ほむら、ほむら、

ほれ、ほれ、ほうれ
こをえがけ

ほれ、ほれ、ほうれ
つみ、あがれ



ほうられ、ほむら
ほうむれ、ほむら

いざ、いざ、くだけよ
くる、 ....
鏡のなかに
とおく落ちていった
ひとつ
ひとつの
香りのあわれさは
なりゆきを待っている

いくつもの
抜け道にあざむかれてしまう
わずかなすき間にひそむ
その
夜の筋書 ....
火が
ほしかったから、

そっと
恥じらいをまぜて

お月さまに
耳打ちしました
そっと


まるで
玩具のような運命の
わたしです

あわい
夜の吐息にさえ
消 ....
やわらかなわたしは
凍結することが出来るから
やわらかくなど
ないのです

冷ややかなわたしは
あこがれを抱いていたりするから
あつく出来ているのです
本当は


空から ....
木のおもちゃには
ぬくもりがある

けれどもそれは
物の扱いに手慣れた
おとなの語り

おさない子には
木は硬い

角を落とそうが
やすりをかけようが
木の硬さはなくな ....
かよわい肌の持ち主は
男のほう

繊細に消されていった
煙草の匂いは
指にも
首にも
移り住む

男を選んで
移り住む



男は
確かに直線的だ

けれども ....
ドアを開けると
しらない私が待っている

無上の憩いを
約束するように
鏡の私が会釈する


窓の外には
なつかしい夜

あたたかな夜



単調に
指折り数え ....
波のゆくえが
気がかりならば

波の言葉に
添いましょう

正しさに
包まれようもないけれど

同じだけ
誤りようもないならば

それは
素敵な所作ですね

波の ....
葉は、
いつか散る

かならず散る

その
散る、というさまは
さびしいけれど
寒々しいけれど

散る、という務めは
葉にしか担えない

わたしには、
どんな務めが ....
荒涼とした大地の上に
荒涼とした時空が
広がる

その
片隅を
写し取りたい些細な詞は
荒涼とした
影をなす

荒涼とした影の懐に
荒涼とした金属の
痕跡がある

 ....
白いひかりの内側で
やさしくもつれ合うものを
聴いていたかったのに
ただ、聴いていたかったのに

生きていてもいいですか、と問うよりも
生きていなくてはいけませんか、と問うほうが
 ....
水は
裏切ったりはしないのです

やさしい嘘と
呼ばれるすべに甘んじて
飲み干しかねた
水はあっても

迎える季節を過ちかねて
流れるしかなかった
水はあっても

水は ....
希望という名の紙切れよ
希望という名の瞳に渡れ

誰かは無謀と云うだろう
或いは幼稚と嗤うだろう

希望という名の未熟さよ
立ち止まるがいい
思う存分に

希望という名の愚かさ ....
まっしろく
息を吐きながら
晴天の
した

軽く、
多くのものに
通過されながら
わたしは
光に
耳を
すます


たやすいものを
幾つも集めて
したしんで
 ....
ほころんで、揺れて、

待ちわびて、揺れて、



愛されて、色づいて、

愛されたくて、匂って、



踏みつけられて、手折られて、

ずぶ濡れて、さらされて、
 ....
大きなお世話を
売る店が
だいぶ減って
しまったから
世の中は
だいぶ自由になって
他人の
一挙手一投足を
監視したり
嘲笑したりして
ときを
費やしている


