舌の部

<舌の根も乾かぬ内>
というのは
砂漠で口を開け放しにせぬ限り
また死後冷蔵でもされない限り
舌根部が乾くことはないのだから
唾液が分泌する間
つまり生ある間は ....
品屁一覧(おならのいろいろ)

[疑問屁] 高音。尻上がり。愛嬌あり。
[接続屁] 短音。連続性がある。スタッカートほどではない。
[間投屁] 低音一発。直腸のおくびめく。
[感動屁] 最大 ....
お父さんの部屋は半分おなんどで
机の横にさびたバス停がありました
お父さんが3年前
会社の近くのがらくた市で買って来ました

私と妹は大喜びしました
お母さんは
「何考えてるのよ、こんな ....
四月
夜来の雨が軒を叩いて
やんだかと思うと強まって
千の靴音を撒き散らすと
再たふと空のどこかに引っ込んで
猫のように耳を澄まして
南の果てから吹く風の
雄々しい声を聞くようで

 ....
頭にクッションをあてがい
横臥し
正面にある物を見る
それを目星とする

片眼をつむり正面を見る
反対側をつむり正面を見る
ゆっくり何度か交互につむる
(目星は上下に動き
 鼻梁に遮 ....
エイプリルフールに嘘もつかず通勤電車の千の目玉の泳ぐなかO・ヘンリーの短編を読んでいる貧相な美少女の内心は化粧広告と拾い読みの愛の言葉がガスを吐き出す夢七色のドブ川にはあらで、清楚なカレンダーを書き込 .... 岩手県内某所 事務所

小沢先生 「なに、後援会が三人になった?」
公設第一秘書 「なにぶん、権益が震災復興に集中してしまい…」
小沢先生 「決断の時至れりということだな」
公設第一秘書 「 ....
そんなに見たいのか
若いコのスカートの中
欲情対象として現物を数々見知り
地位と枯淡と長小便の中高年になってまで

ケータイにカメラが付いて以来
機能に浮かれただけの興味も潰え
ガキの今 ....
その兵隊は綺麗な目をしている
義眼さながら澄んだ一対
まばたきも忘れたかのように
永続の晴天を映しながら
それは自分をしか見ない
時々彼は女の役目もする
そんな時さえ目を閉じない

本 ....
女というものは
化粧を落とした顔がすっかり輪郭を失っている
写真の中では既に
枯れ傷んだ花弁のように色褪せて
寝室の鏡に映る素顔は男の目に見せられない

女というものは
安物スーツにハイ ....
あひるは腰かけていた
石のおいろはみどりいろ
あひるはそこへ腰かけて
誰かが来るのを待っていた
誰かが喋り声を出すのを
じっと待っていた
しんしろの太陽は黙っていた

これらの人を知っ ....
よく晴れたからお散歩に行ったよ新宿に
気持いいから君も誘ってあげようと思ったけど
五丁目まで行ったところで日が暮れてしまった
靖国通りは駐車タワーを過ぎると途端に郊外じみて
人影の絶えた街は芒 ....
府中市立白糸台小学校
校庭の一隅には珍しく
二宮金次郎の銅像があり
{引用=刻苦勉励・立身出世de官僚の道}
総身黒ずんだ彼は
歩を運ぶ態勢で停まっておるので一見わかりづらいが
用心しいし ....
鳥肌実の美しい右翼
小田実の美しい左翼
何でも良いが信念ならば
身・銭切るべし幻想にはな
本買う程度の小銭でなしに
街宣車買え
対戦車砲撃て
腹かっさばいて噴水になれ
生恥の身投げて人 ....
移ろいにつき従うなら
時ではなく
私は風について行こう
それはいつも流れており
地上を巡り行くから
私は世界を旅するだろう
決して行き着く事なく旅するだろう
過去を嘆く事もなく
未来に ....
月が紅くなったので
酒がすっかり不味くなり
呑み屋はどこも缶コロリ
夜目裏新聞そのよにあります
月が紅くなったので
白のノラ猫いなくなり
ひん剥き出された肉のよだ
白鳥アヒルも見なくなり ....
むかしむかしある所に
哀れなおんながありました
たいへん貧しく生まれたので
おんなは
人に何かをもらうことしか
考えませんでした
自分は哀れな身の上なので
情けをかけてもらうという心得で ....
音速で自転せる脳カポーティげに才人のエゴはすさまじ
凡人の我はぴょんぴょんエゴイスト自宅の前で縄跳びをする

