小さな火種はやがて
大きく育っておもいのほか
はげしく燃えるものだから
たじろぎ
あとずさりしたボクを
キミはすこし笑った

よく燃えるね
木と紙でできた家だからね
それに……
怒 ....
夜がすっかり明けて
なにもかも
とりかえしがつかなくなってから
あちらからもこちらからも心優しい人々が
花を抱えてやってきた
涙を流し祈りをささげた

いつもそうだ
愛されていた人が
 ....




外が言う聖域なき改革に
少し笑ってから
だれにも教えるつもりのない
ひとつのメールアドレスを
登録して機能させる
(そこはサイバーエリア)
(そこは賃貸住宅) ....
     夕餉が終わると皿を洗い
     油や醤油で汚れた台所を
     布巾でぬぐう
     鍋も皿ももとの位置に戻し
     静けさと落ち着きを取り戻す
     風呂を ....
風が突っ走って往く
いつか追い越して往った風たちが また
地吹雪は踊る 白いベールを靡かせて
渦巻いては解かれ素早くさらわれる
終わりなく交わされる遠吠え 
異言の霊歌 あるいはレクイエム
 ....
蛇口が
みずうみにつながっているように
蜜柑は
五月の空へつながっている
かぐわしい白い花
まぶしい光に
雨だれに
ゆっくりと過ぎてゆく雲に

蜜柑をむくと
その皮は
しっとりと ....
キムチトーストにはまっている
いまさら短時間高収入の仕事に就くすべもなく

ちぎられた時間のなかでファーストフードならぬ
簡単な食事と全自動洗濯機
電子レンジとオーブントースター
せまい部 ....
天国はまいにちまいにちたのしくて善人ばかりのおそろしい国

使い捨てやいばばかりがふえていく捨て方だれかおしえてください

犬の背のオーストラリア大陸が明日も平和でありますように

明け方 ....
また舞う 雪に
    Sidoro-Modoro
         ふたり とろけ
    ながれる 春 の
           跳ね る 
       日差し は
  音 ノヨウニ ....
指で感じて
頭で捏ねくり回して
指で嘘をつく

唇で感じて
頭で探し切れず
唇で誤魔化す

背中で感じても
頭は留守で
背中は語れない

爪先で感じても  ....
虹色のセキレイが飛ぶのは
深夜だけと決まっている
この街は朝が早過ぎて
人々は象形文字を象るように雑踏を行き交い
必要があれば空を見上げる
雨垂れが首筋を打ったとか
紫外線予防にぬかりはな ....
知的だね、と呼ばれてみたい宇宙人明日来るかもBOSS買いに

母ひとり、具だくさん

猫の手の嘘つき

周りますとも公転周期二万年意固地すぎますプラネットナイン

破瓜を超えても月ひと ....
無い背筋を伸ばし
まな板の上にぬっと立つ 
おまえの
下段から冷たく射るような
視線――まったく読めやしない
包丁を握り
ジリジリと
間合いを詰める
――突然
ながい触腕(しょくわん ....
   あれは空だろうか
   それとも海だろうか
   わたしが欲しかったのは
   あの青だったのだ
   体中の骨を関節を筋肉を
   すべてを伸ばし
   掴もうとす ....
     木々は裸に剥かれ冷たい風に
     枝先を震わせている
     白いベンチは錆ついて
     今はだれも座るものもない
     緑の葉が深呼吸を繰り返す
      ....
生きることの最果てには
哀しいことだけれど
とても深い孤独さえあって
少しでも幸せに
生きることが
生きた証として
残れば嬉しいのだろう
それが人間の運命と云うもの

そう誰かに愛さ ....
 
火葬がいい

わたしを構成していた炭素原子はリサイクルされ

その二酸化炭素が空へ散布されるのだから



 
あの日瞳に映った空は
きっと君のどこかに仕舞い込まれ
ときおり顔をのぞかせ驟雨となって
だれかに降り注ぐのでしょう

こころと身体は不可分です
ホイットマンが僕のどこかに
宿っていて欲し ....
じゃりじゃり、
雑踏をかみしめる。
私の口のなかは、
色々な音で異臭を放っている。

あなたの声は、
とっておきたくて、
まだ白いお皿の上においてあります。
あなたの声は影のように、
 ....
見つけられないものを探している
とっくに失くした何かを
例えば棚で眠っている本に挟まって
頭を覗かせる封筒
歳月に黄ばみ
だが秘められた部分は青白く
ほのかに
呼吸して
机の上で宛名を ....
脚の細い象の背中で
ユラユラしている私の
広すぎる糊しろは
饐えた臭いを放っていた

