生きるのは痛い
北風の切っ先
酷暑のサンドペーパー
でもこたえるのはむしろ 肉体よりも 心

人々は 視線の剣を結びあいながら
肩を怒らせて 通りを行き交う
道端の植え込み 鳥たちは 素 ....
やけくそになった時 何がしたくなるか?
鏡の向こうに住む 男に聞いてみた
奴はこう答えた お前と御同様
欲しいのは自分を 変えてくれる薬だぜ

町の空はビルに塞がれ カラスの群れがゴミを漁る ....
月光をグラスに落として
バーボンを注ぐ
舌の上に
冷たく燃える
冬の夜のエッセンス

庭先で
君の幻と踊る
その虚ろで
優しさに満ちた微笑み
白いガウンの下で
その身体は
磨り ....
もしも神に出会ったら

すがり付くだろうか
狂った歯車を止めてくれと

飛びかかるだろうか
生きる痛みの責めを負えと

それとも

お茶に招くだろうか
穏やかな春の午後に

 ....
君は ポーズをとる
傷ついた純真
夢の紡ぎ手
{ルビ女王=クイーン}
その他 もろもろ

その全てに 飽きたとき

君は 煙草をくわえる
春先のプラットホームで
紫煙の中に霞む 擦 ....
殻を破った指先が
外気に触れて凍りつく
口を広げる卵の亀裂の間から
盛大な湯気が上がる

でてきた
でてきた

やあ 冬景色にようこそ
素っ裸の体に鳥肌を立てて
君は生まれたての大 ....
母さん
随分あんたと
話してないな
いつも 棘を踏むような気分にさせられるから

母さん
今日も元気に働いてるかい
俺のいない町で 遠い空の下で
自由を楽しんでるかい 暴君だった親父か ....
やあ
何も愛してないぜ
俺は今 何も愛していない 何も

鎖にぶら下がった流しの栓みたいに 底なしの穴の上で 所在無げ
黒いゴムの顎先から 滴が垂れる ゆっくりと
涙型に結ばれた水滴が ス ....
経験という鍋の中で茹で上がった
卵の殻を剥くように
お前の理性や
潜在意識を
一枚 一枚
ひとかけらずつ
はぎ取っていって
その むき出しの魂を
この手の中に 見つめてみたい
白く  ....
倦怠は ぬるい酸のように
この肌を 柔らかく溶かしていく
このバスタブから 立ち上がれば
街の風が 洗うだろう

むき出しにされた 俺の白いあばら骨を
カルシウムで出来た 籠の網目の隙間か ....
突然現れた希望が
暗闇の中ですさんだお前の身体を
光の元に暴き出した
お前は頭を抱えてうずくまる
ふしくれた指の間から
針金のような髪が四方八方に飛び出している
かびたパンのような身体には ....
トンビが輪を描いた
僕はそこに
メッセージを探す
空っぽの空に残された 足跡に

寂しいけど 寂しくない
不思議な気分だ
君の温もりを求めなくても
すでに世界の腕が
僕を抱きかかえて ....
いいって 気にすんな
そう テーブルの上の
サイコロが 言った

そこで 僕は
この肩に 乗った
もろもろの 煩いを
サイコロに なすりつけて
もう一度 転がしてみた

キン キン ....
君が欲しがっているのは
たった一つの答え

ブラックホールに飛び込んだ
一粒の光のように
闇の中を手探りしている

僕は天体望遠鏡で
その足取りを見守る
君の想いはこの星を飛び立ち
 ....
窓硝子から流れ込む 午後の陽光に
植木鉢の スパティフィラムが
静かに 溺れていく

凍えた足首を燃やす 電気ストーブ
郵便ポストに忘れられた 年賀状
西向きの食器棚から 背伸びして外を見 ....
君が走ると 僕は見とれる
魚の群れの様に 小麦畑を泳ぐ風を
小さな身体で押しのけて 少年は走る
そのせわしない息 涙にむせかえる ひたむきなまなざし

今朝 彼の犬が死んだ
一晩中 暖炉の ....
自転車の ペダルを漕ぐ
すると世界も 一緒に回りだす

夕暮れの街並みは
河川敷の 向こう側
なだらかに傾いた 地平線に震えて
ゆっくりと 夜に向かって 滑り落ちていく

泉を横目に  ....
 目玉焼きに魚、ご飯に味噌汁。朝食のような昼食を食べて、僕は満腹だ。
それで今は、少し動きづらいので、大掃除も買い物も後回しにして、キーを叩いている。なんだか頭が重い。土星のように重い。乱気流が縞 ....
自分に飽きてしまった
自分という人間に
読み古した漫画のように
この心は何の刺激も与えてくれない
年明けとともにカレンダーを張り替えるように
自分という人間そのものを 刷新してみたい

 ....
彼女が話す
僕が聴く

彼女が 引き続き話す
僕が 引き続き聴く

やがてこの身体は 彼女の声でいっぱいになり
両耳から注ぎ込まれた言葉が
目から 鼻から
(口はまだ 我慢強く結ばれ ....

