい頃

雪っていうのは神様が落とした

宝石だと信じていた




人が亡くなって
魂が神様のところに逝く

また人間として生まれ変わるとき
人間だったときの記憶は
宝 ....
母さんの作ってくれた焼そばには
キャベツばかりがあふれていた

いう詩を描こうとして

母が
焼そばを
作ってくれたことなどないと
唐突に気付く

コウちゃんはというと
正確に ....
滴が。
朝の、


窓枠を二つに分けるようにして落ちていく。
今も手を伸ばせば壊れてしまいそうな足跡。
遠くなっていく風景写真をいつも隣に置いている。
あの日、行方知れずの人が今も笑いか ....
世界に千の悲しみがあるなら
わたしのたもとで
それよ止まれ

あなたが
やさしく眠れるように

わたしはどんどん無口になる
世界は
とてもひとりぼっちだ

世界に千の悲しみがある ....
冬の陽ざしがうれしくて
君は僕に笑いかける
あたたかな冬の光がまぶしくて
君は泣き顔をして横を向く


風が山茶花の花をゆらして
通り過ぎていった
その花に触れるのはおよし
君はそこ ....
瞳がかすむように
この両手がこごえるように
なぜ 淋しくなってゆくのだろ


   *


雪よ 降るのでない
悲しいわけじゃないけれど
彼方で
白い夜が{ルビ蹲=うずくま}る
 ....
ちょっと、振り返ってみたくなっただけ。

ちょっと、振り返ってみただけ。


初詣の太宰府の橋の上。

過去の掛橋通り越して。

一人の淋しさ、感じた時。

もっと、強く抱き締め ....
黒い眼
まっすぐに見つめるとき
伸びた前髪から覗くとき

大人びた輪郭
頼もしく引き締まるとき
負け犬みたいに歪むとき

すっかり大きくなった掌
やさしさを差し出すとき
憎しみを投 ....
飛ぶ鳥の名前などは
どうでもいいことかも知れない


晴天をかもめ、
夕暮れには
からす

一応の名前で
呼んではみるけれど、
きっと何かが間違っている


かれらは一途 ....
戦争のあとにはいつも
殺されなかった死体が転がっている
それが君の言うところの
正しさなのだろう

ぱたりと本を閉じる
車窓の外へと目を移せば
淡い色の田畑が広がっている

「次 ....
サンタになる
と 義父が言ったのは 六十歳になったあたり
子供の頃からの夢だと言い
衣装をそろえ 駄菓子を買い込み
白い布など用意したので

義母は 義父用に衣装をつめたり
白い袋にした ....
北野つづみさんの自由詩おすすめリスト(280)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
ぼくは少年だった- yo-yo自由詩12*07-2-9
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たより- 夕凪ここ ...自由詩8*07-2-7
湾岸経由蜜柑畑行き- 岡部淳太 ...自由詩24*07-2-6
四季の森- なかがわ ...自由詩12*07-2-4
きっと_いつまでも- 砂木自由詩20*07-2-4
十字架- 水在らあ ...自由詩31*07-2-3
数式- たもつ自由詩1907-2-2
創書日和「雪」_雪睫毛- 半知半能自由詩1207-1-31
カナリヤ- 大覚アキ ...自由詩4*07-1-31
しろつめくさと野の花と- プル式自由詩4*07-1-30
創書日和。雪_【軍靴の響き】- 佐々宝砂自由詩1107-1-30
私の影- なかがわ ...自由詩4*07-1-30
砂のことば- 銀猫自由詩24*07-1-28
夕焼け空に知った言葉- 画竜点睛自由詩3*07-1-26
墓標- サナギ自由詩5*07-1-25
創書日和「雪」- 虹村 凌自由詩4*07-1-22
あかるい岸辺- 佐々宝砂自由詩3*07-1-22
落ちる速さ- 霜天自由詩6+07-1-20
雪の記憶- 愛心自由詩14*07-1-16
おたふくソースをいっぱいかけて- umineko自由詩7*07-1-14
あの日、行方知れずの- 霜天自由詩1207-1-14
センチネル- umineko自由詩12*07-1-10
やわらかな虹- 石瀬琳々自由詩22*07-1-9
- 石瀬琳々自由詩12*07-1-6
人生の掛橋。- 狠志自由詩307-1-3
十三歳- yaka自由詩10*06-12-31
黄金へ向かう鳥- 千波 一 ...自由詩17*06-12-26
1両編成- Tsu-Yo自由詩2006-12-26
トナカイの夢- 砂木自由詩22*06-12-24

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