 ....
あなたが
西日にうずめたものを
知るすべもなく
いまは昔


あなたが
見ていた向こうには
なんにも無いと思ってた

なんにも無いと
思いたかった


向こう見ずなあな ....
ひどく熱い台の上で
亡きひとの骨を
拾う

幼い
わたしを
抱き上げてくれただろう
腕をひとつ

もう二度と
わたしを呼ぶことのない
喉をひとつ


かつての命は
 ....
空を
まっすぐに
見上げられたなら
もう、
なにものにも
傷つかないで
羽ばたける

きっと
たやすいことどもは
溢れているはずなのに
たやすくない日々が
溢れていってしま ....
ひょい、と
放り投げた缶コーヒー

疲れた顔した
おまえはつかの間
あわてた顔になる

あわてた顔で
キャッチして

細く、
わらう



おまえの横に
しゃが ....
春から
いちばん遠い季節に
吐息は
ゆれる

遥か
列車の通過の幻想に
疑いもなく
聞き耳
立てて



苦しまぎれの憧憬が
いつかの砂地で
花開く

もう
誰 ....
いたいの、いたいの
とんでいけ

大三角に
ぶつかるくらい

おおぐま、こぐまに
ぶつかるくらい

高く
みごとに
のぼりつめたら
今度は
はげしく
おちてこい
 ....
さいご、には
なれるはずもなかった
いのりの一葉が
身をよせて

そよかぜを織る
やわらかな
うみ



すきま、から
もれる光は重なりあって
ことばのほつれを
受 ....
呼び声はまだ
きえてはいない
癒えてはいない

たずね人はまだ
絶えてはいない
やんではいない


ましろな雪は
ゆめの燃えがら
はる待つ
まくら

かたく一途 ....
手をつないだら
あなたが見える
まあるい瞳で
わたしをゆるす
あなたが見える


手をつないだら
あなたが聞こえる
ひみつの言葉で
わたしを結わう
あなたが聞こえる


 ....
ちいさな駅で見送った
あなたの笑顔は
まっすぐでした

こころ細さに折れそうな
わたしの代わりを
つとめるように

あなたの笑顔は
まっすぐでした



とおく、
遮断 ....
雪のみちには月明かり

どこまでもまるく
月明かり



焦りも悔いも寂しさも
ましろな吐息
雪わたり

笑みも望みもなぐさめも
ましろな吐息
雪あかり

つめた ....
地に伏せながら
黒布は一身に熱を浴びている

欲するものは
明るみの向こうの
静寂な守り

守り、という信仰



容易くは脱ぎ捨てられぬ
軟らかな哀しみに
黒布は濡れて ....
雨は
嘆きを代弁しない

風は
怒りを
代弁しない

おまえを語れる
他者はない



星は
だれをも照らさない

花は
だれをも誘わない

おまえは
 ....
軽はずみな言葉ほど
健全なものはないからね

自然な
なりゆきの
その背にわたしは乗るよ



いたわりと偽りは紙一重

無情と無償は紙一重

流され過ぎた挙げ句の空 ....
千波 一也(758)
タイトル カテゴリ Point 日付
雪の精自由詩314/1/14 20:21
水の儀[group]自由詩314/1/14 13:39
越権[group]自由詩614/1/12 20:20
ギフト自由詩314/1/12 20:09
木のおもちゃ自由詩314/1/11 17:01
才能自由詩414/1/10 16:42
湯宿にて自由詩214/1/8 10:17
波のゆくえ自由詩314/1/7 8:18
散る葉自由詩613/3/30 10:16
無限自由詩413/3/29 14:27
氷点自由詩513/3/28 15:23
かなしい記憶自由詩613/3/21 22:10
精悍自由詩513/3/20 22:15
三寒四温自由詩313/3/12 21:29
花の一族自由詩713/3/2 10:57
大きなお世話自由詩813/2/27 16:50
向こう見ずなあなた自由詩713/2/26 18:47
遺骨自由詩713/2/25 20:41
わすれぐさ自由詩413/2/19 23:29
放物線自由詩513/2/17 19:28
火から生まれた自由詩613/2/15 7:57
うつしみ自由詩713/2/14 16:42
千年樹自由詩713/2/13 23:20
冬枯れ自由詩1013/2/13 7:56
手をつないだら[group]自由詩5*13/2/12 18:27
残されたもの[group]自由詩5*13/2/11 17:31
ふゆの肩書き自由詩4*13/2/8 18:34
ソレイユ自由詩3*13/2/7 19:02
恥知らず自由詩10*13/2/6 21:06
遠くへいきたい自由詩13*13/2/5 19:37

Home 戻る 最新へ 次へ
1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 
0.11sec.