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今日のことを、話そう。 
大事なひとに、毎日メールするように。 

  * 

「先ほど、目が覚めました。 
 カーテンの隙間から 
 雨上がりの春の陽射しが 
 小さい{ルビ日向 ....
お風呂上がりで椅子に座る 
目の見えないハルさんが 
ドライヤーで髪を乾かす僕に、言いました。 

「新しい靴もねぇ、 
 毎日々々撫でてやったら 
 だんだん馴染んで来るんだよ・・・」  ....
五十歳で転職した新人さんが 
仕事の後に、眉を八の字にして 
僕のところにやって来て 
日々の不安を、打ち明けた。 

物書き志望でベテラン介護士の僕と 
人生をやり直そうとしている彼が  ....
いつも背後で見守っている 
姿の無い彫刻家は 
私という素材の上辺を削ろうと 
鋭く光る刃を、手にしている。 

身を削る、痛みを越えて 
素材の中から彫り出され 
姿をあらわす、人の像 ....
試合前の練習中 
選手たちにノックしようとしたら 
突然彼は胸を抑え、 
バットを握ったまま
グランドに倒れた 

担架に寝かされ、救急車で運ばれた彼を 
原監督が、チームメートが、ファ ....
この世という巨きな檻で 
誰もがひとつの「非常口」を探している 
それぞれの足首に鎖でつながれた 
鉛の玉を、引き摺りながら 

背後から迫る炎の手の、一歩先を 
脇目も振らずまっしぐらに ....
夕暮れの空に 
時折姿をあらわす 
薄っすらと光を帯びた手 

夕凪の風の吹くまま 
まっしろな明日の頁に 
一つの物語は綴られるだろう 

私は、一本の鉛筆の姿で 
夕空を見上げ、 ....
こうして休日のベランダに佇み 
干された布団と並びながら 
{ルビ麗=うら}らかな春の日射しを浴びていると 
日頃、誰かを憎みそうな闇の心を 
布団と一緒に、殺菌してほしいと思う。 
わたし自らが灯となる時 
周囲の人の瞳の内に 
不思議なほど無数の灯が 
同時に ぱっ と、ともります。 
塀の上で危なっかしく
好奇心の瞳で這っていた 
三才の私 

新しい家の
まっさらな床を両手で撫でた 
五才の私 

学校という未知の国へ 
鼓動を、高鳴らせていた 
7才の私 
 ....
おれは一体、何処へ往く? 
別れを千切って、歩みゆく 
空っぽの缶からを 
虚ろな片手で、握りしめ 

おれは一体、何処へ往く? 
愛しい花を置き去りに 
ひとつの小石を 
震える片手 ....
 皆さんこんにちは。昨日の「黄色の日」は、とても楽しいひと時で、それぞれの詩と朗読と会話が近況報告になるような同窓会の雰囲気で、美味い酒を飲みつつ僕もふだんの「はっとりん」らしい自分が回復されるのを感 .... 雀等が、音符になって、弾んでる。 
米の蒔かれた、日向の国で。 

    
湯呑みというのは 
自らの役を心得て 
いつ出番が来てもいいように 
迷いの無い姿で 
すっとそこに、立っている。  
踊るように、街を歩くひとがいた。 
両手首に輪を嵌めた、杖をつきながら。 

僕の肩越しに密かな風をきり 
横切った、彼の背中はおそらく求めていない  
これっぽっちの、同情も。 

不 ....
机の上に、一つの箱がある。 
密かに胸の高鳴るまま 
蓋を開けると小人になった、
星の王子様が僕を見上げて 

「ほんとうに大事なものは、目に見えない」 

と呟いてから
煙になって、 ....
指紋を眺めると、そこに宇宙があった。切 
株を覗くと、そこに宇宙があった。時計を
見上げれば、秒針の音が絶えず響いていた。  
日常の風に紛れていつも周囲に渦巻いてい
る、それぞれの宇宙。肩を ....
大晦日に体調が急変して 
救急車の中で息絶えた友の 
告別式が行われた一月九日 

遺影の中から 
微笑む顔も 
棺の中に 
花を置いても 
まるでフィクションのようで 

制服姿 ....
私の魂というものは 
量りにのせて 
測定することはできません 

たとえば眠りの夢に落ちる時も 
たとえば悲嘆に暮れる日さえも 

私の内的生命は 
一本の透けたアンテナを立て 
 ....
ひとりよりもきっと 
ふたりきりのほうがいい 
ふたりきりよりもきっと 
ふたりの間を結んで 
黄色いはなうたを 
空に奏でる 
小さい、小さい 
手のひらがあるといい 
日頃の不摂生で 
年の瀬に熱を出し 
病院で点滴をした三日目 

今日、初めて気づいた 
点滴を吊るした棒の台車に 
歩きやすいよう 
掴まる取っ手がついてたことに 

昨日、僕は点 ....
扁桃腺が腫れて、高熱が出て 
水もろくに飲みこめなかったので 
仕事を休んで総合病院に行った 

耳鼻咽喉科の待合室で 
中年の美しい女が頭を抑え 
看護婦さんに背をさすられながら 
洗 ....
「おやすみタイマー」の時間が切れて 
はぁ〜・・・っと暖房は息を吐き出し 
お役御免、の佇まいで 
部屋を静寂が、支配する。 

その割り切り具合に何故か 
好感を持つ、夜のひと時。 
 ....
時は、人の死さえも 
やがて必然の穴へ 
ゆっくり、納めてゆくだろう 

時は、生々しい傷口さえも 
やがて不思議な包帯で 
ゆっくり、包んでゆくだろう 

もしあなたが、今 
頭を ....
遥かに遠い昔 
すでに 
バベルの塔は、崩壊していた 

一九九九年 
世界の中心に建っていた 
N・Yのビルの幻は 
黒煙の中に、姿を消した 

二〇〇九年 
未だに人々はバーチ ....
鵜飼千代子さんの服部 剛さんおすすめリスト(55)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
今日の出来事_- 服部 剛自由詩610-5-11
靴と嫁_- 服部 剛自由詩610-4-28
珈琲たいむ_- 服部 剛自由詩7*10-4-27
青年の像_- 服部 剛自由詩3*10-4-27
殉職した野球人に捧ぐ_- 服部 剛自由詩510-4-9
非常口_- 服部 剛自由詩610-3-24
夕空の手_- 服部 剛自由詩310-3-14
春のベランダ_- 服部 剛自由詩510-3-14
灯を、ともす。_- 服部 剛自由詩610-3-9
走馬灯の夢_- 服部 剛自由詩310-3-9
紅い花_- 服部 剛自由詩310-3-7
詩人達の新たな旅路に向けて_〜「黄色の日」の印象的な詩のひと ...- 服部 剛散文(批評 ...110-3-7
日向の国_- 服部 剛自由詩510-3-1
湯呑み_- 服部 剛自由詩4*10-2-14
踊り歩くひと_- 服部 剛自由詩9*10-2-8
贈りもの- 服部 剛自由詩4*10-2-4
ひとつの宇宙_- 服部 剛自由詩5*10-2-3
遺骨の前で_ー詩友の告別式にてー_- 服部 剛自由詩410-1-10
魂の器_- 服部 剛自由詩9*10-1-3
小さい手_- 服部 剛自由詩410-1-1
新年の扉_- 服部 剛自由詩8*09-12-31
こころの病院_- 服部 剛自由詩2*09-12-31
新しい季節へ_- 服部 剛自由詩309-12-31
時間という薬_- 服部 剛自由詩4*09-12-29
蜃気楼の都市_- 服部 剛自由詩4*09-12-22

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