才能のない手合に限って方法論をぶつ
その持論は概して誰の役にも立たない
自分の役にすら立っていないものを


頭の悪い女はウザい
確かに、見方によってはご愛嬌でもあるのだろう
頭の悪い男 ....
猿子 「詩はお肌に良くないですね、髪は速く伸びる気がするけど」
流砂子 「そうね。あたくしの主人は詩なんぞ解さないへっぽこですから、あんなに眉が薄いのだわ。気味が悪いくらい」
猿子 「智恵子抄なん ....
11月、木々の葉が色づきはらはら落ち始める
北風は来年の暗澹を伝えて道行く人の首根をつかむ

11月、テラスでコーヒー飲んでる女の唇がひび割れて
口蓋で舌が卑怯な男に打電する、シで始まる五段活 ....
何もかもが過ぎて行く
そして何もかもが帰って来る
落とし、奪われ、失くした何もかもが
心の中では連綿と紡ぎ直されてつながって行く
これをウィーヴィングと呼んでいる
トリックとまでは行かない修 ....
{引用=謁見}

 広大な謁見の間に通された時には夜になっていた。
 薄暗い上に火の気もなく、贅を尽くした装飾も寒々と、磨き込まれた御
影の床が湖面のように底光りしている。入室に際して外套を脱 ....
台風10号が来て、レアル・マドリードが来た
大荒れと予報されていた今日は
夕方から静やかに晴れ
レアルは予定通り3‐1で勝ち、時化は太平洋沿岸だけ
夜中も大気は凪いでいる
私は王韮の古いCD ....
新宿駅の地下連絡通路に連なり通行人をガイドする
柱の鏡で彼女は念入りな化粧の最中だった
思春期の門口に立つ少女のようにあどけなく熱心に
出勤前のホステスのように身を乗り出し一心不乱に
何千とい ....
へたばって、白鳥が
へたばって、きりんが
地面にくびを横たえくたばって

高い所ばっか見て来たせいかな

くびが長いって哀しいね
体より
何でくびが長いんだろう
脳には無用な機能なの ....
{引用=早馬と女}

 南の国から女がやって来たのはそれから十日も経った頃だった。
 早馬は本当だったが陸続きではなかったので、元侍医長が旅程から若干
の紺碧と波頭を割愛したのは、恐懼のあまり ....
やがて晩秋というのに夜中のしじま
身を寄せ合う恋人達の姿もない
灰色のロミオは塀の上
ソネットをひとくさり
オウ、ムォウ、マオ、アオー
猫が、まるで狼族の遠吠えのよう


{引用=出て ....
眼帯

眼帯の涯は北方異土の涯
当てやれば人形羞じる生理帯
中指を鍵とし破れ貞操帯
臍帯を齧り亡母と吾を偲ぶ
露皇女の宝石胴着即死阻止
あばら骨締めて名古屋の帯愉悦


遮眼子
 ....
蒼穹も黄金の砂丘も皆寝静まって
全ては動かない
ひと棹の楽器も横たわっている
微風さえもが画布に張りついて
夢の ゆ の字

黒い少女の纏う長衣の
この世ならぬ配色は
仄かに艶めかしい ....
創世記

毛の生えたチーズ 
毛の生えた石けん
毛の生えたキャンディー
毛の無い性器


手っ取り早く金持ちになる方法

花束を買って帰る
(鉢植、観葉植物は不可)


摂 ....
蛙孵る

フェニキアのある川のほとりに小さな村がありました
その村の外れの小さな森には小さな池があり
小さな蛙がわんさと棲んでおりました
ある春の日のこと
1個の卵からピンクのおたまじゃく ....
晴れ渡った空の青が濃いのは季節の分かれ目だから
あたしは出かけなければならなかった
剥離は目撃しなければいけないのに
お父さんは寝転がってゴルフばかり見ているし
9月さいごの日曜日だからと言っ ....
{ルビ機構=システム}の一員に過ぎないという自覚
この無自覚で人は何でもやる
けれどメンゲレの対象認識、その冷酷は
機構に責任を帰せられるものではなく
導き出された個の資質に他ならない
善き ....
ストロベリーとカスタード
生クリームにマスカルポーネ
いちばんカラダが甘くておいしい
スペクタキュラス、インテグラル
五反田のペントハウスでクンニリングス
ゴーヂャスに裏さびれたお肉の宴
 ....
{引用=壱}
部長失踪

「たいせつな家族を探してください
栗色のロングコート・チワワ2歳、名前 部長
狛江市と調布市の境近辺で行方不明になりました」

雨上がりの駅前、電信柱にカラーコ ....
降下した米兵を殺してロープに繋ぎ
歌いながら曳き回すモガディシュの人々
襤褸さながら転々する、頭のもげた死体
Mercy

