首筋にそっと手をやり
髪をかきあげる
自分で自分を愛でるように

この街を
この地球を
そんなふうに愛していたい

多すぎる車も
せわしない人並みも
みんなみんな愛しい

枯れ ....
受精した瞬間選別される
年老いて死ぬ時にも選別される
優秀な種だけコピーしてふやす

人が生まれ人が生き人が死にます
男の数女の数もおもうまま
ついこの間カミサマが死んだ雲間

ニ ....
ココアの缶をチロッと舐め
「おいしくない。」 と
首を傾げる君 おめでとう

風船に鼻を押しあて
あらゆる角度からのぞき
「なにも入っていない。」 と
泣き出す君 おめでとう

布団 ....
○ところで皆さん!

ところで皆さん!
口を開けてください!

と、日記に書いた

書いたのは私一人
読むのも私一人
そこから先が続かずに
皆さんが口を開けて待っている

 ....
ぼくは
きみに勝ちたかった。
なにで勝てるか
そもそも勝ち目なんてあるのか
とか
考えたけど
結局いつもこたえは出ないので
ただやみくもに
きみの上に立とう
立とう

していた ....
足のないネクタイは
人の首にぶらさがって移動する
それも不便だろう
足をつけてあげると
嬉しそうに部屋をかけまわり始めた
帰ってきたら
スキップの仕方を教えてやらねば
今日も足のつい ....
月が青いのは
自分がロマンチックだからではなく
痛いと泣くこともなく
誰かと話すこともなく
ただ自分に戻るからだ

看護婦さんのピンクの衣装と
姪の持ってきた黄色いバナナで
ときどき外 ....
飾り気のおおい言葉やすがた
絵画や音楽が
人間にはなんと
奇妙に映ることだろう

眼に浮かべた悲しみは
人間の四倍

君の言葉のひとつひとつが
僕にはるかな記憶を喚起させる

僕 ....
こののっぺりとした皮膚の
まあるく空いた黒い空間は
だまってゆっくりあなたを吸い込んで
肺にとどめて気持ちよくなるはずだった

もったいぶって持ってかえって
夜のベランダの下や
明け方の ....
熊が黄色いわけねえだろ


確かにそうですが
それがどうかしましたか
急に強く引っ張るとあなたは簡単に絡みついた

好きといったからこのあたしのあれは疼いた

最初は朝
そっと見るだけでは足りないあたし

数年前からあなたはわたしの中に入る
恋人愛人そん ....
冬の短い昼の合い間に
日の当たる草の上で
寝る黒猫
りんごあめ かってよう

いけません あなた いつだってたべきれないでしょ

きょうは ぜんぶたべるもん

じゃあいちばんちいさいのにしましょうね

や いちばんおっきいの

どう ....
寝返りをしたら
ごめんねと言われたので
うんと言った
ああ そうだ
とびきりのイイ男の彼氏と寝れば
マニキュアの爪を
しげしげとながめたりする

ミネストローネをすすって
口紅つけて ....
私はあなたを失いたくないと
思っていたけれど
あの頃 あなたを失えるのは
確かに私だけだった

私はあなたに
遠くになんて行って欲しくないと
思っていたけれど
あの瞬間 あなたを遠くに ....
長いこと沈黙していた
アスファルトの隅で
地面のざらざらの下にある
本当の地面を思って

空の底には
まだ底がある
底の底は
地球の裏側の
空の底

夕暮れ
ノアの箱舟に
オ ....
天使のようにすんだ青い空
みあげている目にうっすら
涙がにじんでわかいみそら
浮世に見捨てられ上のそら

オレンジのように光る大地
いつもいつもゆれてる位置
だからいつもひとりぼっち ....
変わった面構えだ。
へんてこりんなその顔は
エンマコオロギを見慣れた目には
ほとんど奇形に見えるくらい。

ミツカドとはいうけれど
確かに三角といえば三角だけど
角張った顔は
ミツカド ....
1/7

となり町まで歩いていく。
交差点で人がオートバイに跳ねられるのを見かける。
スローモーションで再生はされなかった。
帰りは地下鉄に乗った。
人がオートバイに跳ねられるのは ....
一杯の珈琲から恋が生まれることがあるなら
それが一杯の中将湯であったってかまわないに違いない
もちろん玄米茶でも胃カメラでもゾウリムシでも
かまわない筈なのだがなぜか恋の原因となるのは珈琲であり ....
やおよろずの神さまは
ぼくになにをくれたんだろう
その前に
なにかくれるときって
神さま一同からもらえるのかなあ
せっかくもらうんだから
ひとりひとりからなにかをもらいたい

