すべてのおすすめ
宵闇 白い息
ナトリウムランプの
並木道
ぼんやり明るい
冬の道
人や車のはけた道を
猫の影だけが
ゆっくり横切る
いいなあ
ランプの精が
炎をジャッグルしながら
....
足の爪に
塗っておいた海が
夏のどこかへちぎれて消えた
地図の上をなぞる指が
コーヒーの匂いをたどって
最果ての島に着く
ふと顔を上げれば
見慣れた街並み
寝過ごした朝のよ ....
魔法使いが
ドライバーを手にやってきて
雪原を走る夜汽車を止めました
壊れた換気扇の交換
最後に頑張って回る姿が
とても可哀相で
「よく頑張ったね」って二人で言いました
私た ....
温かい味噌汁を飲んで
おまえが泣く
何があったか
聞かないけど
私も台所で泣く
ご飯食べてけと
口うるさい母親に
気がすむなら味噌汁食べてやるよって
えらそうに言ってた ....
マッチを擦った
においが好き
懐かしいから
クリスマスのロウソク
ストーブ
父さんの煙草
子供の頃に
安心した匂いだ
冬が嫌いなのは
寒い夜に
暖かい思い出ばかり
思い出すから
父は
猫と一緒に
いつまでも
コタツに座っててくれると
ずっと信じてた
吐き出せば 楽になる
だけどこの世には
吐き出せる場所がないよね
なぜこんなに人を嫌うのだろう
それなのに
なぜこんな人で居るんだろう
背中が寂しいと言ってたけど
背中には答えない
まっすぐ私を見て
私の目を見てみ
何かわからないことがあるか?
愛なんて問うな
こんなに愛されていて
知人はたくさんいるが
友人は少数精鋭
どこまでが知人で
どこからが友人か
このダルい領域の話は個人的にどうでもいい
ただ友達っていうのはな
思い出した時に
頑張れよって心の底 ....
祈りって
なんだ。
どうやって祈る。
同じだ。
跪いても
酔いどれても
神には聞こえてる。
聞こえないのは
私のほうだ。
幾度となく語りかけるその返事を
私 ....
雨の夜
傘をさして街に出る
顔も知らない人に会うため
自分じゃないような早足で目的地に向かった
複雑で微妙な心境
臆病な人見知り
本当に会いたかったかどうかは
今もよくわから ....
何か
大切な物が 欠けて
情緒が欠落している
月に
力を
借りただけ
魔力が落ちないように
ヒトを
食っただけ
だから どうした
眠れない夜だったから
架空の国へ出かけた
王位継承
森の魔物
結界の霧雨
本を閉じると
外も
いつのまにか雨
この雨が結界なら
私も連れ去ってくれ
見わたす現実の
....
そんなに透明では
生きていけない
突然泣き出すから
君の明日を憂うよ
美しい心の結晶
ポロリ
どんなに一生懸命
君は
生きているんだろうか
笑わせようと
君のまわり ....
掃除も料理も嫌いだけど
洗濯だけは好きで
洗濯物がよく乾くから
夏が好きだ
洗いたての洗濯物を
ひとつひとつ太陽の下に干すとき
いい匂いがして
気持ちよくて
カゴの中身が宝物みたい ....
嘘みたいに
ネコと遊ぶと
いつも私は
満たされるの
怒りや
悲しみが
原点に 戻ってゆく
生きてることも
いいなと思えるの
だから
大切なのは
言葉だけじゃな ....
現実と
取引なんてしないよ
誰も
何も
売り渡したりしない
魔物、吸血鬼、魔法使い
みんな
ここに居ていいよ
私の胸の中に
綴る 言葉は
うちなるもの
枠の無い無限の大地も
心には持てるものを
空でなく
海でなく
大地でなく
私は 貴方という
果てしない宇宙を
心に綴ってゆく
君を守って
傷つく獣でありたい
愛されるかどうかなど
考えない獣でいたい
たまに毛並みをなでられ
一生愛を信じるような
たまに風に吹かれ
一生幸せ感じるような
自由で無 ....
街でたまに
一匹狼に出会う
同じ匂いがして
話さなくても気に入る
媚びない
興味ない
けど楽しい
みたいな
なんともいえない魂の軽さがあって
そういうヤツらは
何の ....
夏好きの二人は
日が長くなっただけで嬉しくて
8月の終わりには毎年
嫌やなあ
寂しいなあって言い合う
馬鹿みたいに同じことの繰り返し
だけど大事なことだから二回言う
嫌な ....
銀色に光る水しぶき
小学校の
プールが見えた
陽炎の中に
まぶしく輝く森
まるで
他人事のような
暑さの記憶
いつまでも 耳の奥に
歓声がこだましていた
一体
何 ....
久しぶりに真夏に行った海
日焼けも化粧も忘れて
何もかもをさらけ出すように泳いだ
海育ちにとって
海自体が故郷だ
子供の頃から私を知り尽くす場所では
もう
名前すら必要ない
水にもぐれ ....
どっか行こ?
自由だなって
思えるどっか
ケータイもパソコンも
鳴らないどっか
眠れる夜のどっか
なんだろ
文字を書くのが好きだ
なぜだろ
考えるのが好きだ
でも
どうしてだろ
酒や薬に溺れて
それらを消し去るのも好きだ
こがねの日が差す
金色の夕立は
さぞや美しい狐が嫁に行くのかと
思わず微笑む天気雨
夏は
今も昔も懐かしく
子供の頃と同じ空
うちわで扇ぐゆるやかな所作
遠い昔に見たしぐさ ....
孤独とは思わないが
無意味だと思う
呼吸して
空を見上げて
夕日の美しさに呆然とする
短い現を
必死で生き延びる夏の蝉のようだ
今日も命を鳴いたか?
悔いなく鳴き続けた ....
賢者の声が聞こえない
それが
若さの特権
止める愛情を突き破って
彼らは荒地に出て行く
何に駆られるのか
熱い鼓動を抱いて
故郷を振り返ることはしない
刹那の中にだけ宿る純 ....
猫抱いて
布団にもぐりこんで
旅に出る
砂漠を越えたら
乾いた風
砂丘の向こうに
もうすぐ海が見える
猫と私と
長い旅のシエスタ