しずかだとおもうほど
わたしはここにいたいわけではない

となりにすわるおとこと
たわいない会話をかわしながら
わたしはよいを隠している
すきだとかあいしているとか
ねたいとか
そんな ....
絵描きの描く肖像画は
どれも本物と見間違うほどの
素晴らしい出来映えだったが
どの絵からも
顔の構成品がひとつだけ欠けていた
片目の瞳だったり
上唇だったり
耳たぶだったり
必ずどこか ....
曇り日の
凪いだ海に漂う
うつぶせなサーファー等の上に舞う
アホウ鳥の{ルビ呑気=のんき}な飛翔を眺めつつ

{ルビ理由=わけ}もなく
「にたぁ」とほほえんでみる

僕は
もう
疲 ....
波立って
静まるように
心に浮んで 
消えた言葉
足跡が
行ったり 来たり
来たり 行ったり
続く砂浜は
潮に濡れて
――見失った
ネギを買いそびれて
僕たちはネギの話ばかりしていた
こんなに真剣にネギの話をしたのは
何年ぶりだろう、なんて

今でもネギを見ると
あの日のことを思い出す
だから僕は
ネギを食べなくな ....
おやすみなさいとゆめをみない
おはようとめがさめない
こんにちはとてをふれない
さよならとふりむけない
しらないうちにわたしは
がらがらごえのばばになり
ひとりきりでさくらのしたに
ねむ ....
冬の夕日が銀色に光る
熱に潤んだ眼がさまよう
四十九年間 無休で働き続けている心臓が
高鳴る
料金が足りませんからと
窓口の向こうの若い局員は不機嫌そうな顔で
茶筒みたいにふくれた封筒をつき返した
そりゃあ、足りないのは僕の落ち度ではあるし
深夜勤務の彼にはちょうど今頃が
一番眠たい ....
それははちみつのいろ
きんいろにかがやくアスファルト

カーブの手前
かげのように
染みがきえない

きえないでいる

からすの世界はあかむらさきで
いいものだけ光ってる
たとえ ....
隣りでは君の咳が止まらずに
ウイルスが部屋中に降り積もって
負けじと僕も僕のウイルスを飛ばしながら
お互いのウイルスは僕らと同じように仲良くしてるのかなんて
そんなこと
ど ....
妻と相談して
家にエレベーターを取りつけることにした
けれど、取りつけた後で
この家には二階も地下室も無いことに気が付いた

ボタンを押すと
チーン
と音がして扉が開く
上にまいりませ ....
濡れズボンが風にそよいでいる
明日ごろまで生きていれば
多分それを穿くわたし
ねえ
あそこに流れていくものを
いつから雲だと知ったの
なんの特徴もない女が
シャンプーのつめ合わせ持ってやってきて
さっきからうちの風呂場で
シャンプーの中身をつめ替えていて
僕は黙って後ろから性交し
女の中に白い精液をつめ込んだ

 ....
今スグ楽にして
今すぐに
赤い地獄から逃げ出したい
いっそ逃げ出してしまえば
それがシアワセ
喘ぎ声は前奏曲
叫び声は協奏曲
耳を目を躯を貫く
今スグ壊して
今すぐに
ココハ永久ナ ....
嫌いな奴にぶつけてやりましょう。 ぼくの愛する人 ぼくの恋人よ
きみの歯が入れ歯になるまでの{ルビ一世=ひとよ}
その時までずっと一緒に居たい

あの遠い山宿に生まれた期待
かぎりなくつづく田舎道の散歩
きみの部屋でともに ....
「うみ」
と書けば
白い波が寄せて返し

「そら」
と書けば
どこもでも青く

「もり」
と書けば
木々が香り

「とり」
と書けば
それは翼をもって飛びまわり

「ま ....
彼女に歌をつくってあげたかった
とってもスウィートでハートフルなやつを
彼女のためだけにつくって
彼女のためだけに歌いたかった

プリンの歌がいいな
うん、いいね

僕はノートに詞 ....
僕らはお互い誰かの手垢のついた体で愛し合う
それを承知で愛し合う
混雑時の宝石屋のガラスケース
満員電車の窓
誰の手垢がついていようと責めたりしない
これがルール
今ふたりが愛し合うことに ....
母はツヨシというけれど
本当に妹はツヨクなった
もともとシッカリした奴だったが
3月に長女を生んでさらにタクマしくなった

