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づきづきと心が痛んでいました
正体はぺらぺらの心なのに

その時僕は十四歳
正男君も同い年でした

僕が正男君に近づいて仲良くなろうとした本当の理由は
三歳年上のお姉さんがいたからです
 ....
写真を撮られると
いっしょに魂を吸いとられると
誰かに教えられたか
何かの本で読んだ事がある

わたしは
嫁入り道具の箪笥の引き出しの中に
一冊の
集合写真のアルバムをしまい忘れていた ....
日が傾き日が落ちるまでの間の時間帯が好きだったよ

中学の頃さ
家から学校までは十キロ近くあって
毎日自転車で通学した
きつかったな
ほとんどが急な坂道で上ったり下りたりした
冬場は体が ....
夜中に目を覚ましてしまい
それから朝まで眠れなかった

夜が明けた頃
カラスが鳴き出した

そのぶきみな鳴き声に
何だか不吉なものを感じた

以前
道に放置された猫の轢死体の内蔵を ....
一般庶民の一般ってどれくらいなんだろう
お金に換算すると幾らなんだろう
愛情で見積もるとどのくらいの重さよ

何だか的はずれな事を言葉にしてるな

残念ながら
私は一般庶民の域に達してな ....
人前では笑わなかった
笑えなかった
あの頃
何でだろ?
解答はみつからなかった

一言で片づけるなら
ネガティブな性格だった
それに相当する顔が出来上がっていて
どうやっても剥がせな ....
天国へは針の穴を抜けていくらしい
むかし誰かに教わって
なるほどな
と思った

勿論
遺体が
針の穴を抜けられる訳がない
でも
霊とか魂ならば抜けられるだろう

私もいつか死なな ....
施設の部屋を訪ねると
縦長の狭い部屋にはベッドが二人分縦に並べられていた
殺風景で閑散としていた部屋の中には
それぞれのベッドの側に簡易の便器が置かれていた

部屋の中に立ち込めた臭気が鼻を ....
辺鄙な山あいを川が流れていた
普段は大人しい川。水嵩は少なかった。

その辺りは地図の上では町と村の境目。
上流が村で下流が町だった。県道が一本中央を貫いていて町と村を繋いでいた。
もしその ....
恐竜の時代に生まれて
恐竜にはなれなかった

人間の時代に生まれて
ヒトに選ばれて産まれたんだが

次の時代は
巨大な隕石になって
この地球に衝突したい

そして次の時代は
地中 ....
夜道
突然何かがヘッドライトに浮かび上がった
猫だと直感した
避ける暇もなくブレーキを踏む間もなかった
瞬間、タイヤが踏んで ぐしゃり 鈍い感触があった

そのまま通り過ぎてしまった
 ....
上級詩人の奏でる言葉に
聞き惚れる

そんな時代もありました
昔は僕のこころも美しく澄んでいましたから

今はすっかり皺がはいり
皺のなかに埃が溜まって
上級詩人の奏でる言葉に
耳が ....
人並みに生きるって案外難しい
スプーンにいっぱい分の幸せを測るより難しい

パンひときれ分の幸せがあれば満足
それとも地球一個分なければ不満足

欲望が煮えたぎり
吹き零れそうだ

 ....
涙混じりで見た空と
渇いたこころで見た空に
何も違いはなかった


人は人だし
俺は何処までも俺だから
人の眼に写る空と
俺の眼に入る空の景色は
きっと違う


孤独を噛み ....
正しい箸の持ち方を知らないままに育ってしまった
正しい箸の持ち方なんてあることさえ知らなかった
その認識皆無だった

正しい箸の持ち方を知らないままに人の親になってしまった
正しい箸の持ち方 ....
耳の奥に蝉が棲んでいる
みんみん蝉だ
うるさくてかなわない

一本木が立っている
一本どころじゃない
何本も立っていた
何本の騒ぎじゃない
数えるのもいやになった

林から森になり ....
人前を憚らないで発情し身悶えてるよ愛しい猫が

鬱になる鬱にならない人の差を鬱になるほど思い悩むな

足りてでも満ちてないんだ毎日がそれがさびしい慰めをくれ

踏み切りの線路の上の陽炎か儚 ....
大洗の海がすこぶる荒れていた
無理ないよ
台風が近付いているんだから

海は遊泳禁止になっていた
当然だよ
季節が外れていたんだから

水族館の駐車場に車を停めた
台風が近付いている ....
六十歳の定年に仕事はお払い箱にされた
定年延長再雇用は却下されて
容赦なく投げ出された訳さ

家の借金はあるし
嫁さんは体と心がどっちも弱くて
結婚当初から
俺にずっと養われてたから
 ....
空のてっぺんあたりにお日様が昇る
暑いなんてもんじゃない
熱いんだから

