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産まれる前から誰の体にもついてる匂いがあるのかも
しれない
その匂いについての
生物学的な
もしくは化学的な根拠は
指し示せないので
ないとも
否定できるけど

なにぶん
これは論 ....
人が息を引き取る瞬間と
息を吹き込まれる瞬間との
繰り返しが続いているのは間違いのない事実

夜更けの産院
もうすぐ我が子が産まれてくるのに実感がわかない
渇いている自分の喉を癒す方法がな ....
電車という文字に普通が乗ると
普通でなく思えるのは普通じゃないのかな

もしかしたら私は意味不明な存在なのかも知れない
それはともかくとして
滅多に乗らない電車にその日乗ったのは
東京に行 ....
のびた爪を夜に切ってくれた
妻である人が切ってくれた

爪が指の先でのびる
切らずにおいたらどこまでのびるかなんて
普段は思わないけれど
思ってしまった

のびた爪であたしの体を触られ ....
遠巻きにして人だかりができていた
始発電車まではまだ時間がある
上野駅の構内でそれを待っている人たちは皆一様に張りつめた冬の寒気に震えているに違いなかった

まだ入れない改札口周辺の通路になぜ ....
お人柄は良好です

評価しています
こたきさんは良い人です
とてもやさしくて
思いやりのある方です

なのでわたしにはもったいないです
わたしはこたきさんが思うような女ではありません ....
偉大な詩人の真似をしても
何も始まらないさ

俺は自分の頭のなかの空気さえ読めないんだから
難しい言葉なんてかき集めて
さも意味ありげに並べたてても
頭のなかにわいた蛆虫は
追い払えない ....
ポストに投函した手紙が何処へ届くかは解らない
宛名と宛先を忘れた
差出人とその住所も忘れた

そんな封書の中身は便箋が数枚
便箋には文字を綴るのも忘れた

そんな手紙は迷子になって
い ....
いったい自分が誰なのか
何者なのかさえ
解らなくなるまで忘れた去った覚えはない

母親に罵声を浴びせた記憶はこびりついて剥がれてくれないけれど
あれば反抗期には誰でも沸き上がるに違いない
 ....
長い年月の間にすっかり干上がってしまった井戸からは、水は匂いさえしなくなっていた。
地下水に頼る生活はもうできない。水を汲み上げる手動ポンプは役に立たなくなってしまった。

やむを得ず家に自治体 ....
サッカーボールと
野球の玉は
蹴ったり
打ったり
しなければ
プレイははじまらない

この地球もボールにかわらない
宇宙というグランドの

思いきり
蹴ったり
打たれたりしたら ....
川は切り立った山肌に沿って流れていた。
夏になると近隣の子供らが集まって水遊びした。炎天の空の下。子供らの歓声が山あいにこだまする。

山肌から突き出た岩の周りはかなり深くて、自然とその辺りが子 ....
好きな人がいる
当然
嫌いな人もいる
それ以上に
好きでも嫌いでもない人がいる

私という人間の 質と量
私という人間の 存在する理由
私という人間に 与えられた時間
私という人間が ....
演歌がやたら心に染みるのさ

何だか気がついたら年寄りになっちまってた
還暦過ぎちまってよ
どうしようもねえ 巻き戻しは効かないんだから
このまま先に行くしかないよ

老後はのんびり釣糸 ....
寝台の上で瀬死に横たわっていた
虫のように息をしている

何人も神にも仏にもなれない
死人にしかなれない
死人にしかなれない

死人以外になれない

冬の夜は寒くて
冬の明かりは冷 ....
桜並木が校庭を一周していたわけではなかったのかもしれません だけど桜並木に咲く花などどうでも構いません
確かに彼の記憶は水分を失い干からびていました
全ては不確かな世界のぼんやりとした景色だったの ....
空は一面しかない
大地も一面しかない

あり得ない世界には
空が何面もある
大地も何面もある

私は
真面目に詩を書き上げるつもりなどない
真面目に詩を書き上げる才はないのだ

 ....
爽やかな風が吹いていた斎場には
一人の人生に済みの印を押してあげる為に
集まった親族身内たち

果たしてその人の旅の行く先が
天国でもその反対方向でも構わない
もしかしたら
宇宙の知らな ....
詩は朝食前に書いている
夜が明けない前に起き出して

詩は出勤前に書き上げる
汚れた水を絞り出すみたいに

私が私であるためには
どうしても詩が必要だ

理由はわからない
たとえ解 ....
誰かが誰かを呼んでいる
しきりに名前を呼んでいる
しかし
その声は辺りの喧騒にかき消されて
落日の空の彼方に吸い込まれてしまう