おもう ....
ぼくはバクに
夢をたべられてしまったよ
ぼくの
枕元にいたバクは
めやにばかりの目に
うっすら涙をためながら
こういったんだ
いただきます
ひっそりと
いただきますといわれてしまって ....
  夕焼けが足りない 一○
 


 これで最後ですよ

と通達された

 あなたのための夕陽はもう残っていません


どうやら
流行りの成分のひとつで
許容摂取量も決めら ....
私ノ耳ハ鋭イないふデアル
貴方ノ言葉ヲ切断シ解剖スル
私ノ指ハ尖ッタぴんせっとデアル
貴方トイウ存在ノカケラヲツマミ
冷タイしゃーれノ上ニノセル
マタ私ノ瞳ハ敏感ナ電子顕微鏡デアル ....
ここから逃げ出せる強さがほしい

見上げれば終わりを見たこともない
私がいる
忘れようもない青は
心にイタミを覚えさせる

枷は外せない
人はトラワレ
風のようには泳げない
この魂 ....
水道水の透明
汚れた手の黒さ
とめどなく流れる黒を見送ると
私の手にはもう何も残っていなかった

蛇口を捻り透明を消すと
最後の黒が去って行った

肌色だけの手が
気持ち悪くて

 ....
    ──またの名をアナグマ。


(ムジナ暦:何が起こったか)

0年:ムジナ誕生。
   誕生の経緯は不明。全くの突然に現れる。
   この頃は名前がまだ決まっていない。
    ....
むかしある男がいた
異国の都市に行って
いい女にめぐりあって
恋の虜になった

裸の女をだきしめた
あまい時がながれて
つらい涙をながして
盲目の奴隷になった

海峡に黒い風が ....
漆のように黒い闇が無限にひろがる宇宙の
おぞましい永遠の闇また闇の中に白い服が
浮かび小さな一点の眼がみつめる青い星の
なんという美しさ神様あれが人類の隠れ家

それにしてもあれは何だろ ....
太陽に 染まる ぼくの 肉体
川面を 流れる あおい 餓鬼
都市に 浮かぶ ぬれた 眼帯
山河を 巡って 届いた 葉書

混沌の くらい 大地を 覆い
溢れる 人々は 互いを 叩き
異邦 ....
KEIKOさんのおすすめリスト(160)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
「_いとしさ_」- 椎名自由詩204-2-16
新世紀- 狸亭自由詩504-2-11
三つができる日まで- 湾鶴自由詩5*04-2-10
小詩集「なんでだろう」- たもつ自由詩1704-1-24
バナナを買って、帰ります。- かなりや自由詩204-1-2
ネクタイ- たもつ自由詩904-1-2
瞼閉じて病床- 山内緋呂 ...自由詩3*03-12-30
動物- そう自由詩203-12-30
くちびる- dendrocacali ...自由詩203-12-30
ぷーさん- ミサイル ...自由詩503-12-30
惚れた無機質- 暗闇れも ...自由詩1*03-12-30
冬の昼の黒猫- 半分自由詩203-12-29
りんごあめ- かなりや自由詩503-12-29
深紅のペディキュア- 野島せり ...自由詩4*03-12-29
壁のない部屋- 野島せり ...自由詩3*03-12-29
球形の休憩- 岡村明子自由詩403-12-29
透明な平目_2- 狸亭自由詩203-12-29
ミツカドコオロギ(百蟲譜14)- 佐々宝砂自由詩303-12-29
だんだん無感動になってゆく- Monk自由詩1003-12-29
一滴の珈琲から- 佐々宝砂自由詩303-12-28
やおよろずの神さまが- かなりや自由詩203-12-27
バク- かなりや自由詩403-12-27
夕焼けが足りない_10- AB(な ...自由詩603-12-27
量子力学- 佐々宝砂自由詩303-12-27
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罪に濡れた手- りぃ自由詩103-12-22
同じ空のムジナ- 黒川排除 ...自由詩503-12-22
ソネット- 狸亭自由詩203-12-19
いまでも地球は青いの- 狸亭自由詩503-12-18
肉体- 狸亭自由詩103-12-12

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