バースデイケーキに爆竹仕込みたし分別盛りパイ投げ遊び
韃靼の帽子はあらでスペアリブ ....
夜ごと女は白面を貼りつけ
コラーゲン、ヒアルロン酸、レチノール誘導体
スクワラン、高麗人参エキス、丁子エキス
零芝エキス、甘草エキス、陳皮エキス
当帰エキス、真珠エキス
面皮が乾くと浸透の幻 ....
その夜半、電話が鳴った
冴え冴えとした月光の前庭を
一本の意図が貫いた時
女は不快な胃もたれの中で横たわり
じっと目を開けたまま
太陽の午後と雑踏の音楽を想っていた

女は喪服にアイロン ....
しかし何故羽根を持たないか
我々がそれを具有していた
(些か夢想的な)証である
残滓としての肩甲骨
その悲しい佇まいを見よ

また何故海を恐怖せねばならないのか
産声と共に肺呼吸を開始し ....
男は毛まで立っている
口の周囲を
まるで鉱物よろしく皮膚を押し上げて伸び
 (しかしありがたい事に
  神はそれを顔下半分のみに留めて下さった)
陽に透け腕を覆っている
何と安物の古毛布の ....
天下諭吉を壱枚弐枚
どーでもいい女だけ抱き
月に向かって好きだと吼える
元カノを亀の主食に股間見る
君はサイコロジカル・チェリー
耐えかねて握りしめた手のひらは
いつも汚れていつもからっぽ ....
{引用=現代狂言}
般若(シテ)、男


男   母上様、母上様。

般若  なに用。

男   それがしの願いをお聞き下さいますか。

般若  事と次第による。

男   薄 ....
 松の内を過ぎると、これを広告するポスター、ポップがコンビニの定番になった。
 チョコレート一色までの中継ぎといった位置づけか、成人の日も過ぎればランチ時、オフィス街の店舗では言われないのに自宅近
 ....
て何だ
ガソリンスタンドはこればっか
客に手を汚せというのかしら
石油の匂いは嫌いじゃないけど
まどっちかゆーと愛してるけど
可燃性危険物がボタボタ垂れるレバーハンドルを
何で金払ってまで ....
{引用=進歩は昔話を撲滅する}
 あんたの事は食わしちゃる
 あたしが部屋で何しとるかは
 詮索せんといて
 覗きでもしたら出て行くきね

女房のオツーはそう言って襖を閉め
日がな何事か ....
 私見だが、都と警視庁と商店街のタッグで健全化した、最近の歌舞伎町ほど女に安全な町はない。
 不夜城という通り、夜っぴて明るく人目があり(裏手に暗がりと悪意はあるのだろう)、あの頃ダブルのスーツに角 ....
ふと雑誌の広告を見て
コーセーという化粧品会社の存在を忘れていた自分に
ちょっと驚く
長らくpdc(ポーラデイリーコスメ)を使って来たからか
いずれ価格帯のせいだろう
ドラッグストアやスーパ ....
 流行はぐるりと巡って、パンツはストレートからスキニー最盛だ。ウレタン樹脂の穿き心地を男性も楽しめるところが前回と違う。
 
 にもかかわらず高校生の男の子達は、相変わらずブカブカのをずり下げて穿 ....
salco(586)
タイトル カテゴリ Point 日付
理屈に沿う解釈は屁理屈になり得るか自由詩4*13/4/19 23:31
分類学 [へ]の項自由詩5*13/4/14 23:35
バス停自由詩27*13/4/11 23:21
自由詩9*13/4/7 23:26
垂直ウィンク自由詩3*13/4/4 23:32
四月自由詩6*13/4/1 23:00
政治家劇場 春場所散文(批評 ...3*13/3/31 23:35
傾向と対策自由詩5*13/3/28 23:38
少年人形自由詩7*13/3/25 23:22
誰が食わせてやってるんだ式自由詩10+*13/3/22 0:16
みどりが丘で自由詩16*13/3/18 23:43
ねこと神楽坂自由詩8*13/3/14 23:17
二宮考自由詩1*13/3/12 23:23
思想碑自由詩4*13/3/8 23:27
慰藉自由詩11*13/3/6 23:25
色変期(しきへんき)自由詩5*13/3/3 23:56
砂をんな自由詩18*13/2/26 23:33
分別短歌1*13/2/25 23:30
仏壇をんな自由詩9*13/2/20 23:49
喪服自由詩10*13/2/18 23:05
肉と骨について自由詩7*13/2/16 23:15
毛と肉について自由詩7*13/2/6 23:11
月下桜桃(サイコロジカル・チェリー)自由詩4*13/2/3 23:12
鬼灯自由詩10*13/1/31 0:04
風物考 恵方巻散文(批評 ...1*13/1/28 23:24
セルフ自由詩7*13/1/27 23:17
鶴の恩返し自由詩31*13/1/22 23:28
風俗考 幇間の部散文(批評 ...3*13/1/20 23:25
オバサン覚え書き自由詩10*13/1/17 0:35
風俗考 青春の部散文(批評 ...4*13/1/14 23:36

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