ひとりでいることの虚しさと、ふたりでいることの寂しさ。
おんなじ言葉を喋っていても、
人はそれぞれ、住んでいる惑星が違う。
おんなじ惑星の彼女に出会った僕は、
ただこの星にこもって、言葉の畑を ....
世界の人口分のひとり
日本の人口分のひとり
このひとり分で
何が変えられるのだろう
ひとり分の重み
実感したい重み
ユポ紙は受け止めてくれるだろうか
届けてくれるだろうか
....
さあ、行った
こいつはスクーターをお持ちだ
ふたたび楽器になり
スクーターの上(へ)に催す
ここへは行ったきりだ
去り際に〈戻ってきた話〉
を置いていくばかりだ
酒場で喉をつぶす以外 ....
お客様、現金一括の支払いですと
このクルマのお値引はここまでなんです
残価設定型クレジットにして頂けますと
もう少し値引きできるのですが
現金一括のほうが
高くなるっておかしいでしょう? ....
少し行った所に大きな本屋がある
キャッチ―なお題で
少し濃い目に化粧した本たちが
私は本ですってアイドルの顔して
凛と立ってみたり
人気者のふうで積み上がってみたりする
最近はお洒落な ....
綿のループ
いくつもの群れとなり
ベッドにかけられれば一枚の布
ナイトランプに照らされて
月影を映す
手触りは
馴染んた人の肌のようで
撫でれば
もっとやさしく
わたしを撫でかえ ....
「わたしがわるいから」
「やめたいから」
「証拠なんて、ないねん」
なんの脈絡もなく
紡ぎ出された寝言を聴いた
寝言は寝て云え、とはよく云ったもんだ
わけがわからないのは
寝 ....
黎明の時間がひろがっていた
こともなげに日々は過ぎていき
わたしはしおれた案山子のように日に打ち照らされている
かいつまんで話をすることもない
唇は固く閉じられていて、それ ....
「なにも、なかったん?
わたしはなにも悪くないの?」
という寝言を聴いた気がする
いまさっき
この部屋のとなりのベットで寝ている
ひとのくちびるから
そんな言葉が
漏れた気が ....
何にでも肯定的な
徹底したイエスマンで
構成された政党で
ビジネスマンの圧倒的な
支持を得ている
基本的に
主体的に何かを考えたり
行動することはなく
複数の意見がある場合は
権 ....
夏の夜風は
思い出の形をした
巻き貝から吹いていて
静かな海の
やさしい波音は
地球に命が生まれたときに
落ちた涙の音を含んでいて
さわさわとゆらゆらと
秘密の中で育ったすくすくと
....
ポケットの中の
小さな祭壇に
頭を垂れる人々
画面の光が
夜の神となる
瓦礫の上に立ち
再び家を崩しながら
誰も泣かず
誰も問わず
崩れる音に拍手を送る
腐臭を嗅ぎながら
....
酸っぱいだけのレモンに
灼熱にカーヴを纏いつかせる陽の火と
溶け出したとろりと粘る濃いアカシアの蜂蜜垂らし
舌に滴り落とし
規則正しさや均一 ....
生きてるって感じ
ビンビンに感じさせてよ
ライブリビング
成り行き任せの風任せ
明日の事なんて知るもんか
今日を生きるので精一杯です
生きている
終わ ....
耳障りのいい詩が嫌いだ
愛を唄った詩が嫌いだ
弱者のための詩が嫌いだ
流行りの詩が嫌いだ
公共の電波に乗る詩が
街中で耳に飛び込んでくる詩が
有象無象が口ずさむ ....
夕刻の残光、一伸び
響き入る旋律の揺れ
美しく優雅に寛ぎつつ
次第に消えいく感覚の現れ達
くぐもることなく鮮やかに
ゆぅん ゆぅうん ゆぅうん
上から下から前から後ろから
深く濃く ....
人と人が争う
愚かな存在
人と人が助けある
尊き存在
棘のある言葉で
刺し合う悲しき存在
思いありある言葉で
励まし合うやさしき存在
悲しい時に涙しか流せない
哀れな ....
もぐらだったのです
そんな僕は暗中模索の中で
鶏になろうと頑張ってました
でもやっぱなかなかなれない
鶏への道は長かったのです
ところが
鶏になるつもり ....
カモフラージュされた
シチューの中の
まさかなにんじんは
なんとも云えない気持ちだ
パンだ
だからあの木の家で
嘘みたいな彼氏と
嘘みたいな彼女と ....
窮屈な螺旋階段でぽつり
勘違いなバナナ
だけどそれで良かった
回り回り
ここに花の種
だって彼はそれで天国に逝ったから
君にできるかね
花開く日の ....
どこまでも醜くなれる
ネットのコメントに従って
落ちてく心を
それでも拾って
外に出よう
誹謗中傷
してこなかったことが
しないことが
僕のポリシーの一つ
だからまだ上がる手 ....
一年半以上、TBSの土曜特番から毎週誹謗中傷
を受けている兵庫県知事斎藤元彦氏が今日、X
上で次のように発言している。
私たちが生きる時代は、常に変化の連続です。
そして、真の変革の波 ....
残るのはからっぽの部屋と、開かれた扉だけが、正しい それでもいま、ここに 破水したのは 空のほうだった みっつ折りのまま 寝返りを打つ 網のあいだで、骨が増え うしろむきにあったような 子宮の ....
うす紅のキンギョソウ一輪 その
散る音に目を覚まし、沈黙は山の見つめるとき
神宿る七月の森は、こな雪
里の稲穂は葉の鋭さを増し、生きる 道しるべ
石の鳥居をくぐれば 我をわ ....
懐かしい街
子供の頃住んでいた
店はほとんど変わって
思い出の場所は半分以下に削がれても
頭の中で補う思い出が
口をついて出てくる
もういない友だち
街からもこの世からも
思い出残 ....
物語りはエンドレスのように
季節は音もなく日々を刻んでいた
地表には取り憑かれたように草たちは伸び
虫はそれに寄り添うように紡いでいる
夏は蝉の音と虫の音が混錬し
熱波が地表を包んでいた ....
地球の五次元移行について真剣に考えてみた。最後はまごころを込めて一心に祈ることしかないのではないかという気がした。思考ではなく感覚でそう感じた。
不退転の祝詞「アチマリカム」を唱えても、唱え ....
夏の火照った肌
雨も涙のよう
汗ばむ皮膚を鼓膜に変える
そのねぐるしい抱擁の中
どこか つめたい絃のよう
はりめぐらされた
怪異という快楽へ
二度 三度と
夢は寝返りをうつ
盥の中
....
時よ
お前は果てようとするのか
時のない世界など考えようがない
しかし時は
無慈悲に過ぎて
すべてを貫通していく
砂の落ちるのに合わせて
時が過ぎていく
時として
永遠が思い浮か ....
○「和」
和という精神が
日本人には
遺伝子のように
組み込まれているようだ
これがややもすると
「みんなに好かれたい」
「誰からも嫌われたくない」
という夢願望に変わるときがある
....
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