私の方はと言えば、少しは大人になって
社会の仕組みもわかってきて ....
私、昔から忘れ物をよくしましたわ
給食袋、体育官シューズ、宿題、傘・・・数えだしたらきりが無いほど
それに最近色々と
忘れている気がしたりもするの
ガスの元栓?家の戸締り・・・?
あらあら
 ....
花はいつか咲く。雨はいつか止む。大衆はその言葉を信じた。
桜もいつか散る。君も僕もいつか死ぬ。現実はそう答えた。

いいか、死とは旅立つことじゃない。無くなる事だ。
僕は言う。目の前にいる無知 ....
僕には心から大好きな人がいた
彼女の大好きな花は勿忘草
春から夏に咲く地味で可愛い花だ
なんだか少し彼女と似てたので
彼女と一緒に僕は勿忘草に恋をした
豪華でもないし 
綺麗でもないけど
 ....
幸せは不安の裏返し

だって
幸せになればなるほど
別れがくるのが不安でしかたがない

君がそばにいてくれるのは
確かにそうだけど
いつまでそばにいてくれるのか
不安でしかたない
 ....
きれいな三角形の甘いスイカのてっぺん
ちょっぴり齧ってみた    
・・・甘い
ちょっと固くなった食パンの角
ちょっぴり齧ってみた    
・・・香ばしい
小さい時から手放せないウサギの縫 ....
郵便受けの中は、今朝も空だった。
配達の人が間違えたのかと思って、
隣の郵便受けも、下の郵便受けも覗いた。
どの郵便受けも全部空だった。
僕は配達の人が間違えないように、
211号室 坂本と ....
願っても、願っても、
形がなくて。
訴えても、訴えても、
不器用なだけで。
頑張っても、頑張っても、
見返りがなくて。
でも、
あつくて、あつくて、飲んだ校庭の蛇口の水は、
何よりも美 ....
さらばわかめよ
さいの目の豆腐よ
鰹よりも昆布よりも煮干のだし汁が
行平の片手鍋の中で
煮えくり返るその様よ
天然ガス13Aは
ハイカロリーバーナーより青白く燃え盛り
今まさに妻は夕餉の ....
聞きたい。
聞きたい。
聞きたい。
例えば「大嫌い」、
例えば「今さら」、
例えば「迷惑なの」、
どんな言葉でも構わない。
あなたの声がもう一度聞けて、
その時、受話器の向うにあなたが ....
会いたくて、
会いたくて、
会いたくて、
会いたくて、

友だちに車借りて、
慣れないナビを操って、
半日かけて、
君が働いているはずのお店まで来た。

僕は、
珈琲を三杯飲んで ....
KEIKOさんのおすすめリスト(160)
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ネギ- たもつ自由詩1603-10-30
しらないうちに- 竹節一二 ...自由詩603-10-30
風邪- 狸亭自由詩103-10-28
Please_Mr._Postman- 山田せば ...自由詩24*03-10-28
いぬ- 林帯刀自由詩1203-10-17
ウイルスの夜- いとう自由詩16*03-10-14
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明日ごろまで- たもつ自由詩903-10-14
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永久地獄- 天風澪自由詩203-10-11
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恋人よ、君の入れ歯が見たい- 狸亭自由詩303-9-19
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プリン- たもつ自由詩6*03-9-16
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物忘れ- 暗闇れも ...自由詩303-8-11
死と僕- 神樹自由詩203-8-11
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会う権利は、もうないから。- 恭二自由詩303-8-3
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