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カーテンの隙間から
穏やかじゃない光が差す
透き通る君の横顔は
夢のような気がした
触れられないのは
きっとそのせいである
いつの日か
別れの時が来る
ということも ....
見上げた夕暮れの青空が
迫り来る夜の黒に飲み込まれてゆく光景
その時僕が感じたのは
何も恐怖だけでは無かった筈なのに
自分が抱いた感情さえ
忘れている
こんなにも忘却が悲し ....
産まれたばかりで
まだ間もない
黒猫を拾う夢を見た
朝を迎える港で
潮騒が聴こえる
僕はその秋まで
確かに遠い港の桟橋にいた
すでに真夏が
終わる記憶のなかで
南太平洋の海風が
....
君からもらった言葉が
小さな箱と
淡い青の紙に
包まれて
ひきだしの中に
しまわれる
悲しい時
泣きたくなる時に
ひきだしから
一つ取り出して
大事に大事に
抱きしめてい ....
綴る 言葉は
うちなるもの
枠の無い無限の大地も
心には持てるものを
空でなく
海でなく
大地でなく
私は 貴方という
果てしない宇宙を
心に綴ってゆく
世界のはずれの藁葺きのコテッジで
遠く草原にかかる月をのぞむ
( かつてこの月をめでた青年達が不毛なたたかいで旅立ったことも )
フィヨルドと火山を巡り
カレワラの世界にあそび
シベリウ ....
真夜中から
目を覚ます夜明けは
地球のどこかで
随分と消えていたはずの
絶望やら希望をも
まだ柔らかく包んでいる
颯爽として
朝食の準備をしながら
太陽の日射しがからっと音を
立 ....
君を守って
傷つく獣でありたい
愛されるかどうかなど
考えない獣でいたい
たまに毛並みをなでられ
一生愛を信じるような
たまに風に吹かれ
一生幸せ感じるような
自由で無 ....
――皿が割れた!
まわす皿はもうない
みんな落として割ってしまった
誰かのせいにしたくても
皿を落として割ったのは自分
落として割れたのは自分の皿
何事も寸分変わらない
仕方がなく
架 ....
しれっとしてあなたは澄ましている
いつもそんなことだ
まあいいか
べとべとのおんなよりは
もとかののファイルを
おとこは名前をつけて保存する
もとかれのファイルを
おんなは迷 ....
いのちのバトンを
つなぐのは
とわの輪っかの
つながりだ
☆
バトンをたくせぬ
アンカーは
輪っかの終わる
無限の先だ
☆
この命を
全うする ....
時代を超えて鳴り響く鐘の音よ。
この夏の盛りにやって来る荘厳の響き。
この身を何度委ねたか分からない魔性の響きよ。
乳飲み子の眠りを妨げるのはやめておくれ。
閑散とした町の中 ....
ラッキーカラーを切って大爆発
靡く風鈴のように美しく鳴くのは
蟋蟀でしょうか?
鈴虫でしょうか?
僕が知らない他の虫でしょうか?
雨上がりの朝は
木々を濡らす水の滴りと
小鳥の他愛ない会話と
秋の奏者達の ....
街でたまに
一匹狼に出会う
同じ匂いがして
話さなくても気に入る
媚びない
興味ない
けど楽しい
みたいな
なんともいえない魂の軽さがあって
そういうヤツらは
何の ....
夏好きの二人は
日が長くなっただけで嬉しくて
8月の終わりには毎年
嫌やなあ
寂しいなあって言い合う
馬鹿みたいに同じことの繰り返し
だけど大事なことだから二回言う
嫌な ....
堕ち続ける夢をみるのはこれがはじめてでもない
ときどき浮遊する夢もみるが
たいがいは堕ちている
奈落に底が在るとしたらいつそこにたどりつけるのか
それとも俺は横方向に無限に移動している ....
光で埋め尽くされて行く影
影で埋め尽くされて行く光
詩で埋め尽くされて行く空白
空白で埋め尽くされて行く詩
沈黙で埋め尽くされて行く会話
会話で埋め尽くされて行く沈黙
過去で埋 ....
海の向こうに
蜃気楼が見えたら
熱帯夜の中で
君の香りがしたら
お水の中に
海月が泳いだら
もう夏の終わり
あの日に
買った金魚は
傷だらけで元気がない
掬い上げた ....
砂を両手でギュッと握ります
ハートの形になります
ていねいに持たないと
パラパラと崩れてしまいます
砂をギュッと握ったのはカミサマです
このハートをね
シワ ....
雨が降り始めた
何処で これ以上 笑えばいい
景色の感覚を剥ぎ取られて
白い足の子供たちが
死の石と兎の上を
水蜜のように歩いた
さらわれてしまう耳目
暗渠から招く文字のうねり
疑問と ....
おつきさま って、いっぱいあるの?
…どうして?
だっていろんなかたちがあるし、おおきさもちがうから
…でもね、本当は、お月様は一つしかないんだよ
そうなの?
…そうだよ。…だ ....
私の気づかない私は
いつも心の中で
感情をむきだしにしている
地団駄踏んでいる
いろいろなものを
放り投げては拾っている
私の気づかない私は
いつの間にか
君を怖がって ....
いつの間にか齢が乗で増すかのように
蜘蛛の巣に向かって
痛い女を額に付けて前進ならぬ重い漸進に
哲学を日用品に出来ない冷汗で自身をクールダウン
させて
いる
どの角度から見て ....
銀色に光る水しぶき
小学校の
プールが見えた
陽炎の中に
まぶしく輝く森
まるで
他人事のような
暑さの記憶
いつまでも 耳の奥に
歓声がこだましていた
一体
何 ....
小さい頃の
ハンコ注射の跡のような
こうやって
詩を書いている時間のような
有限であるこの気持ちは
星屑が大気圏で燃え尽きるような
一瞬の産物で
人が母なる海を思うような
....
はやにえ
しるべ
ひかりが開けた穴
いそいで
雨の肩書き
午後のおさがり
陽の水母に
別れを言う
溺れかけたのは
羽の子ども
空気の傷が ....
春 そよ風の優しい囁きに
夏 肌を滑る熱い眼差しに
秋 想い出の肩を包む腕に
冬 肌の温もりの静けさに
とろけても ながされない
自分のかたちを失くさない
凛としてつめたく だけど
....
電源ボタンを長押しする
携帯電話の電源を切った
見えない筈の乱雑な線までもが
空間を埋め尽くす想像・幻覚
電池まで外してかなぐり捨てる
まだ足りない
街に出たら眼鏡 ....
乗り合わせた連中と
サイコロ振ったりカードを捲ったり
酔っぱらって歌ったり
ここで生まれた
もの心ついた頃には船の上
過去の航跡をぼんやり眺め
濃霧に満ちる行き先に目を凝らす
詳 ....
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