夏が真っ盛りだ
八月
男は上半身裸で赤銅色をしていた
女は着ていたが乳房の形が浮き上がって見えた
夫婦は二人と ....
口を裂かれても言えない事はある
もし
口が裂けたら言える筈はないのだが

時間はさかのぼる
空間は移動した

時代は戦争に飲み込まれていた
侵略と略奪
無慈悲な殺戮と暴力

殺さ ....
全員が死んでしまった。
アパートの住人は一人残らず死んでしまった。

昨夜、アパートに火災が発生したのだ。
近隣に延焼はなかったが、一度に燃えていっぺんに黒焦げの残骸になった。
その灰の中か ....
毎日が同じ事の繰り返しだから厭になるね。
と、人に何気なく言ってしまった。
ら、その人は「え?もし毎日が違う事の繰り返しだったら、私なんか一度に磨り減って擦りきれてどうにかなっちゃうよ」と言われた ....
彼女は天国に向かう途中だった。そこは生きながらにして昇りつめる事ができる。
健康な肉体には健全な性欲が宿る。そして健全な性欲に道徳は邪魔だ。
第一、男女は共に股間の中心をその人格ではコントロールで ....
風俗以外の女性は知らなかった。
不潔かな。欲望が一人で歩き出したら抑えきれない。男子の体の仕組みはそうなってる。
そんな時は誰にも迷惑をかけられないからマスターベーションで欲望を鎮める。
不潔か ....
女性の必需品買い忘れました。
六十四歳父親です。
いくら父親と言っても娘に頼まれた生理用品一人で買えるほどの強い心臓兼ね備えていません。
買い物はいつも十歳年下の嫁と二人です。

女三人と暮 ....
化粧しない女と
化粧する男

売れない絵かきと
熟れない詩人

言葉の重みと
その軽さ

一直線
と一曲線

地図のある部屋の壁
ナビのない車

狂気と

狂喜

 ....
洗濯機の中で汚れた衣類が回る。
夜に洗って朝に干して。そんな生活繰り返して繰り返して。
何だか寂しくなって、その寂しさに苛立って。

人に産まれて女に育ち
人に産まれて男になった。

洗 ....
最寄りの駅から電車に乗る。自宅から車で七八分の距離に最寄りの駅はあった。JR線沿いの市街。
地方にはどこにでもありそうな駅周辺の風景。
車は近辺の有料駐車場に停めた。
どうせなら自家用車で東京へ ....
家が裕福ではないのに子供はたくさんいて、末っ子は九馬君だった。
人間の産んだ子供に九馬って何だろう。名前の付け方酷くないかって、俺でなくても誰でも疑問に思うだろうが、所詮他所の家の事だから耳慣れてし ....
秋葉竹さんのこたきひろしさんおすすめリスト(213)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
づきづきと心が痛んで- こたきひ ...自由詩519-6-1
写真は真実をどこまで写せるか- こたきひ ...自由詩419-5-30
冬がくる前に- こたきひ ...自由詩1019-5-26
天井と天丼- こたきひ ...自由詩419-5-25
私は一般庶民にもなれなくて- こたきひ ...自由詩419-5-24
はぶかれてシカトされてたあの頃の- こたきひ ...自由詩219-5-22
天国へはいけそうにない- こたきひ ...自由詩319-5-19
母親は俺の顔も名前も忘れた- こたきひ ...自由詩519-5-16
川が蛇になって- こたきひ ...自由詩319-5-8
時代- こたきひ ...自由詩519-5-6
眩しくて一瞬前が見えなくなった- こたきひ ...自由詩719-5-5
人の口を数えても- こたきひ ...自由詩619-5-4
人混みを人波を- こたきひ ...自由詩319-5-3
強い男には- こたきひ ...自由詩219-4-28
正しい箸の持ち方- こたきひ ...自由詩319-4-24
耳鳴りがやまない- こたきひ ...自由詩519-4-23
十首- こたきひ ...短歌319-4-21
中原中也のあの有名な詩が- こたきひ ...自由詩119-4-21
六十歳の定年に仕事はお払い箱にされた- こたきひ ...自由詩419-4-20
屋根の上にはソーラパネルなんてなかった時代に- こたきひ ...自由詩319-4-20
口外しては- こたきひ ...自由詩319-4-16
火炎の花が空に- こたきひ ...自由詩419-4-14
惰眠- こたきひ ...自由詩419-4-12
健康じゃない肉体に宿る蛇って何よ- こたきひ ...自由詩119-4-11
ネット詩人は- こたきひ ...自由詩719-4-8
地元で一番の安売りスーパーで- こたきひ ...自由詩419-4-7
言語の羅列- こたきひ ...自由詩119-4-5
心に愛がないから- こたきひ ...自由詩319-4-3
最寄りの駅から- こたきひ ...自由詩519-3-31
熟れないトマト- こたきひ ...自由詩219-3-31

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