何も企てない午後を
ユラユラ生き延びた私の
丸すぎる背中には
錆びた罪が生えていた

心地 ....
くずれた均衡
その静かな吸引力に
はく奪されるわたしたちの人格
キュビズムから滅びの兆しを嗅ぎとる、影の
わたしたちが歩く
男女の別なく
客も、客引きも
リードの犬と同じく
たっぷりし ....
藁葺きの小屋であれ
コンクリートのビルであれ
その四隅にはたぶん、
柱がある
その柱の向こうは、果てがなくて
やがてどこまでも丸い大地を離れ、成層圏をぬけだして
宇宙という名の空間をゆくこ ....
光と冷気が青い燃料だった
破れた財布から千円札を出して
印鑑ケースとノートを買う
郵便局には月に一度往く
記憶喪失の犬みたいに
今も雪原から突き出している
枯れ果てた雑草を見ていた
夏の ....
トイレで赤い卵を流したあと冷蔵庫から野菜ジュースを取り出そうとして
玉子を床に二つ落として割れてしまった。かろうじて玉子の形をとどめた
まま中身は放り出されなかったので、フライパンで割れた玉子を溶 ....
花粉も埃も取り去った無菌室で
くらしていますが
危険はどこかに潜んでいて
いつも隙をうかがっているのです

みがききぬかれた手すりが
不思議なことに
摩擦をなくしていたり
すべらないゴ ....
 
あやういわたしは

だだをこねたところで

やはり、あやうい


 
のばしすぎた、
左手人差し指の爪が、
引き裂くのは、
私という、
骨を持たないビニールの肌。

人差し指が描くのは、
未知という過去で、
私のいない、
ただ私の香りだけを響かせた
 ....
ここに旗はない
風に弄られ立ち竦むのは
他の何者でもない
東も西も南も北も
微笑んでなんかいない
ただ巡る風の音が
埋まらない空白を告げている


ここに旗はない
足跡は辿らない
 ....
なんとなく
気配を感じて振り向くと
君は精一杯まん丸い目をして
じっとこちらを見つめていた

一番好きな映画の
一番良いシーンを横目で追いながら
僕は君の真っ直ぐな視線に負けて
し ....
鷲田さんのおすすめリスト(306)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
春の焼失- そらの珊 ...自由詩1316-3-4
少年の夜- Lucy自由詩14+*16-3-3
@mail_(生体反応の設計)- 乾 加津 ...自由詩10+*16-3-3
漂白のとき- 石田とわ自由詩12+*16-3-3
冬風人- ただのみ ...自由詩16*16-3-2
蜜柑をむく女- そらの珊 ...自由詩21*16-3-2
途上にて- 梅昆布茶自由詩1316-3-1
世界の果てであやとりを- そらの珊 ...短歌1216-2-28
白裂――WHITELOTUS- ただのみ ...自由詩13*16-2-27
ポンコツ- nonya自由詩16*16-2-26
◎セキレイの行方- 由木名緒 ...自由詩916-2-26
第九惑星_2016- たま自由詩17+*16-2-25
活イカ- ただのみ ...自由詩19*16-2-24
青になる- 石田とわ自由詩16*16-2-24
錆びたベンチ- 石田とわ自由詩13*16-2-22
花束の季節- りゅうの ...自由詩11*16-2-22
空へ- 殿上 童自由詩19*16-2-22
ミッション- 梅昆布茶自由詩2116-2-21
こえ- あおい満 ...自由詩1216-2-21
ファントムペイン- ただのみ ...自由詩17*16-2-20
ユラユラ- nonya自由詩19*16-2-20
夕暮れ- 乾 加津 ...自由詩13*16-2-19
宇々のひと- たま自由詩13*16-2-17
前触れ- ただのみ ...自由詩15*16-2-17
黒い手袋- 為平 澪自由詩1116-2-15
塀の中が生きる世界の全てだとしても- イナエ自由詩16*16-2-15
あやうい- 殿上 童自由詩12*16-2-15
声のない唄- あおい満 ...自由詩616-2-14
ここに旗はない- ただのみ ...自由詩17*16-2-13
君が教えてくれた- nonya自由詩23*16-2-12

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