画面のほうでなく
カーテンを見た
おもしろみのないまっしろなやつだ

気持ちがほっとする
わたしははっとする

雨で道路はまだら
手をつなぎながら歩いて笑う
雨なんて平気
ひどくな ....
夫の耳を探っていると
小さな化石が出てきた
耳掃除は毎週日曜と決めているが
今まで見たことも無い色だった
これはいつのものですかと聞いてみる
寝言で
白亜紀と返事が返ってくる……


 ....
押し付けられて
眼裏がオーロラに輝く

ひとを区切ること
それらを憎む
陰口であのひとが嫌いになってしまうじゃないか

穏やかに微笑まれると
まずいなって気がして

こっち向けよと ....
 難しいことはわかりませんが、詩について思ったことをそのまま書いてみます。詩がもっと歌われることを信じて。



 詩を書こうとして書く人も、書いてみたら詩になった人もいると思う。例えば、「か ....
私の心のなかには
冷蔵庫と電子レンジがあって
冷めかけた向上心は
電子レンジへ
さっきの失敗を
冷蔵庫へと
毎日、毎日、使います
使い間違えることもあって
反省のために温める失敗と一緒 ....
踏みつけにしていた
室内履きの踵を直すあいだは
口づけを考えていた
唇で触れると
少しずつ嘘が増えることを
あなたは知らない

優しく唇を塞がれるその前に
目を 閉じさせられる
目を ....
タクシーをつかまえて
光の街を走って行く
対向車のライトも
ぼやけて通り過ぎる
車の
屋根に
窓に
雨粒の落ちる音が
軽はずみに続く
水しぶき跳ね上がる音に
ひとりごとのような
 ....
キャンドルサービスの
チャペルは光の海
穏やかな海
かすかなざわめきと
小さな炎が重なり合って
ゆるやかな波ができている
本物の海にも似た
あたたかな波が
わたしのこころのすぐ傍まで
 ....
雨降りに音楽は選べない
頭のなか
ひっきりなしに音が
ピアノ
英詩のうた
アルペジオ

無闇に悲しく
視線を避けてしまう
温めてやりたいが
言葉が今日も見つからない

近く遠く ....
裸のはずが
あなたの手のひらで再び
脱がされる
シーツ
ではなくテーブルクロスの上で
たなごころを探られ
そして
入口は見つけられていた

酔いざましの道のりは
選ばれることを好ま ....
君の世界の青に気がついた時
わたしの世界は終わってしまった
崩れ去る白、赤、黒
国はもう機能しない
優れた防衛隊員だとか
優れた外相だとか
そんなものは実に無意味なのだった
おまえはどう ....
わざと寄り道をして
今夜
辿り着けないでいる
いちばんほしいものは
まだまだ手に入れないでいよう
おかしな病気に罹って
笑っているのです
あなたは
身につまされる思い
ではありません ....
窓の外を眺めろ
夜だ
空白がやってくる

ネオンの光に何があるというのだ
美しさに中身は伴わない
いつも置き去りにされているじゃあないか
本を買わずに店を出る
夜風に我を忘れる時間のな ....
朝がわたしを起こす
光の言いなりに顔を洗ってそれから
わたしは適当な時間が来るまで時間を潰そうとしている

適当な時間
適当な時間
適当な時間

被害者Aが言った
被害者Bが言っ ....
宵の口に呑む冷酒よりも
真夜中に飲むアイスコーヒー
君が教えてくれたこと全部
心のノートに書き留めて
明日を駆ける勇気にするの
こいびとと遠く離れても
しっかり生きていけるように
力がほ ....
うすみずいろの空気のなかに
波のように広がる まろやかな階段
動きを止めた時計の針
薄い氷の窓
やがて
透明な光が窓から差し込んで
いつかのざわめきが聞こえてくる
青白く輝き出す壁の陰で ....
ちょうど二秒の
時が止まった
あなたを見つめて時が止まった
階段を昇って
やがて見える窓からの朝日を背に
立っていたあなた
なんでもないように
挨拶をするのが
とても難しくて
とても ....
サプリメントとして君の歌声を常用
チェーンスモーカーのちょうど右隣
不真面目に不本意に
中毒になってゆきます
癒されたがっている後姿
ええ恐いんですほんとうは
君に慣れ 君が必要で
君に ....
水の 
集まって凍る音がして
画面が白くなった
ローマ字打ちもします
聞かれないことから話す
いつものやり方

あなたと話していると
楽しいのはなぜだろう
暖かく日の差し込む
気配 ....
黙り込むあなたを見習って
軽はずみに言葉を使わぬよう
恐れるべきなのかもしれない
些細な事柄も全て

