冬に聴く
チェロのソナタは
暖かく
珈琲すすり
窓を眺める

公園の
ベンチにすわり
病葉を
ひとひらふたひら
かぞえるまなこ

わが書斎
森林のように
わけいりて
記憶 ....
 
私は
想いながら
   死んでゆく。


喜びに包まれた名を
明かすことなく
内なる焔は
ひかりよりも

まばゆい。


噫、
おもはざるひの無ければ
かぜの音にき ....
宇宙の底から重力が持ち上がる
月は半身の影武者
その肩が抱く光を受けて
私達は夜の深淵を歩くことが出来る
亀裂を伴った果実は秘匿を香らせ
罪の熟成を誘う

勝ち得た絆は
染まらない無垢 ....
鴉の声が窓ガラスをすり抜け
ベッドに潜り込んでくる
戸外では新しい世界が始まったらしい

部屋の中には 
昨夜 
掘り返した青春が 
アルコールに萎えて床に散らばり
描き上げた明る ....
あなたは今、
いろいろなことばの海を
旅したいと思っている。
そこには淡い色の薔薇の花束のブーケだったり、
あたたかな木のぬくもりの漂うキッチンだったり、
そんな風景が香ることばを探している ....
スイッチだ日常の点けて弄ぶ消しても眠らない
壁を這いまわる夜にふやけた未発声の《》は過呼吸のまま乳房を求め
夏の光に目隠しされた幼い逢引と声の影法師
皮膚下の水脈を辿る山椒魚のふるえ蔓草が覆う戦 ....
見えない夜の身代わりに
川は蒼く蒼くなり
金いろの径を従えて
海へ海へ落ちてゆく


けだものは居る
けだものは居ない
曇の十字
光の前の小さな羽


隙間 ....
パチンパチンと音がする
シュンシュン シュンシュン、音 響く

半端な冬の夜半過ぎ
黒ずみ弾ける二股鞘と
剥き出される真っ赤な種子
街灯に照らされアトランダムに
蒼い地面に撒き散らされ
 ....
かつおぶし
削るおしえ
朝めしの
祖母の記憶に
明日の味をしる

糠漬けを
手繰る指先
塩まぶし
茄子と胡瓜に
美味くなれよと

味噌汁に
玉子を入れた
母想う
風邪をひ ....
スタッ スタッ スタッ

大きな白いイキモノが用水路を移動して来る。
僕は思わず沿いの遊歩道に立ち止まる。

スタッ スタッ スタッ

水かさは30㎝程、幅約1mの用水路を、そのイキモノ ....
生きている人は傲慢だ
やすらかに眠ってください、とは
あたしらへむけての言葉だと思うけど
ほんとのところは
生きている人のための言葉なんじゃないか
そもそも死んだ人が眠ると決めつけてんのは
 ....
体は腫れ上がり冷え切っている
のに
魂は熱く燃えている
のが解る
俺はオマエを欲し彷徨う獣ノイズ
いよいよ遠退くオマエを
この世界の地平で

酸素だけでは生きていけない
 オマエは澄 ....
こころもとなくなる
ここを歩いているといつも
どうしてか
砂地には
足跡は残せず
一本の根さえ張れないと思うのだ
ほってごらんと
父は言った
ほりだすそばから
哀し水がしみだし
確 ....
汚れた床に落ちた埃は
身元不明の死体に似ている
掃除機をかけて横たわると
失われた影だけが見える


固定電話が久しぶりに目を覚ます
でも答える前にベルは ....
足の爪に
塗っておいた海が
夏のどこかへちぎれて消えた

地図の上をなぞる指が
コーヒーの匂いをたどって
最果ての島に着く

ふと顔を上げれば
見慣れた街並み

寝過ごした朝のよ ....
細胞を解剖してみたら
電子の奥に宇宙を観た
巨大な世界の果てを知り
微細な宇宙を知ったいま
ぼくは永遠の生命体に慄き
摩訶不思議に埋没する

果てしない命を奪いながら
生きている矛盾に ....
森の向こうに空があり
 私の思考が蠢いている
  地水火風はその中で
   好き勝手に踊ってやがる
    私の感情の底の哀しみ溜まり
     虚脱の寒気はいや増すばかり
      自 ....
           151210
青い青い海
これ以上の青さは無い
深度30メートル
これ以上の青さが無い
暁時の空
群青色に染めた僕のTシャツ
焼き物の世界に入り込んだ痴れ者をぶん殴 ....
小さな街を歩く
通勤快速や急行は止まらないような街。