言葉を追いかける
僕は椅子に腰かけ 瞑目して
その思いは 頭の中で 駆け足をしている
言葉は闇に走る 七色の光の筋
僕に誘いかけてくる さあ 捕まえてみなさい と

そんなことは し ....
青から黒へと
深まっていく海
そこを泳ぐ一匹の魚
銀の鱗の 鈍いきらめきが
終わりなき深淵の入り口に 一瞬の間 ひるがえる

はなやぐサンゴも
ウミユリのたなびきも
今は ささやかな記 ....
 クリスマス・イヴだ。
 みんな何をして過ごしているのだろうか。
 僕は暗い部屋に一人、パソコンに向かってキーをたたいている。サンタが訪れて来そうな気配はない。というか、今朝から誰一人この家を訪れ ....
三日月に 梯子をかけて
一緒に 昇っていきましょう

僕の秘蔵のワインボトル マントの裏に忍ばせて
風にあおられるトンガリ帽子を 飛ばされぬようおさえながら

夜遊び仲間の君の肩 しゃべる ....
君は なぜ泣く
いずれ全ては 塵に帰るだろう
その時涙を流すのは たぶん空の雨雲だけ

君は なぜ泣く
瞳の奥に築いてきた{ルビ堰=せき}が 崩れてしまったのかい
人の言葉が 痛ましい眺め ....
朝の光が 羊毛の絨毯の上にうずくまっている
まるで まぶしい水たまりのように
君は 寝癖だらけの髪のまま
そこに まだ生まれ落ちる前の 思い出を探している

揺れるレースのカーテン 風は優し ....
この口は 冗談が言えない
石切り場のように 殺伐としていて

この目は 花を愛でない
照準器のように ただ狙いをつけて

この指は 傷を縫わない
ナイフのように 切り裂くだけで

お ....
悲しくない
誰かの子供が死んでも
無垢な命が 奪われても

悲しくない
正義がなくても
押しつけがましい 物差しがなくても

悲しくない
君が泣いても
乾いた泥にまみれた頬を しょ ....
凪の日が 続いている

折り紙で作った
僕の船のモーターは
折り目正しく回転して
たった一人の乗客を乗せた
ぺらっぺらの乗り物を 水色の平面の 先へ先へと 押していく

ああ これほど ....
愛していると告げた時
何かが間違っていた
それは
蜜を湛えた
花というよりは
壁から伸びた 鎖だった

君という船を 僕という港に 繋ぎ止めておくための
その言葉は 何も与えずただ 拘 ....
まーつん(274)
タイトル カテゴリ Point 日付
末路自由詩9*12/2/19 18:08
この素晴らしき社会自由詩7*12/2/15 23:42
月光をグラスに落として自由詩5*12/2/3 23:05
もしも神に出合ったら自由詩5*12/2/3 0:05
春と決別自由詩11*12/1/18 0:38
絵の中に転生自由詩6*12/1/16 0:32
カラスを生んだ鳩自由詩12*12/1/14 23:26
やあ自由詩712/1/14 0:33
シーツ自由詩6*12/1/13 0:45
ぬるま湯自由詩6*12/1/12 21:43
迷い子(ゴラムに)自由詩7*12/1/8 22:48
再会自由詩7*12/1/8 18:55
サイコロ自由詩9*12/1/5 23:39
一粒の光自由詩4*12/1/5 21:41
スパティフィラム自由詩12*12/1/1 14:55
君が走ると自由詩6*12/1/1 11:04
枝先自由詩11*11/12/31 13:41
散文(批評 ...3*11/12/29 18:45
古雑誌自由詩5+*11/12/28 0:24
聞き上手自由詩9*11/12/26 23:39
なないろの言葉自由詩15*11/12/25 22:52
自由詩5*11/12/25 20:21
イヴの罠散文(批評 ...3*11/12/24 0:27
三日月に梯子をかけて自由詩12*11/12/22 0:47
君はなぜ泣く自由詩511/12/20 23:13
羊毛の絨毯自由詩6*11/12/20 3:10
安宿自由詩311/12/20 1:44
フクロウ自由詩5*11/12/15 23:29
凪の日自由詩8*11/12/14 23:41
契約自由詩5*11/12/13 9:21

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