まばらなようで
まったく同じ

涙は
ひとから流れゆく



雨のぬくもりを
手探りつづける日々と

かぜの横顔について
語りあぐねてみる日々と

だれか
上 ....
桜の小枝にかえります

ほのかに色づいては
失うそぶり、の
はかりごと



お逃げなさい、と
ともる影

うなずく首は
まだみじかくて

黒の
とちゅうで
染 ....
風たちの流れは
水のさなかにある


空の両手を
もうじき雨は
こぼれ落ちるから
だれもが海に
いだかれ
癒える



困惑のためのすべを
探していたのかも知れない ....
こたえ、という
ことばそのものは
とてもかよわいものです

だからといって
あきらめたりはせず
突きつけることもせず
こころは、そう
並んでいけたなら
じゅうぶんだと思います ....
ひたむきだから
汗をかく

それは
おろかであるかも知れないけれど
ふしあわせの向こうが
しあわせであったり
するもので

虹は
しずかに消えてゆく


あおぞらがき ....
ひと知れず眠り深まる硝子傷なさけに託した夢の数だけ


鋭さは傷つかぬこと自らが裂いたものにも怯えること無く


いつくしみ囲いを厭わぬいばら織り潤んで消える虹のひとひら


 ....
かけ足に過ぎなかった

いまでもそれは
よくみえる


ほろにがい
夕暮れの日を
燃え尽くすには
まだ早い

わからないほどに
からまり続けて
いるからね


 ....
{引用=


一、星が生まれた日


  少年が落としてしまう、
  それは
  あまりに
  優しいもので
 
  いつまでも思い出は
  少女のかげをしています


 ....
おもてはどこですか

みぎは 
ひだりは
うらがわは


問いかけるほど
しずかになるから
物言わずには 
いられない

すぐにも 
あしたは来るけれど
ちいさな点 ....
五月のかぜを渡るとき
遠いひかりは
よみがえる

あおたちの名の
車輪のなかで
一斉に
いま
みどりはかえる
日にかわる


 かじかむばかりの
 指だったのに
 いつ ....
生まれて
しまった後ならば、
二度と
生まれて
いけないだろうかと、
ひとりごとだけ
生んでみる


いくつになっても
守られるから、
さびしさは
無くならない

幼なじみ ....
最後に降った
雪の日のことを
思い出そうとして
思い出せなくて

そこからようやく
なつかしさが
訪れました


うしなったわけではなく
戻りたいわけでもない

いつだっ ....
さかずきが、
まわる


 ひとづてに咲く
 ゆめまぼろし
 を
 
 裂いては遠のく
 かなしげな、
 さめ


ゆびさきに乗る
花びらが、
よる

わから ....
吹きぬける冷たい風の空高く
ひかりの鼓動は
静かにそそぐ



雪解けをあつめて川は哭いている
生まれたばかりのわたしの春に


ひとひらの可憐な花は弓使い
瞳砕けて曇りをうるむ ....
もう
どこにも帰れない

そんな気がした夕暮れは
どんなことばも
風にした



 ながれる雲の
 行き先はしらない

 突きとめずにおくことが
 しあわせだとは
 ....
傘のしたでだけ
降り続ける雨がある

 強弱では語り得ない、それ



交差点を渡る黒たちの
はじまりの日は
白だった
或いは
今も

 嘘とほんとを
 分けたがるけれ ....
むずかしい顔をしていても
だれかに名前を
許すとき

見えない風に
腕だけ乗せる、ような
わたしはひとつの窓になる


だれかの背中のさびしさに
おもわず声を
かけるとき

 ....
水の匂いが燃えてゆく


漆黒は
うるおいのいろ

こぼれてはじまる
灯りにけむる、
波のいろ



疎遠になれない花の名に
ひれ伏すともなく
かしづく儀礼は、 ....
掛け違えた光だとしても
あふれかえることに
消えてはゆけない
肩だから


 底に、四月はいつもある


泥をかきわけて
そのなかを親しむような

見上げることの
はじまりに ....
風のゆくえに
はぐれたのなら
含ませ過ぎた胸に手を

どうでもいいと言い捨てるには
あまりに一途な
朝です、
誰も

いつの日も



 気がつくためには
 やわらかく ....
 砂時計という名の{ルビ幽閉=ゆうへい}を描くべき色彩に迷い、
 指先ひとつで幾度も幾度も
 流れをもてあそんで
 みる

