すべてのおすすめ
君との距離が
縮まるほど
言葉が少なくなる
言わなくても伝わる想い
重なり合った想いがときめく
恋が始まって
切なさの重みよりも
明るい日常が生み出される
愛されているとい ....
哀しみを連れた静脈の足が
絡まないように最初で解れた
細胞に涙を埋め込んでから
分裂するまでに人を許すの
その度に感情がこびりついた
メスシリンダーを数えて
汚れた色の血管は
消毒の後で ....
新しい季節がはじまる
暦をめくる妖精たちの声
もういいかい
もういいよ
冬いろの花壇に
陽の匂いの妖精が
舞い降りる
きみの瞳にきみが居たから、
きみの瞳をきれいだと思った。
きみの笑う姿にきみが居たから、
ぼくも笑ってみようと思った。
もっとたいせつな
丸いこころがあると
しっているけれど
そんな玉ねぎみたいな
ひとを泣かせることばを
なんどもきかされると
全てをおわらせても
ないふでそのかわを
むきたくなる ....
KEIKOさんは恵子さんと書くのに
幼少の頃から
けして恵まれては来なかった
らしい
とは言っても
個人の情報の漏洩はゆるされない時代
具体的な記述は避けられているから
確かめられな ....
誰も帰ってこないよ
今日、ボクが旅立てば
名刺入れは空っぽ
バスはいつも定刻から遅れるもの
聞かなかったことにして
笑って済ませばいい
どうせもう春は来ない
じゃあね、
時代の ....
「わたし壊れてるから優しくしてね!」
って微笑みながらナイフで切りつけるスタイル
抵抗してはダメ、声を出してもダメ
水気の多い果実を切った匂いが部屋に満ちる
(ほうら、やっぱりそんなオチ) ....
吹雪はやんだ
静寂が深々と夜を沈めている
遠くで
プテラノドンの悲鳴が響く
ただ一度だけかすかに
電車の警笛のふりをして
吹雪の中をどれくらい歩いただろう
自分の足跡を見つけた時
....
雨がアパートの一室の屋根を叩く
時刻は午前零時を回っても
眠れなかった
天井からぶら下がってる電球は裸
彼女の想いは天井を突き抜けて空を飛んでいる
飛んでいると言うよりは
雨のなか ....
雲をシュレッダーに掛けたように
雨が降り出した
空に磨かれて
美しい雨が
大声でなくように
産まれるように
哀しい記憶を包んで、紫
滑らかで柔らかい膨らみ、紫
愛しい幻覚
永久(とこしえ)に眠れ
真意を問いただす勇気がなかったあの夜
心に半分嘘をつきながら歩いた
「騙されてあげるね」と
大江戸線に向かうエスカレーター
後ろから囁くあなたは
想像より無邪気で、ずるい
....
ぬえ
しんしんと降りつもる秋の夜に
うぶごえをあげる ぬえがいた
かよわい躰をふるわせて
まぶたをわななかせている ―小さな命
ふかふかしたうぶ毛の先で
無数の夜霧がしずくとな ....
たまには
月を下で眠るんだと
カッコをつけた彼の
見上げて眠った月は
わたしに降りそそぐ白い色の
月と同じ月だったのだろうか
星には
しあわせな自由を願った
月には
彼と ....
明るい空に月が浮かんでいる
それ自体は珍しくないが
今日は月がやけに光っている
普段ははぐれた赤ん坊の雲のように
白く存在感薄く浮かんでいるのに
今日のはどっしりとまんじゅうのように
はっ ....
見えない星の先を想うほど
遠くなる息は綺麗に積もり
まだ呼んだことのない
あなたの名前を
銀河へ流したビー玉みたいに
探しに行くの
無数に広がる玄関の靴が
夜空で私を待っているか ....
ある冬夜、僕を布団に残し、俺は家を飛び出した。
持っているなかで最も武骨なジャンパーを羽織って。
雪の精に抱かれて
時間を凍らせる
綺麗なまま眠り
誰か来るのを待つ
温かい指先が触れるまで
私を連れて行く勇気がある?
雪の精に誓える?
刺の意味を記した辞書を
雪の下に探せる?
....
ひとりぼっちだった
ふたつのかたまり
おとずれて
いつのきせつだって
ここにいるんだと
ないている
白い空
黒い雲
まじりあったら
ときどき灰色
黒い土
白い草
ま ....
花をみつけて
おくれ
水をかけて
あげて
朝になれば
花を
咲かす咲かす
咲かす
花はどこに
いるの
夜の闇で
みえず
罪を知った
世界
眠 ....
被弾する
嫌いな食べ物を食べさせられて
氏にしてみればお菓子のつもりだろうに
小さな悪人はそこかしこにいる
善人と同じ顔をして
弾は口から入り内臓へ
そして内臓をネズミのように掻き乱し
....
あなたと一緒に過ごせば
二人だけの空気になる
誰も入り込めない空気
愛が溢れる空間
午後の陽射しが二人を際立たせる
流行の映画よりも
あまり知られていない
ひっそりとした映画を楽 ....
今夜はとっても
気持ちがいいね
と夜が星たちに話しかける
あの憎たらしい満月が
うすい三日月になってから
僕たちがいっそう
きれいに見えるね
と星たちが夜に
相づちを打つ
....
わたし、がんばれ。
ひとまえでなくな、
ひとりでなけ。
しんぱいさせるな、
たんめいにさせてしまうから。
おねがいだわたしよ、
もうすこしたえてくれ。
そのさきになにかが、
か ....
)もう紅葉も終わりだね
)そうね、後は散っていくだけ
樹間を鳥が飛び交い
灰白色の空が覗くとき、
貴女は足下の落ち葉を一枚拾い
ゆっくり宙に投げ入れる
まるで冬の初めの儀式のように ....
僕の走馬灯をポニーテールの君は駆けるだろう。
その美しいしっぽを揺らし、君は駆け抜けるだろう。
ワイパックス1錠
ジプレクサ1錠
ランドセン1錠
ベンザリン1錠
ヒルナミン3錠
そしてきみの寝息
ぼくが眠るために必要なもの
文学作品に触れようと思う人は、
知や感情に刺激を求めているんだと思う。
それはきっと、旅に出て、
見たことのない景色や
懐かしい空気に出会いたい感情に似ているんだろう。
その恐らくの ....
咲くだけしおれる花の芽をつんで
これが愛だったらいいのにねえ
わらう
バスの座席が暗く淀むから
歩いて帰る
ぬかるみを
(これが愛だったらいいのにねえ)
ぬかるみを歩いていく ....
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