なにも知らない子供らは
何者かに
何処かわからない遠く ....
父親から電話がかかってきた
滅多に電話なんてかけてこない人だ
よほどの事がないかぎり電話をかけてこない人が
その日、その時かけてきた

電話口に出ると
いきなり
ひろしか、父ちゃんだ
 ....
ノブちゃんはね。
むかしも今も女の人でした

私たちは偶然再会しました
その時ノブちゃんはね、鰻屋さんで働いてました
私はお客さん
勤め先の社長や同僚と食べに来ました

鰻重を運んで来 ....
カラスが鳴いてる
何処かで鳴いてる

カラスが鳴いてる
相も変わらない気味のわるい鳴き声で

カラスが鳴いてる
電線の上で鳴いてる
飛びながら鳴いてる

カラスが鳴いてる
車に轢 ....
もしかしたら
ヒトの成分は
血と涙と汗だけで
てきているのかもわからない

喉が異常に渇く
「オーイお茶を」と妻に声をかけた
反応がない 無理もなかった 彼女の両の耳はイヤホーンで塞がれ ....
私は
私の人生の途中で二度
自らその命を絶ってしまった人の葬儀に参列した事があった。

一人目は同じ工場内で働いていた五十代の男性。
とは言っても勤める会社は違っていたからほとんど口を利いた ....
極極、平凡な毎日です
極極、平凡な暮らしです
私が切に求めてやまないものは

でもね
極極、平凡な毎日や
極極、平凡な暮らしほど
簡単に手には入らないと
よくよく身をもって知らされまし ....
駅のトイレの個室の壁に書かれた
作者不明の一文
それに
興味をそそられた

読んでしまった
用を足しなから
読んでしまった

 俺は失敗して彼女を妊娠させてしまった
 出来ちまって ....
その頃
私は手紙に執着していた

記憶の引き出しにしまってある
その頃という一定の期間には
時間の埃がそれなりに積もっていた

ある日
何となく引き出しの奥から探し出して
太陽の光に ....
JR線の駅が近い。線路の上にかかる橋の上から通過していく電車の音を聞きながら歩いていた。

もしかしたら余命幾ばくもないかもしれない私の命。
人間の寿命なんて人それぞれに違いがあるけれど一世紀を ....
この目に見えないもの
たとえて言うなら
この世界の片隅

何処だよそれ
漠然とし過ぎだろ
地球は文字通り球形なんだから

この世界の端とか
真ん中とか
有るとしても
どこを指すの ....
秋葉竹さんのこたきひろしさんおすすめリスト(213)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
世の中捨てたもんじゃないのに- こたきひ ...自由詩319-1-10
ご静聴頂きましてありがとうございました- こたきひ ...自由詩519-1-9
普通電車に乗って- こたきひ ...自由詩919-1-9
指の先で爪がのびる- こたきひ ...自由詩419-1-1
撲殺- こたきひ ...自由詩418-12-30
男性失格- こたきひ ...自由詩618-12-28
LOVEの雨に打たれて- こたきひ ...自由詩418-12-25
手紙- こたきひ ...自由詩718-12-24
忘却- こたきひ ...自由詩518-12-22
井戸を覗き込む- こたきひ ...自由詩618-12-16
円形と球体- こたきひ ...自由詩718-12-11
川の底を覗き込む- こたきひ ...自由詩718-12-9
失いながら生きている- こたきひ ...自由詩318-12-4
人生の冬に凍えた夜なんか- こたきひ ...自由詩118-12-1
冬の夜は- こたきひ ...自由詩418-11-30
記憶にかからない橋に- こたきひ ...自由詩218-11-25
あり得ない世界には- こたきひ ...自由詩418-11-21
斎場には- こたきひ ...自由詩418-11-18
私が私であるためには- こたきひ ...自由詩618-11-17
誰かが誰かを呼んでいる- こたきひ ...自由詩318-11-14
人は誰でも骨壺へ- こたきひ ...自由詩418-11-7
ノブちゃんは、ね。- こたきひ ...自由詩418-11-2
カラスが鳴いても帰れない- こたきひ ...自由詩318-10-31
血で血を涙で涙を汗で汗を- こたきひ ...短歌718-10-28
陽向臭い匂いと雨の匂い- こたきひ ...自由詩418-10-28
極極、平凡な毎日は- こたきひ ...自由詩518-10-27
呼ばれて振り返れば- こたきひ ...自由詩318-10-24
恋文がバイクに乗って来たとは言えなくて- こたきひ ...自由詩318-10-23
美空の下に美空の果てに- こたきひ ...自由詩1018-10-21
この目に見えないものは- こたきひ ...自由詩418-10-20

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