ピアスの片方を失くしてしまった
お気に入りのピアスだったのに
あの日 あなたとふたりで
ショーケースを覗き込んで選んだ
高価だからと遠慮する わたしに
いつも着けてくれるならと
あなたが贈 ....
「もう、この恋は終わらせてしまう方が良いかも知れない」
 男との電話を切った後で、黎子はそう感じた。なんとなく空々しい会話が鼻についてきた。
 しゃべっていて、話が長くなってきた時に、ふいに言葉を ....
今年の漢字は“ 絆 ” ってことで
世間ではスーパーのタイムサービスみたいに
絆 絆 絆 と 声高に叫ばれている

“ 絆 ” ラーメン “ 絆 ” メイクアップ
斎場では メモリアルセット ....
車椅子に座らされて 
ポツンと窓辺の席に居た
病院の中は明るく 
居心地良さそうに思えた
眼を閉じて朦朧としている 
あなたは……
見舞いに来た
娘たちの顔も分からない
どんよりと眼を ....
針金の先端の尖った針が
心に突き刺さって血を流す
薄い膜に覆われた半透明の未来
触れると壊れそうで怖い

漠然と広がる未来は
わたしをいつも不安にさせる

指先に沁み込んだ ....
水溜りに映った 贋物の太陽
掌を伸ばせば 掴めると思った空色の毛布
わたしのHPはどんどん下がってく
生温い脱力感で 目を瞑る

極楽鳥の歌 極彩色の夢 
オルゴールのネジを巻いたら 
 ....
午後から晴れるといっていた
天気予報があたらなくて
午後になっても
憂鬱な雨が降り続く

湿った食パンは味気なくて
作りかけのジグソーパズルに
八つ当たり
床中に散らばったピース ....
【 {ルビ凸凹=デコボコ} 】

ちょっとしたことで
ああ、自分はダメな人間だなぁー
と {ルビ凹=へこ}んでしまうことがある

次々によぎっていく
失敗 恥 屈辱の {ルビ凹=負}の記 ....
さぁ 胸をはって
鼻のあなを
おもいっきり開いて
しんこきゅう しんこきゅう

スーハー スーハー 

しんせんな空気を
胸のなかに吸いこんで
心のモヤモヤをはきだす
しんこきゅう ....
ピューと
赤いストローから
飛びだす
しゃぼん玉たち

ふわふわと
ただよいながら

ごっつんこして
はじけた
木の枝にぶつかって
はじけた
カラスにつつかれた

ピューと ....
おいっ
おいらたちを拾うんじゃない
可愛いからって 持って帰るなっ

おいらたちは種なんだ
ちゃんと土の中に埋めてくれよ
いつかは立派な
どんぐりの木になるんだ

池に放りこむなっ
 ....
男が嘘をついた

嘘だと分かっていて
わたしは騙されたふりをする
嘘だと言ったら
瞬間に
嘘が本当の嘘になってしまうから
すべてを失いそうで
怖くて
わたしはそれを言えない

男 ....
夢想家のわたしは
月に見惚れて
昼間の太陽に
手を翳し目を瞑る

いろんな型の
夢に囚われて
現実の厳しさに
夢が砕けてしまった

禍々しい月日が
粉々に砕いていった
わたしの ....
無音の世界で
頭の中を行き交う コトバたち

白いシーツの波間から
しのび笑いの ベクトル

空気を刻む ガボット
微かな振動に 覚醒の兆し

小さなアクビ噛み殺す

ああ もう ....
小さな世界の中で
自己満足という
落とし穴に嵌り込んでいた

仄暗い穴の中では
自分の声しか聴こえてこないから
これが世界のすべてだと
信じてきっていた

たぶん
わたしは小さな蛙 ....
{ルビ宙=そら}に向かって 翳した{ルビ掌=て}
ちっちゃな指の隙間から
見える夜空

月と星 天上を照らす
蒼白く磨ぎ澄まされた星々は
夜の静間に息づいて
光年の{ルビ刻=とき}を数え ....
ああ、
貧乏に生まれて
貧乏のままで死んで逝く

ああ……
啄木さんや一葉さんの
気持ちがちょっと分かったけど……

才能は銀河の果てほど差がある!