蹴倒され髪を掴まれ哀号と泣き叫び
腑抜けのように脚を開いて
日 ....
{引用=人は誰でも他人の黒衣。操っていると思っても、操られている。
阿呆のからくり糸巻車。
そろそろ時が来たようね
中世から、このてのひらの上の地図まで時がなぞる、阿呆の船の輪郭。
ガリレオ・ ....
{引用=お煩い}

 二日に一度、王子は乳母に抱かれて母上にお目通りするのだった。とこ
ろが扶育大官だけが入室し、つつがなくお育ち遊ばされている旨奏上する
のを控えで待つだけである。
 天井 ....
未明からカラス達が鳴き騒ぐ
燃えるごみの日
電力を享楽する都会 まして貪欲な鳥達に
夜盲は無縁なのだろう
ゥアー ゥアー
アー アー
グオッグオッ オッオッ
アガ アガ グァー
多彩な ....
二人のロッテ

伸びた髪 背中温め自分乙!
「卑弥呼さまぁ!」随時可能な自分乙!

挟まってムーチョむかつく入眠時
シャンプーでびびるお岩な抜け毛嵩


2010夏総括

「ナン ....
ブヨブヨな意気地を腐った体とギガだせー服で包み
指先大の仮想世界で王様やってるチンカス野郎と違って
原寸大の実社会で膂力を持て余す益荒男にとっちゃ
徴兵制もねえユルユルまんこみてーな日本は窮屈極 ....
還暦になりたる人の臓物はカーボンの色 朝すすり泣く
大気圧耐えるS字の脊椎は儚き生のエピタフに似る
年月を長き指にて掻きむしり爪老い侘びぬ月面映し
平穏は耳鳴りだよと腕時計外し目を揉む薄日の読書 ....
蜂に刺された事はある
蛇に咬まれた事はない
犬に噛まれた事はあっても
狂犬病を伝染された事はない
ライオンの檻には近づかない
骨折はあるが、頸椎や脊髄の損傷はない
指は切ったが切断に至った ....
 フォルム

カント・フロイト・エピキュロス
それは遅れてやって来る口唇期
いや十数年を隔てて再発現する恣意的口唇期
恋人達はみなジークムント・フロイトの愛弟子
今や心理学では眉を吊り上げ ....
 {ルビ永久=とこしえ}の春の国       霊魂

永久の国が空にある    森をさ迷う恋人よ
雲雀の嬉しげな    安らう時を知らぬのか
姿無い囀りの遥かな高みに    湖水に休む月影を
 ....
{引用=犬女}

 この国では乳首が三つとか乳房が一対以上ある女はイヌメと呼ばれ、豊
穣神に遣わされた乳母として少女の内に取り立てられた。
 次代の国王と王位継承者をその乳で扶育仕るという名誉 ....
{引用=産}

 さて女王だが、日夜の狂態に目は隈取られ歌い皺が眉間と頬に刻まれ、
幾度と香油をすり込んでも肌から瑞々しさが逃げ、豚のように食べてもや
つれ{ルビ鱶=ふか}のように飲んでも渇き ....
salco(586)
タイトル カテゴリ Point 日付
文化の日に剥け皮向く自由詩4*10/11/2 21:04
☟ダブルアカウント・猿子と流砂子☞散文(批評 ...3*10/11/1 21:35
十一月自由詩3*10/11/1 21:00
燃えないごみの日自由詩6*10/10/31 7:24
Queeeeeeeen散文(批評 ...0+*10/10/30 19:54
サッカーボールと地球について自由詩4*10/10/30 16:47
かれん自由詩5*10/10/29 20:50
くび自由詩9*10/10/28 20:11
Queeeeeeen散文(批評 ...2+*10/10/26 22:29
Calling ❤ Juliet自由詩6*10/10/26 20:26
眼帯 / 遮眼子川柳1*10/10/25 20:49
ルソーの月自由詩7*10/10/24 5:33
シュレッダー自由詩2*10/10/22 23:50
十月の童話自由詩2*10/10/21 21:32
少女詩 さいごの日曜日自由詩6*10/10/20 21:52
メンゲレ自由詩2*10/10/20 20:53
ズッパ・インテグレーゼ自由詩5*10/10/19 21:17
地域限定詩 其壱、其弐自由詩3+*10/10/19 21:13
Mercy自由詩3*10/10/18 22:34
演劇の有用性について散文(批評 ...3+*10/10/18 19:51
Queeeeeen散文(批評 ...0*10/10/18 0:49
燃えるごみの日自由詩7+*10/10/17 7:11
二人のロッテ川柳2*10/10/16 10:48
殺しの法悦自由詩5*10/10/15 0:12
バ 〰 カ短歌3*10/10/14 1:24
健康自由詩18*10/10/12 23:13
長編詩 陰茎 (審美学的観察と考察の試み)自由詩9*10/10/9 21:58
永久の春の国 / 霊魂自由詩6*10/10/7 21:45
Queeeeen散文(批評 ...0*10/10/7 0:01
Queeeen散文(批評 ...3*10/10/5 1:13

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