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薄曇りの空を浴び
錆びたトタンが発色する
剥げかけた というよりも
薄い金属の表面を
浸食している赤ペンキ
腐蝕しながら
守るべきものを阻害していく
かつては輝きそのものであり
....
まわり続けていれば
倒れずに
ほそい息を繋ぎ
うたうことさえできそうで
こころなくして
忙しくまわり続けていられさえすれば
支えてくれた背骨の芯も
とうに抜け落ち
まぼろしだけだと ....
ガラスのように光るその蛇は
青草の影を躰に映し
すべらかに移動していた
怖くはなかった
わたしを無視して
まっすぐ母屋に向かっていくので
なんとか向きを変えさせようと
木の枝で
行く手 ....
黒焦げのアカツメクサを労うように
レースフラワーが風に揺れ
夏が終わると歌っている
排気ガスまみれの分離帯にも
芽吹いた種は繁らせた
波打つ夏の色
色褪せた空のキャンバスに
ぽたりと ....
大人になると嘘つきになると
思っていた
正直に生きようとして
棘だらけのつる薔薇みたいに
剥き出しの自我を絡めあい
傷つけあった
あなたとわたしは同類
どうしようもなく我儘で ....
「消えやがれ」って
言われた言葉を反芻してると
いっそ
消えてしまいたくなる
いやいやそれでは敵の
思うつぼ
「消えるもんか」って、
頑張るものだよ普通って
言い聞かせてみるけど
そ ....
寂しいから寂しくないふりを
しているなんてお見通しなの
寂しくないならどうして
そんな限界集落の無人駅に
会いに来ないかなんて言うのよ
あなたの孤独を映し出す
鏡のように澄んだ湖はもう ....
夜がすっかり明けて
なにもかも
とりかえしがつかなくなってから
あちらからもこちらからも心優しい人々が
花を抱えてやってきた
涙を流し祈りをささげた
いつもそうだ
愛されていた人が
....
ある時
私は気がついた
私は
鳥ではなかったと
羽ばたき方も
囀りかたも
思い出せない
確かに
飛んでいたはずなのに
しなやかな翼に風をはらんで
束の間の夕焼けに
淡く染 ....
幾億粒の{ルビ眼=まなこ}が煌めく
夜の底
磁気に繋がり
流れを描き
脆く途切れ
こぼれる様を
見ているようで
見ていない
視線の針が交差する
決して出会うことはなく
跳ね返る ....
ビーズのように
煌めいてみえるから
私は掬う
その場しのぎの
粗い笊で
泥水みたいな夜のそこ
横切っていく
言葉の川
掬い揚げたら一層輝きをまして
ただの小石が詩のように光る日もあっ ....
母から聞いた遠い日の思い出話です
貧しい農家だった父と母は
農耕馬に馬橇を引かせ
町の市場へ暮れの買い物に行きました
正月のための食材を買い
家族の冬のビタミン源として
おそらく当 ....
渇いた落ち葉を踏んで歩いた
湿ったアスファルトに
暗い空から
時折雪がこぼれてきた
かじかんだ手で傘の柄を握り
歩いたことのない道を選んで
なるべく迷子になるように
帰る方角 ....
鷲田さんのLucyさんおすすめリスト
(13)
タイトル
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カテゴリ
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日付
ページ
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Lucy
自由詩
10*
17-8-31
独楽_―_立原道造「逝く昼の歌」に寄せて_―
-
Lucy
自由詩
5*
17-8-28
優しい人
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Lucy
自由詩
18*
17-8-26
労い
-
Lucy
自由詩
18*
17-8-21
同類
-
Lucy
自由詩
13*
16-10-30
「消えやがれ」って思われてるんだなっていう思いをずっと転がし ...
-
Lucy
自由詩
11*
16-10-28
白のブルース
-
Lucy
自由詩
20*
16-9-29
少年の夜
-
Lucy
自由詩
14+*
16-3-3
冬のうた
-
Lucy
自由詩
13*
16-2-7
流星雨
-
Lucy
自由詩
24*
16-1-6
ビーズ
-
Lucy
自由詩
21*
15-12-28
林檎の思い出
-
Lucy
自由詩
15+*
15-11-21
散歩《2015年11月18日》
-
Lucy
自由詩
15*
15-11-18
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