つまずきなさい、
何度でも

ほんとの意味のつまずきに
出会うときまで
何度でも



傷つきなさい、
何度でも

深手のつもり、で
いられるうちに
癒しのすべが
 ....
カレンダーをめくると
またひとつ昨日がふえる
そうして明日が
ひとつ減る


わたしに数えられる
昨日と明日には
限りがある

なぜならわたしは
消えていくから


こ ....
ひらがな階段をのぼる子は
おとな、がそっと
支えましょう

大きな人、では
なんだかつぶれてしまいそう

それに
大きな人、など
めったにいらっしゃらないと
思われますので ....
かなしみと出逢わなければいたみなど 
ふわり、するり、と流れてゆくのに


よろこびと出逢わなければ涙など流れなかった
ぱさぱさとして




いつわりへ戻りはせずにここに ....
降りはじめた
雨に

傘をさすことにも
傘をささないことにも
正誤はないよね

どちらもきっと
雨だから

雨に
なるから


つちに濡れたほこりも
ほこりに濡れ ....
咲いてゆく音が
きこえます

川が
はじめて山をなすこころ、
そういうものが
乱れていきます


置いていかれることも
置いていくことも
じつは
まったく
同じこと
 ....
ふたりは、
まだまだ遠い

互いの肌をすべるとき
温度がちがう、と
わかるから


 のぼりつめて、
 のぼりつめて、

 この
 からだをつつむ
 きみにもたれる
 ....
{引用=



一 まざり、あう



かぜをすする、と
むねは
しずかさを
とりもどす

むかしむかし
おそらくぼくは
みずうみだったのだろう
かわではなく
うみで ....
もしも
花弁が落ちたなら
終わりましょう、
きょうを

あしたを向いて


もしも吐息を
こおらせたなら
呼び直しましょう、
水の微熱を

いのちの名前を


 ....
きみに降る雨の日を
ぼくは知らない

いちばん、
知らない

余地の
あり過ぎることが
迷子という方角を狂わせて

ときどきぼくは
ひどくさまよう



ついつい ....
雨よ降れ
ざんざん降れ
と、こいねがう村がある


たった
ひとつぶの雨だれにも
没してしまいそうな
舟がある



 めぐみや恐れや
 あれこれは

 ありえぬ ....
終わりは
すべて哀しいものだと
いつかあなたは
示したけれど

確かにわたしは
時刻をひとつなくしたけれど、

なくさなければ
始まることのなかった
時刻のなかで
わたし ....
蟻が
わらじの死骸を
運んでいく

気持ち悪い、とか
すごいちからだ、とか
そのさまに向ける言葉は
まったくの自由だ

だがそれは
彼らにとって
とても重要な生命の営みで ....
沈んで
いかなければならない

そうして深く
呼吸にもがいて
戸惑わなければならない


夢と
そっくりなものたちは
やはり、夢以外の
なにものでもない

だから、
 ....
わたしから
こぼれるものは
いくらでもある

けれど
わたしはそれを覚えない


まるで
狭い空き缶さながらに
空をあおいでは
たやすく空に
うばわれて
ゆく

 ....
いまは
ちっぽけな木の枝も
十年、二十年の歳月をゆけば
おおきく生長を
とげる

その、
生長をとげた木の枝のもと
だれもが心地よく
風に吹かれるような
あかるい午後が
 ....
きのうを飾る
わたしの言葉の裏がわで

だれかの爪が
あしたを研ぎます


 輝こうとする意思は
 ばらばらに統一された
 石として

 きらきら、と
 眠るのです
 ....
空から
落ちた日のことを
おぼえていない


海を
ながめることを海として
その浅きをのがれる
すべにおぼれる


太陽はもう
ことばではないけれど
確かにぬくもる
 ....
(どこへ
(飛びたったのだろう


ある晴れた日の、
見知らぬ誰かの離陸がまぶしい


(ぼくの日常は
(すこしだけ寂しくて

(それが全てではないけれど
(確かにそう ....
灯台は
海をさがしている

それゆえずっと
船にすくいの
手をのべる



灯台は
自らの眼を
ながらく持たない

おのれを見つめるものたちの
ことばの向こうを
