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 青

画用紙に青いインクを零したら
晴れやかな空になった
青いフェルトに涙を零したら
透明の染みになった

道端の石ころにも成れな ....
生きている意味を知るために
確かなものを探していた
信じたい言葉があった

『 愛 』 『 希望 』 『 約束 』

だけど解っているんだ
そんなものを信じるから 
いつも傷つくんだっ ....
暖かい掌 冷たい掌 柔らかい掌 硬い掌
掌には いろんな感触がある

幼子のちっちゃな 紅葉の掌
老人の節くれた 皺だらけの掌
掌には いろんな人生がある

愛し合う恋人たちが 握り ....
春になるとお母さんは
いっぱいえんどう豆を買ってくる
それを いつもふたりで
キッチンのテーブルで殻をむいた
学校のは話をしながら
近所の噂話を聴きながら
零れ落ちた えんどう豆を拾っては ....
流れゆく季節の中に
打ち捨てられた想い
『 また、逢えるから…… 』
そう言って笑った
君の白い歯

お互いを忘れない
再会を誓い合って
僕らはそれぞれの街へ
帰っていった

距 ....
赤い月・青い月・黒い月
月はいろんな想いを映してくれる
わたしの心を捕えて放さない
あの月は魔物……


  赤い月

男の背中ニ 爪ヲ立て
傷口から滴ル血で
夜の月ヲ 赤く染め ....
つながれっぱなしの犬がいる
中型雑種茶色の犬だ
散歩してるのを
一度も見たことがない

コンクリートの駐車場の中
小さな犬小屋で暮らしてる
動けるのは鎖の長さだけ
その空間の中で
お ....
降りつづく雨のせいで
部屋の空気が重く感じる
ポツリポツリと奏でる サティのピアノはけだるい
大きめのポットにダージリンティを入れて
ゆっくりと茶葉の広がる時を待つ

雨の匂いと紅茶の香り ....
薄絹の衣を纏い 緑の髪を櫛梳り
蒼き唇に 朱の紅をさす

青磁の香炉 紫煙立ちのぼり
伽羅麝香 甘き獣の匂いに包れる

萌黄の胸に 恋情を抱きしめれば
一途に慕うは 愛しい男だけ

 ....
わたしのナーヴァスをあなたは知らない
胸の奥に巣食う腫瘍から
躯中に毒が廻る
身悶えするような熱情が
不完全なわたしに火を放つ

赫い林檎を食べた日から
この身に孕んだ
情欲という炎の ....
沈みゆく夕陽の
叫びにも似た紅緋色
世界を燃やし尽くすように染めていく

心の渇望は際限なく
乾いた土が水を欲しがるように
あなたの言葉に耳を傾ける

わたしの葛藤は……
ざわめく言 ....
わたしの生まれた国には
四季があります


春 桜舞う
人優しく笑い
肩にかかった 花びらはらりと払う
門出の時 別れの時
感極まって 涙する人よ


夏 蝉時雨
突然の夕立に ....
硝子窓の向こう側
暗闇の中で
蜉蝣の透明な翅が
月の雫のように光っている

―― ヤミガコワイ……

呟き声がした
わずかな物音まで
深い闇に吸い込まれていく

一枚の硝子に仕 ....
暑すぎた夏が終わり
賑やかだった蝉たちも死に絶えて
地中深く 沈黙の蟲となる

キャンパスに描かれた
自画像は完成されないまま
白く埃を被っていた

数々の葛藤が わたしを苛んで 
 ....
ザアー ザアーッと
出しっぱなしのシャワーの音
激しい雨が 大地を撃ち付ける
街も木も人々も
礫のような雨の洗礼を受けている

この雨がどこまで続くのか分からないが
雨の空間に閉じ込めら ....
泡沫恋歌(255)
タイトル カテゴリ Point 日付
【 トリコロール 】自由詩14*11/10/7 21:02
【 evolution 】自由詩9*11/10/5 14:45
【 掌 】自由詩8*11/10/5 14:36
【 えんどう豆 】自由詩9*11/10/4 21:20
【 再会 〜 果たされなかった約束 〜 】自由詩7*11/10/3 12:30
【 月詠み 】自由詩8*11/10/2 16:29
【 つながれっぱなしの犬 】自由詩11*11/10/1 21:42
【 雨粒 】自由詩15*11/10/1 7:31
【 朱の女 】自由詩5*11/10/1 7:26
【 イヴ 】自由詩5*11/9/30 14:50
【 紅緋色 】自由詩8*11/9/29 22:19
【 愛でし國 】自由詩4*11/9/29 22:16
【 闇の音 】自由詩9*11/9/28 21:15
【 メタモルフォーゼ 】自由詩5*11/9/28 21:13
【 母体回帰 】自由詩9*11/9/27 19:36

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