埠頭に
群れなす
カモメはすべて
哀しい心のなれの果て


船は今日も出てゆくのだ


海は広いというのに
のぞきこめない
瞳の深さをもって
船は今日も出てゆくのだ

 ....
星空の下では今日も 
作業灯が明るい

掘り起こされる大地
積み上げられゆくコンクリート

道行く人は
まだか、と未来を吐き捨てる

けれども作業灯は
必ずの未来へと向かって
 ....
ほら、見てごらん
無数の蛍  
無数の蝶々

せっかく部屋を暗くしたのに

ほら、見てごらん
僕らはすっかり取り囲まれてる


吐息、ひとつ
(甘く、美味)

喘ぎ、ひと ....
ねぇ、アリス
貴女が居なくなっても
この世界は続くと思っているでしょう

ここは 
たまたま落ちた夢の国

だから
たまたまなんて
二度と起きたりしないのよ


ねぇ、アリ ....
この手には限りがあることを
渋々から卒業をして
潔く
承知出来るようになったんだ

五本の指は五本でひとつ
二本の腕は二本でひとつ

一生懸命になるのではなくて
一生懸命にならざ ....
まっさらなノートを買った
でも
それだけでは
所有にならない

光のようなシャツを買った
でも
それだけでは
所有にならない

汚さなければならない
涙が出るほどに
渾身の力で ....
寒冷に順応できず
やがて
命を奪われかけて
それゆえ
灼熱


灰と 火柱と 黒煙と


好き好んで
化身となったわけでは無いのに

ただ
寒さに耐えられず
ただ
冷た ....
もともと
あてになる眼ではないけれど
それでも
夕陽の色彩くらいは
心得ている

川辺は 減速を始めている
木立は 瞑想を始めている
鳥達は 安息を始めている
あきらかに夕陽の時 ....
千波 一也(758)
タイトル カテゴリ Point 日付
埠頭自由詩10*05/7/5 21:39
作業灯自由詩10*05/7/5 21:36
夏の虫自由詩9*05/7/4 18:50
不思議の国のアリス[group]自由詩16*05/7/3 17:32
穏やかな陽のなかで[group]自由詩12*05/7/2 0:56
白の所有権自由詩11*05/7/1 0:33
サラマンドラ自由詩11*05/6/28 23:12
夕陽が堕ちる自由詩15*05/6/26 20:36

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