馬鹿だから 恥を知らずに 生きられる
青空の下で歌いたい
防音壁に囲まれた
カラオケボックスの中でなく
往来の真ん中で歌いたい
国会議事堂でも歌いたい
処刑場でも歌いたい
葬儀場でも歌いたい
教室でも歌いたい
職場でも ....
この部屋は四角い
建物も四角い
紙は四角く切り取られ
電車は四角く走っている
土地は四角く区切られて
名前は四角く囲われる
レンジは四角く温めて
テレビで四角くものを見る
君は ....
ねぐせはなおさない
あんまりなおさない
はねっかえりの天然パーマ
したいようにさせておけ
校庭に 生徒を整列させるように
頭皮に 髪を整列させるなんて
そんなのナンセンス
ナ ....
檻の中にいる時より
人の中にいる時の方が
君はずっと孤独だ
誰かと語り合っている時より
一人で黙っている時の方が
君はずっと雄弁だ
誰かに褒められている時より
誰かに見捨 ....
正しさってなんだろう
正方形の角が 誰かの頬に食い込むとき
その痛みが 真四角の正しさを証しするのだろうか
正しさってなんだろう
まっすぐな線をまっすぐに歩くことが
そんなに尊い ....
生きるのがかったるい
起きるのがかったるい
そう 何もかもが かったるいんだ
筋の読める映画
見え透いたスローガン
愛は押しつけがましく微笑み
悪は歯を剥いて唸りかけてくるが
俺 ....
まっさらな紙が一枚
夜空から舞い降りてきて
ふと立ち止まる 君の手元に横たわる
゛私を汚してください
あなたの言葉で
その指先の綴る
文字の連なりで゛
日々
わだかまる想 ....
どんな言葉も 世界を変えられないのなら
口を開くことに 何の意味があるだろう
今日 屋上から飛び降りた少年
他人を撃ち殺した兵士
幼女を襲った教員
引き金を引いた密猟者
轢き逃げをした若者
盗みを働いた少女
....
誰もが腹を立てている
作り笑いの下で
沸騰するいら立ち
火にかけた薬缶の様に
そしてここに
社会を舞踏室に例えた洒落者がいた
両開きのドアを押し開け一礼と共に
シャンデリア煌 ....
君が気に入ってくれるような変人になれるよう、努力するよ
詩は暇つぶしだと言ったら
あなたは怒るだろうか?
だけど 考えてもみてくれよ
暇のない人生というものを?
詩のなかで
説教を垂れるのもいい
悪態をつくのもいい
泣き崩れる ....
張りつめた白いより糸の上で 踊るピエロ
たくさんのクラブを 放り上げたり 掴んだり
しながら踊るピエロ
ぜんまい仕掛けで
突然動きが早回しになったり
逆回転になったり
退屈はしない ....
雨粒を指先で弾くと
光が砕けた
それは夜を背景に
風の中に散っていった
相席した男がふかす
煙草の煙を呑むと
しなびた思いが伝わってきた
今のこの悲しさも
明日には忘れているの ....
顔が見えない君の姿が雨の中 走り過ぎていくよ
ドアを閉ざして立ち並ぶ高層ビルの間を なにも構わないで
豹のように身体しならせて 行き交う獲物達をすり抜けて
先が見えない不確実 ....
あるところに
色を嫌うレンズがあった
それが愛したのは形
そして光と影の
バランスだけ
そのレンズを通して見ると
総ての花が おしゃべりをやめた
春の日差しの ....
誰にも届かない言葉を綴ろう
僕は 夜の井戸に吊るされた{ルビ剣=つるぎ}
永遠の愛を探し求める 一匹の蛾
その羽は古い靴下のように 穴だらけで
沈むことのない夕陽の その逆光に透けて
....
かっこつけるなよ
近道が知りたいだけだろ
かっこつけるなよ
身体が欲しいだけだろ
楽して生きていたいんだ
泥をかぶるのは御免だ
ババを引くなんていやだ
若いままでいたいんだ
責 ....
汗ばんだシャツを投げ込む洗濯機 脱ぎ捨てるのは一日の労
祭りの日 ここは見知らぬ街になる
女って 大好きだ
女を喩えるなら
血の滴るような野薔薇の朱
生真面目な緑に身を固めた
この暗い原野の世界を点々と彩る
秘められた また明かされた 情熱の色
その両目は 傷つきや ....
私たちの身体を、何に喩えようか
それは、壺のようなものだ
そして私たちの心は、そこに収められた光
神は陶工となって、今日も壺つくりに精を出す
午後の陽射しが差し込む、埃っぽい作業場の一 ....
愛していると言わないで
そいつは僕を窒息させる
愛していると言わないで
がんじがらめにされてしまう
いつも いつも
あなたを気にしちゃいられない
いつも いつも
笑ってば ....
少年は飛んで行った
アスファルトの空に向かって
自由が欲しかった この世は生ける監獄
少年が泣き叫んだ時
世界は耳をふさいだ 目を閉ざした
口をつぐんだ そして今
彼が手の届かないとこ ....
文鎮が
ふうわり ふわりと宙に浮き
驚く書生の顔前を ナマコのように漂って
原稿用紙が舞い上がり
驚く書生の目の前で 舞子みたいに踊りだし
万年筆が身悶えし 書生の指を逃れ出て
ぽ ....
文字が空から降ってくる
あられみたいに降ってくる
だけど地面は乾いたままで
溶けることなく積み重なる
文字、文字、文字、文字…
文字が空から降ってくる
僕らの周りに降ってくる
それは ....
生きる理由を探して 世界を見回してみても
目に映るのは 影ばかり
闇の中に暮らし続けてきた君の目は
眩しすぎる光を浴びて めくらも同然
穴倉から這い出して
看板に書かれたルールを読もうと ....
おぼろ月夜の 帰り道
家の鍵束を頭上に放って 銀のきらめきを掴みとる
幸せってやつも こんな風に掴み取れればいいのに
冷ややかな街灯が そんな姿をあざ笑う
屑同然の値札が付けられた 役立たずの ....
誰かを 好きになってみたいね
この心を 奪われてみたい
皮肉なことだが
失うことに 飢えている
寂しいから、じゃなくて
そそられるから、じゃなくて
好きだからという理由で 誰かを追 ....
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