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新しい季節がはじまる
暦をめくる妖精たちの声
もういいかい
もういいよ
冬いろの花壇に
陽の匂いの妖精が
舞い降りる
雲をシュレッダーに掛けたように
雨が降り出した
空に磨かれて
美しい雨が
大声でなくように
産まれるように
雪の精に抱かれて
時間を凍らせる
綺麗なまま眠り
誰か来るのを待つ
温かい指先が触れるまで
私を連れて行く勇気がある?
雪の精に誓える?
刺の意味を記した辞書を
雪の下に探せる?
....
妖精が毎晩ずっと
雷雨の夜も
凍る夜も
風が羽根を掴む夜も
いくつも季節を越えて
一つづつ運んでる
小さなバラの蕾を
ひとりぼっちの
あの子のポストに
あの子はもう一年も
....
赤いハンカチをちぎったように
嘘の花びらが積まれていく
いちばん下に隠された気持ちが
あなたに見えるかしら
妖精が色とりどりの花苞を
持ち寄って集まる
星のしずくを集めた花が
中 ....
自分が生まれた時にはもう
詩を書く人は存在していなかった
もう絶滅していたのだ
詩を体感するには
過去の詩人を探すしかなかった
遠い昔の
言葉のおにぎりは
なんと美味しいこと ....