退屈は限りなく死に近い
以前、死人だったことのあるわたしは
自分を守るように行動する ....
雑音の向こう
カウントを間違えたまま曲を聴く
錯覚はいつも美しくて

夜は青く
風は冷たい
寝顔は優しく
想いは遠い

春や夏の境界線を数えた日を
意味無いことと思う
君の笑顔
 ....
いつからか聞こえている低音
息遣いが確かに在った
〈それはそう、あれなのだよ、
俺はそう思うね〉
言葉の輪郭をなぞりながら
からっぽの頭に繰返して話す
それは先程伺いましたと
シャッター ....
指輪を失くしたと
手を擦り
目が覚めた朝は
階段を慌しく降りる
冷たい空気を吸い込んで
駅へ急ぐ
人の波、人の波
わたしを忘れないように
改札機に名刺を入れて
こころだけしゃがみこむ ....
長い一日が終わる
あなたの口癖が移る
ロッカー室の突き当たり
鏡の向こうの世界には
まだ行ったことがない
タバコの煙も
赤く見えるらしいと
誰かが囁いている
笑い声が硬く響き
あなた ....
空の青い昼間
緑が泳ぐ風のなか
メキシコの風の神様が見ていた
あなたの喉は
無防備に剥き出しだった
咬みついてもいいかと問うて
答える間も置かず
甘噛みした
あなたは声を上げなかった
 ....
なぜ そんなにも突然に
優しい言葉を呟いて
優しい顔をしているの

いつものあなたのはずなのに
どうしてわたしはどきどきするの
あなたの言葉は呪文だ
あなたのくちづけは魔法だ
肩越しの ....
無愛想に噛んでいるガムは
世の中つまんないの印
薄汚れたジージャン
色抜けた黒ジーンズ

髪の赤いのは生まれつきでも
やっぱり笑えるほど愉快でもない
泣き出しそうな坊やにだけ
ひらひら ....
君のその嘘っぽい振る舞い
きらいだ
いつだって つまらなそうにして
きらいだ
いちいちバカ正直で
きらいだ
少し前の自分のようで
きらいだ
今 間違っているような気がして
ごめん、だ ....
不思議な夢のなかを
幾つも走り抜けると
夜が明けていた
あのひとの笑顔が
眼裏に追いかけてくる

卒業式の気分で
この朝を見ている
雲は白く輝き
空気は青く澄んで
どこまでも続いて ....
さらってくように
君を風に乗せて
赤い魂を見せよう

炎よりきれいだから
ルビィにしようか
ドレスにしょうか

せっかく手の中で見せているのに
君は笑うんだ、悲しそうに
思わず落と ....
よしおかさくら(156)
タイトル カテゴリ Point 日付
変わらないでそこにある自由詩1*08/1/29 21:12
化石[group]自由詩2*08/1/28 10:43
ピカレスク[group]自由詩1*08/1/26 14:34
批評祭参加作品■詩について書いてみる 詩は歌うもの 物語は読 ...[group]散文(批評 ...3*08/1/26 0:30
冷蔵庫と電子レンジ自由詩5*08/1/22 11:27
口づけ[group]自由詩0*08/1/17 13:09
タクシーをつかまえて自由詩1*07/12/26 9:43
光の海自由詩1*07/12/21 15:04
鈍色[group]自由詩3*07/12/19 13:05
たなごころ[group]自由詩4*07/12/17 12:18
亡命[group]自由詩3*07/12/16 17:21
恋文自由詩1*07/12/12 12:15
空白[group]自由詩1*07/12/10 14:37
[group]自由詩107/12/10 14:03
ドライヴ自由詩1*07/12/7 14:11
心の部屋自由詩3*07/12/6 0:41
二秒の時自由詩2*07/12/4 14:02
サプリエイジ自由詩0*07/12/3 18:24
カーテンを開けよう[group]自由詩3*07/12/3 14:33
穴居[group]自由詩2+*07/12/2 17:47
季節はずれ[group]自由詩2*07/11/30 22:34
[group]自由詩1*07/11/30 22:32
白く見えた空[group]自由詩2*07/11/29 20:30
ロッカー室の怪[group]自由詩1+*07/11/29 20:29
咬みつきたい自由詩5*07/11/29 20:28
なぜ そんなにも突然に[group]自由詩3*07/11/28 17:56
スーパーで自由詩3*07/11/28 17:53
だいきらい自由詩3*07/11/27 12:05
これから これから自由詩1*07/11/27 12:05
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