偶然賃貸住宅のサイトで見つけた。

駅前はこの前グーグルアースで見て回ったけれど。
名前すら知らなかったような、
そんなそんな ....
木場うまれ
浅草うまれの
祖父母には
戦火に焼かれ
写真さえなく

十六代
飽きた東京
捨てもせず
山の緑に
憧れるいま

木を削る
鉋もいまは
本節を
削る手のひら
 ....
物欲の塊は
妻から針金のような注射をされる
少年の頃のように
怖いわけではない

チクリと刺されれば
それで済む

反省の無い猿以下のぼくは
飽くことを知らない
留まるところを知ら ....
書きたくないねえ
なんだか 自分の死を待つようで

あんたが死んだ後の片付けだと
どうすりゃいいか分からんってか
死んでから見張っていられるでもなし
とやかく言うたかて

訃報を出すと ....
落ちては掃く
落ち葉の

落としては掃く
落ち葉の
だれでもない
わたし

日暮れの
空の
落とされては掃く
落ち葉の

だれでもない
わたし

だれかが
どこかで
 ....
岩山の岩壁の岩棚に
産み落とされたぼくは
産声もあげず
銀の龍に鷲づかみされてしまった

遠い記憶の底

あれから言葉など誰も教えてくれなくて

ぼくは誰とも話などしたことは無い
 ....
残響、
生まれ絶えることなく
静謐循環回帰スル物質の界

透明な音の響きの渦に呑み込まれ
感情は濾過され
音の響きは音の響きを引き裂き残響
鋼鉄を叩き合い振動増幅し震え震え
宇宙の深淵 ....
コインランドリーで千円札を崩す目的で買う定価の炭酸飲料を半分飲んだら半分崩れていく
退屈のカタチに色褪せたジーンズの右ポケットで縮こまる銀河
音のない戦争がはじまる
担架の上できみ、いや、ぼくは ....
平和と愛は無関係なんだってこと
平成時代になってやっと思い知った
人類がわたしです

ヘリコプターの音を聞きながら
食べる 野菜スープのあじと
安定しなさいと言って
聞かせる平らな親の目 ....
 

ゆけなかった

ひび割れた空のかけら
拾い集めて
黒曜をながした月光
あなたのような
静謐
いだかれながら
緩やかに枯れてゆく
水底の
片羽根なくした
蝶を

想っ ....
できの悪い推理小説のプロット
夢の死に絶えたファンタージェン

造物主のいない創世記  
すべての夢がわずかな因果の隙間に託されるなら
いつもつまずいている僕はニッチな日雇い漂流生活者

 ....
鼻が咲いている
といって言葉遊びではない
ほんとうに咲いている
鼻血が出る
といって垂れてくるのではない
溢れ出てくる
溢れ出て
止めようもなく
はな
はなはなはな
川辺は静かで
 ....
鷲田さんのおすすめリスト(306)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
歳の瀬- レタス短歌3*15-12-19
Hallelujah- レモン自由詩29*15-12-18
◎思惟の惑星- 由木名緒 ...自由詩11*15-12-18
宴の翌朝- イナエ自由詩14*15-12-17
大樹- あおい満 ...自由詩14*15-12-16
スイッチ- ただのみ ...自由詩16*15-12-16
夜の行方- 木立 悟自由詩515-12-16
街路野木の夜- たけし自由詩815-12-16
記憶- レタス短歌315-12-15
在る_ということ- たけし自由詩8*15-12-15
風の伝言- そらの珊 ...自由詩1715-12-15
裸魂懇願- たけし自由詩715-12-14
砂浜- そらの珊 ...自由詩1915-12-14
光線の名残- ホロウ・ ...自由詩4*15-12-13
ペディキュア- ガト自由詩17*15-12-13
人体宇宙- レタス自由詩715-12-11
麻痺- たけし自由詩6*15-12-11
- あおば自由詩7*15-12-10
知らない街- 自由詩7*15-12-10
ご先祖さまに- レタス短歌115-12-10
まるで駄目男- レタス自由詩215-12-10
遺書?- イナエ自由詩11*15-12-10
オルガン- たま自由詩1515-12-8
仙境- レタス自由詩515-12-8
楽_音- たけし自由詩8*15-12-8
26歳の風景- もり自由詩4*15-12-7
食べすぎなんじゃないですか- ユッカ自由詩815-12-7
うつほ- レモン自由詩29*15-12-7
季節はずれの蜃気楼- 梅昆布茶自由詩1515-12-7
- 春日線香自由詩215-12-6

Home 戻る 最新へ 次へ
1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11