 (ここは、アトリエ・スロウ
 (時の許しに並ぶ場所

 ....
グレープフルーツ、を{ルビ啜=すす}ると
ゆびさきやら舌先やら
なぜだかきみを、
おもいだして

グレープフルーツ、か
それとも、ぼく、か
においのあふれる
部屋になる

 ....
泥を かわして
かわして また 泥

すきだとか きらいだとか
そんな難しいことは あとからになさい
もっと ずっと あとからになさい
余裕がでるまで 待ちなさい


 陽をあびて  ....
まちがえることを
素直におそれた日々は
だれかのきれいな蝶々結びに
たやすく揺られる花だった

あの草原で
かぜを追いかけてゆくことに
不思議はどれほど
あっただろう


 ....
知っていることを知ることで
わたしの輪郭は
かたちを為す
     
そう、
知らないことも同義であるけれど
わたしのどこかが喜ぶように
いつもいつも
知ること、と記している
 ....
記憶の糸は ここから近い


青葉とともに樹齢に添えば 
風の渡りがよくみえる

耳を 
やさしく奏でるように
静かなことばは 
紡がれて


  会えるひと 会えぬひと もし ....
さがしてみても
しっぽは見つからない

まるで
気泡のような午後だから、
いつの窓にも
ふたりは
求めて


 やわらかな、視線

 だれにも始まる
 デッサンの
 ....
つゆのおもてを奏でるような
かすみの語り部、
八日月


 白々しくも、
 ゆかしいものです


枝のあいだを
いそぎもせずに
はかなさをなぞるには
聡明すぎる、ような ....
遠鳴りを
たずねてゆびは
更けてゆく


 傾き、
 あざむき、
 なき、みさき、


橋の向こうを告げられぬまま
こころもとなく
火を浴びて

頑なに
待ち人の名を ....
別れの時刻を知ったとき
ひとは優しくなる


 すなおには
 明かせなかったこころをもって
 朝はかならず来るのだと
 ようやく夢は
 ここから
 近く


ありがとう ....
千波 一也(758)
タイトル カテゴリ Point 日付
空と子どもと自由詩17*07/6/26 17:45
爪飾り[group]自由詩12*07/6/20 10:57
吹雪自由詩12*07/6/19 13:19
生きて[group]自由詩34*07/6/18 15:58
あおぞらがきれい[group]自由詩17*07/6/15 8:43
◆硝子傷[group]短歌8*07/6/13 8:25
夕焼け自由詩17*07/6/12 17:54
小詩集【金貨のためのオルゴール】[group]自由詩16*07/6/6 8:06
輪をなぞる自由詩22*07/5/30 8:07
面影自由詩30*07/5/28 8:01
生まれてみたい自由詩17*07/5/22 21:02
最後の雪自由詩14*07/5/15 12:09
浮島自由詩13*07/5/14 7:59
◆春の扉[group]短歌24*07/5/13 16:18
はぐれ水自由詩26*07/4/27 10:55
よくある話自由詩15*07/4/22 18:10
少し妬けた自由詩13*07/4/18 11:56
朧月夜[group]自由詩26*07/4/16 7:59
四月迎え自由詩28*07/4/14 12:47
朝露自由詩15*07/3/28 12:25
アトリエ・スロウ自由詩18*07/3/27 13:57
グレープフルーツ[group]自由詩17*07/3/27 13:49
ぬかるむはる自由詩25*07/3/26 8:57
蝶々結び自由詩40+*07/3/22 8:06
輪郭図鑑[group]自由詩12*07/3/20 11:08
つらなり短冊自由詩15*07/3/20 11:04
オクターブ[group]自由詩16*07/3/11 14:59
八日月[group]自由詩10*07/3/11 14:53
烙印[group]自由詩23*07/3/8 8:09
ひとは優しくなる自由詩18*07/3/6 8:22

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