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きょうは鶏祭りだ
去年の祭りからずっと 待ちに待って
ぼくらが普段口にできるのは
食用苔と粘菌くらい
今夜だけは腹いっぱい肉を食べれるから
大人も子供も
みんな嬉しくて嬉しくて


 ....
幼い頃には特別な場所が在った
古い石橋のたもとだとか
椿の大樹の根元だとか
石垣のちょっとした隙間など

ぼくはそんな処に
緑色や赤や青い水晶の欠片など綺麗な石を
お供え物のように隠した ....
(この男、殺したい )

私がはじめて、
胸のなかにナイフを握ったのは、
まさにこの瞬間だった。
その男は私に出会うやいなや

(アオイサンテ、
ソノ足ハ障害ナンデスヨネ、 ....
石ころ蹴って草をちぎりながら歩き
空を見上げながら喉を鳴らす

道を歩いている時
可愛らしい女性とすれ違うほど
苦痛なものはない
挨拶をするのも変
だが目線の置き場に困る

日差しで ....
自分のからだを抱きしめてみる
季節が逝こうとしていているから?
いいえ
この借り物のなかで
巡り巡っているものの温かさを
確かめてみたいから
けれど取り出したとたん
あっけなくそれは
 ....
新年 開けて、街 静か
枯れ葉サクサク踏んで過ぎた森も
川沿い遊歩道歩く人達も
静けさの透明瓶底を
斜光に照らされ輝きながら
無音無音、また無音
無音、青く濃くなる天蓋に
包まれ私はベン ....
2015年がもうすぐ終わる
2015年は死んで過去になるのだ
2015年は1月1日に生まれ
2015年は12月31日に死んで往く
2015年の寿命は一年と定められている
2015年の前の年も ....
かわいた裸につめたいドレス
あなたの肢体の隙間を縫って
透けて見える 十二月の行進

こっそり口を開いた嵐だ
札束を数えるように
耳を裂く静寂を値踏みして

時間が止まって感じるなら
 ....
男たちよ
ふんどし締めて
大宇宙に挑戦するのだ

女には無い
力を突きつけろ

生きて
生きて当たり前

どうせ死ぬなら

強烈な生命を燃やしてみろ

何でもいい
たった ....
人類史上最大の大戦争の第二次世界大戦は
1939年~1945年迄の6年間で行われた

昭和天皇に向かい皆「天皇陛下万歳!」と声を上げて
我が日本が勝つ為に特別攻撃隊も命を投げ捨てた

19 ....
国道から路地ひとつ入ったその商店街はかなり古くからあって、そこそこ人通りも
ある。だがしかし交通の便が今ひとつ。圧倒的集客を誇れるようなキーテナントも
なく、それゆえだんだん寂しいことになってしま ....
真夜中に映し出された、
渇ききった林の奥の瞳は知っている。
ほんとうは、
誰にも何にも、
降る雨などないということを。
それは与える愛ではなく、
誰の胸の奥に必ず咲いてしまう
甘ったる ....
君が手をあげて
頬を打った、訴えた、ギミミミ ミ
海峡も凍る、冷たい身体
薄い刃
三本の裂傷
赤どくんどくんにじむ、さいなむ、

閉鎖した屋上から落ちる夢さえ見せない、見せてくれ、ない、 ....
ビーズのように
煌めいてみえるから
私は掬う
その場しのぎの
粗い笊で
泥水みたいな夜のそこ
横切っていく
言葉の川
掬い揚げたら一層輝きをまして
ただの小石が詩のように光る日もあっ ....
回転しつづける君の夜に
墜落するイカロスのちぎれた翼を貼り付ける

思いつくままに貝殻を並べて手紙を綴る
離島の風景をきみの気を引く為に誇張して淋しげに

風化するものはそのままにまかせた ....
不安そうな目で僕は毎日毎日生きている。そんな僕に言いたい、子供のままでいいのだよと。
しかしながら、そんなことを言ってみても、そう呟いている自分も不安そうな目なもんだから、僕はますます不安になる。
 ....
君の相棒が16年着た
体を脱いで、天に昇った。

あまりにも静かに消える
湯気の後に――消えぬもの。

透き通ったビー玉の瞳
あの日のままの鳴き声

呼んでいる
いくども、いくども ....
シルヴィーがよみがえる
花々が一斉に掻き毟られる
足ひとつの孤島が 点々と

シルヴィーが落ちて来る
貪婪なクジャクの爪
わたしは乾いたペンキ缶 

空間だらけの女から抜け落ちた
う ....
紅蓮の業火が背中を焼き
腹は氷雪の海に閉じ込められている
隻眼の瞳は目指す方角を失い
同じ海域をグルグル周り
砂浜にたどり着くことは無かった
父母の名前を呼ぼうにも
卵から生まれたぼくは
 ....
呼ぶことのない 
部屋のテーブルには
ざくろの 割れた実が ひとつ
むくれている ざくろには
いくつものやみがあって
そのうつろに 
赤黒い眼がおさまっている
ざくろの実に
穿かれた口 ....
最後には閃光、そしてエンドクレジットになるのだけれど、胃のあたりですっぱくなって、のどの奥から舌の上、牙と牙、唾液のにおい、鏡の向こう、気づいた時にはすでに遅い、そう気づくまえに服を着なきゃいけない。 .... はじめに くらやみがあって
(ここまでくるのにながい夜をくぐってきた
一枚いちまい重ねられていく
生まれるまえは
まったくの やみだったと
うすぼんやりとした 
陽だまりの まえにすわって ....
重なる重ねる音響の連鎖に
造形されては崩れ落ちる旋律
そのたび脳髄は揉みほぐされブルブル揺れ
冬の天空で少しずつ凍結していくオーロラの踊り
樹木の枝に縮れ色褪せへばり付く枯れ葉が
所在なげに ....
誰がさまようというのだろう。
この名もない路地を。
名もない路地には、
ひと影はなく
だから名もない路地と
なったのであろうが、
名もない路地には、
人影は確かにあった。
その人影は、 ....
くぐるのか
こえるのか
あたりまえに
たのしげに
なわの向こうへ
消えてしまった

きっと時代や風にも乗れるのでしょう
できない者にはいつまでも不思議

なわは蛇のようにうねり
 ....
 
私は
想いながら
   死んでゆく。


喜びに包まれた名を
明かすことなく
内なる焔は
ひかりよりも

まばゆい。


噫、
おもはざるひの無ければ
かぜの音にき ....
宇宙の底から重力が持ち上がる
月は半身の影武者
その肩が抱く光を受けて
私達は夜の深淵を歩くことが出来る
亀裂を伴った果実は秘匿を香らせ
罪の熟成を誘う

勝ち得た絆は
染まらない無垢 ....
鴉の声が窓ガラスをすり抜け
ベッドに潜り込んでくる
戸外では新しい世界が始まったらしい

部屋の中には 
昨夜 
掘り返した青春が 
アルコールに萎えて床に散らばり
描き上げた明る ....
あなたは今、
いろいろなことばの海を
旅したいと思っている。
そこには淡い色の薔薇の花束のブーケだったり、
あたたかな木のぬくもりの漂うキッチンだったり、
そんな風景が香ることばを探している ....
スイッチだ日常の点けて弄ぶ消しても眠らない
壁を這いまわる夜にふやけた未発声の《》は過呼吸のまま乳房を求め
夏の光に目隠しされた幼い逢引と声の影法師
皮膚下の水脈を辿る山椒魚のふるえ蔓草が覆う戦 ....
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