 ....
よく晴れた日に
おまえは旅立ったから

空に
おまえを探して
けれど、見つからなくて
わたしはなおさら
寂しくなった


 道ばたの
 すこし汚れた草たちが
 いつかの ....
我が家(実家)には2匹の犬がいました。

約10年前、
年上だった1匹が亡くなり、

きょう、
もう1匹も、
亡くなりました。


とはいえ、19年も生きたのですか ....
これからぼくは
いくつのことばを殺すだろう

それを
知らずに生きぬいて
いつか必ず殺されるだろう

ことばへ死にゆく
ぼくなのだから



これからぼくは
いくつの ....
コンクリートの隙間へ
手をひたすとき、

かなしい人魚の
ほほえみが
過ぎる

その、
行方を追いかけやめた目の
放ってみせる空には
青のにじみが
よく似合う



 ....
一枚の葉がふくむ記憶は
みどりにそまり
やさしく香る

かぜは
ときおり険しいけれど
その手をのぞみ
樹木はそよぐ



 世のなかに
 なごみの満ちた
 晴れ間がつ ....
鎖骨の
においが
こぼれ落ちたら、

さかなのゆめに朝がくる



ことば未満の愛を交わして、
ゆっくりとたしかめる
てあしの記憶

水の
においの
シーツを背中に
 ....
 ときの
 残り火を
 消すように

 ゆっくり
 無言は敷き詰められます



夜の鏡を
おそれた時代が
あったはずですね、

なにも語らない目も
十分に言葉であ ....
そっと
腰を下ろし
いつものひとりに戻るとき
うるおいじみた
乾きがあふれ

ぼくは
あわてて
目をとじた


思い出はいつも
胸に痛い

握れるものの少なさが
はっ ....
空の高さに
かなうはずもないぼくは
ちいさな背中を
恥じらって

その、
重みに沈みこむ



けれど、きみは

願いごとを
ていねいに隠してみせるから

ぼくは ....
あした、
涙がかわいたら
海を迎えに行きましょう

果てのみえない
かなしみの

ひと粒として
あらわれましょう



雨が降っても良いのです
風が吹いても良いのです
 ....
千波 一也(758)
タイトル カテゴリ Point 日付
つまずきなさい自由詩21*08/11/19 11:20
蠍座カレンダー自由詩8*08/11/10 15:37
ひらがな階段自由詩4*08/11/4 15:11
◆出逢わなければ[group]短歌3*08/11/3 22:48
レイン自由詩4*08/10/31 15:11
待ち針自由詩5*08/10/30 12:11
濃霧[group]自由詩3*08/10/28 12:08
小詩集【かなしみ】[group]自由詩4*08/10/23 14:04
もしもの為に寄せる歌自由詩6*08/10/22 11:25
柑橘自由詩8*08/10/20 13:41
笑顔自由詩7*08/10/14 18:40
意味調べ[group]自由詩21*08/10/12 1:08
蟻をおもう蟻自由詩11*08/10/1 16:31
羽負い人自由詩6*08/9/25 14:48
羽追い人自由詩7*08/9/19 23:36
木の枝自由詩7*08/9/3 12:27
月光[group]自由詩8*08/9/2 17:44
かなしい理由自由詩24+*08/8/30 23:40
滑走路自由詩6*08/8/25 20:51
灯台自由詩11*08/8/22 14:56
よく晴れた日に[group]自由詩8*08/8/20 13:14
■老犬へ[group]散文(批評 ...6*08/8/14 22:22
これから自由詩8*08/8/13 23:01
水の扉[group]自由詩7*08/8/12 20:53
葉月自由詩6+*08/8/12 13:42
プロミネンス[group]自由詩24*08/8/11 0:35
夜露自由詩5*08/8/10 23:34
微炭酸[group]自由詩4*08/8/9 23:48
きみをのせて[group]自由詩5*08/8/9 23:09
海を越える日自由詩11*08/7/31 13:17

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