ああ、もう
わたしなん ....
年が改まり 今日から新年なんだ
モソモソと布団から這いずり出して 袢纏を引っ掛け 
いつものように 新聞をポストに取りに行ったら
電話帳みたいな ぶっとい紙が捻じ込まれていた

こんなもん、 ....
夜空に煌く星々は 
光年の時を経て降りそそぐ
掌で受けとめた 
粉雪は瞬き一つで消えてしまう
久遠の奏で 
宇宙の時はワープしてリンクする 

冬の星座たち
プロキオン・ベテルギ ....
嗚呼
女よ嘆くなかれ 
その身から赤い血を流すのは
女に生まれし証 
我ら愛する人の種を残すために
月の女神の洗礼を受け 
柔肌を赤く染めていく

されど男が創りし神は 
女は不浄 ....
昨日は夫の誕生日だった
なのに彼は出掛けて行った
気持ちを挫かれて
私は不機嫌になった

今朝、夫がドライブに行こうと誘う
久しぶりにふたりで車に乗った
森林の中、滝のある所を散策

 ....
{画像=120510131253.jpg}

あ、
見上げた夜空に
流れ星が落ちていく
急いで願いごとを
心に描こうとしたら
瞬く間に消えていってしまった

ああ、
なんと儚い
 ....
星屑を集めたように
煌めく光で街は飾られた
行き交う人も忙しげな
そんな季節がまたやってきた

駅前の広場には
大きなクリスマスツリー
そこは恋人たちの
密かな待ち合わせ場所

 ....
窓の外で雪が舞っている 
窓ガラスについた雪の結晶は
やがて溶けて 
雫となって流れ落ちる 
涙のように

こんな雪の日だった 
あなたとふたり雪の中を歩いたね
吐く息も白く 
 ....
ベラドンナの毒が廻って
頭の中が痺れてきた
万華鏡くるくる回して
違う局面を探してみるけれど
見えるのは黒い★ばかり

ああ 自嘲的になっていく
わたしの鰭はうまく泳げない
愛という津 ....
ひらひらと
群青の夜空に舞う
暗闇の蝶――蛾。
揺蕩うように 揺らめくように
滲んだ月に 白い影が踊る

「今宵の闇は深く
 あなたの声も聴こえない」

女は
蒼い月影のランプで手 ....
この世の中には
不愉快な言葉で溢れかえっている

目を瞑っても
耳を塞いでも

棘のある言葉が
皮膚を突き破って
神経にグサグサ刺さってくる

ああ どうすればいい
目と耳が欝に ....
わたしの中で 
オンナが疼く
あなたに
逢いたい 逢いたい
この激しい衝動を 
抑えられない

優しいあの人の 
背中に嘘をつき
そっと部屋を出て 
足早に向かう
あなたが待つ ....
朝起きて お天気がいいと
布団を干そうと 張り切ってしまう
ワイドショーに 好きなタレントが出ていたら
めっちゃ嬉しくて 一日中ハイな気分
クッキーと紅茶で 午後のティータイム

仕事と ....
{画像=111010205059.jpg}

 【 雪花 】


雪が
頬触れ
ひらひら
ひらひらと
鉛色の空から
舞い落ちる雪花
白い礫が頬をうつ
熱き恋情抱きしめて
吹 ....
泡沫恋歌(255)
タイトル カテゴリ Point 日付
【 ピアス 】自由詩6*12/2/6 6:50
【 詩的恋愛論 】散文(批評 ...4*12/2/5 14:24
【 私にとって “ 絆 ” とは? 】自由詩7*12/2/1 7:34
【 つれてかえって…… 】自由詩11*12/1/30 19:56
【 針金の未来 】自由詩6*12/1/29 13:58
【 デジャ・ヴ 】自由詩8*12/1/29 10:04
【 Rain of June 】自由詩12*12/1/25 9:27
【 凸凹 】自由詩7*12/1/24 11:54
児童詩 【 しんこきゅう 】自由詩7*12/1/22 9:45
児童詩 【 しゃぼん玉 】自由詩5*12/1/22 9:38
児童詩 【 どんぐりのキモチ 】自由詩13*12/1/22 9:35
【 嘘と男と着信メール 】自由詩20*12/1/17 9:00
【 DREAMER 】自由詩6*12/1/17 8:58
【 サイレント 】自由詩6*12/1/17 8:56
【 井戸の中 】自由詩18*12/1/13 14:52
【 夜の雫 】自由詩17*12/1/8 20:33
【 嘆き…… 】[group]自由詩8*12/1/6 14:03
【 お正月は嫌いです 】自由詩27*12/1/1 15:29
【 プラネタリウム 】自由詩9*11/12/29 21:54
【 聖器 】自由詩12*11/12/27 8:17
【 夫婦の会話 】[group]自由詩14*11/12/26 9:21
【 流れ星 】自由詩14*11/12/19 7:32
【 クリスマスローズ 】自由詩8*11/12/14 7:00
【 雪の日 】自由詩12*11/12/8 7:52
【 溺れる魚 】自由詩12*11/11/7 7:33
【 pulse 】[group]自由詩15*11/11/1 17:44
【 アスタリスク 】自由詩17*11/10/23 15:59
【 綱渡り 】自由詩10*11/10/19 11:09
【 陽だまりの部屋 】自由詩14*11/10/15 12:46
【 図形 】自由詩20*11/10/10 20:57

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