私は道についてよく考える
別にどうってこともないような
つまらないことをいろいろと……

フェリーニの「道」という映画を
レンタルビデオで観たことがある

ジェルソミーナという 頭は弱い ....
紅いやら
黄色いやら
騒いでるんじゃない

山の中に勝手に入ってきて
ジロジロみて 
写真撮って
弁当食い散らかして
ゴミだけ残して帰る
観光客たち

俺は
おまえらに怒って
 ....
あたし ハイヒールの
似合う女になりたかった
白い開襟シャツのブラウスと
黒いタイトスカート
BLUE NOTE クール・ストラッティングの
レコードジャケットみたいな
美しい脚の女に憧れ ....
たとえば

人は誰かを捨てるとき
オブラートに包んで
口に入れる
ゆっくりと嘘が溶けていくように

胃の腑に落ちた
真実の味が
逆流して口の中に溢れだしたとき
その苦さに顔をゆがめ ....
眠い……
最近 眠くて仕方ない

どうしたことだ
やらなければならないことは
山ほどあるのに……

それでも 眠い
眠くて 眠くて 堪らない

朝方の二度寝でこんな夢をみた

 ....
届かない手紙を書いた
誰のためでもない 自分のために
朝起きると雨が降っていたら
ただそれだけで
心が浮力を失くしてしまう
{引用=
お元気ですか?
今日はあなたの嫌いな雨になりました
 ....
虹の始まりが
何処なのか分からない

虹の終わりが
何処なのか分からない

出所もなく 湧きあがる
雨上がりのイリュージョン

七色の光のスペクトルを
キラキラと反射させて

 ....
昼下がりの公園
子どもたちが四、五人集まって
わいわいやっている
何だろうかと覗きこんだら
身体が一番でかい男の子が
カマキリを手に持っている
青い立派なカマキリだ

「今から、このカ ....
玄関の前で鍵を開けようと
ポケットを探っていたら
いきなり足元の落ち葉が舞い上がった
予測していなかったので 
わたしはすごく驚いた!

よく見ると
それは一羽の蛾だった
木の葉によく ....
男と別れた夜
ひとり寝の布団の中
音が聴こえる

肋骨の奥のほう
ピシッピシッと
何かが砕ける音がした

心の薄氷を踏む音か
未練の鱗を剥がす音か
遠ざかっていく男の靴音か

 ....
近所の野良猫が仔猫を六匹生んだ
ふわふわグレーきれい毛並の仔猫と
左右の目の色が違うオットアイの白猫と
真っ黒けの黒猫と
背中から耳まで黒っぽいトラ縞でお腹は白い仔猫二匹と
最後の一匹はどん ....
雨は嫌いじゃないけど
何日も降り続いたら
さすがに気分が滅入ってしまう
部屋の中のカーテンやクロスまで湿って
身体が重く感じるのは
雨の重力のせいかなあ?

陰鬱な閉塞感に
ついに頭ま ....
夜ふけの町を
自転車で走っていると
住宅の庭から
金木犀がほんのりと漂ってくる
ああ 甘くてよい香り 

若い頃 東京に住んでいた
渋谷 荻窪 吉祥寺が大好きだった
私は男と漫画を描い ....
月満ちて
生まれることなく
消された 小さな命

誕生を望まれず
悲しむ人もなく
花を手向けたくとも

 この子に 墓はありません


母の胸に
抱かれることなく
消された  ....
凍てついた冬の坂道を 
転がるように落ちていく
石ころみたいな 
わたしのプライド
何が正しくて 何が間違いなのか
誰も教えてくれない
答えはクロスワードクイズ
空白のマス目を
自分で ....
私は五月にカラスに襲われた
いつもの道を自転車で走っていたら
前を歩いているオジサンがカラスに突かれていた
ははん さてはカラスに石でも投げたんだなあ
……と 
この時点では人ごとの顔で通り ....
才能がない! 

パクるんだ 自作気取りの オマージュ

ネタがない!

探すんだ 古い日記の つらい恋

うけない!

晒すんだ みんな大好き 自虐ネタ
我が家では去年の秋から
家電品が壊れるという【 連鎖 】が始まっている

最初に洗濯機が壊れた
スイッチを入れても作動しなくなった
もう7年は使っている 
そろそろ寿命だったのかな
洗濯 ....
恥かしや 後で見つかる 誤字脱字

本になり 修正できず 涙の日

またやった 読みなおしても 見つからず
あたしゃ
あんたに{ルビ殺=あや}めて欲しい

年とって皺くちゃ婆になって
医者に命を盗られるくらいなら
いっそ
ここで殺しておくれ

女にとって幸せなことは
きれいなうちに 
惚 ....
鳥取砂丘を見ると
頭の中でハミングしてしまう曲がある
 {引用=月の沙漠をはるばると
旅のらくだが行きました}
異国の世界を唄った
この童謡が小さい時から好きだった

よく「月の砂漠 ....
恋人よ
その唇に
甘き吐息を重ねよう

永遠の時は
数えられないけれど
砂時計は刹那を刻む

明けない夜
ふたり魚になって
白い川を泳いでいく

愛染の
罪は深まりつつ
快 ....
静かな夜には
聴こえない声に
耳を澄ませて
実らない夢なんか
虚空に放り投げる

ずっと 
心の砂漠を彷徨ってきた

スタンドを消して
遠い町に住む
あなたにオヤスミをいう
暗 ....
ねぇ あなたは柿好き?

わたしは嫌いだったんだよ
むかし 田舎から送られてきた
柿を ひとりで食べ過ぎて…
おなか壊して 三日寝込んだ

たかが柿って あなどれないよ

それ ....
最近ついてなくて……

電話口で友だちにぼやいていたら
私の運勢を
四柱推命と六星占術で調べてくれた

それによると
来年から運気が上昇するらしい
今までの努力が認められるというのだ
 ....
強烈な腐敗臭がする
淀んだ汚いドブの水に
長い間 私は浮かんでいた

そこから見える空は
暗雲に隠れて 鈍い光を放つ
偽者の太陽だった――

這い出そうとすれば
誰かが足を引っ張って ....
私に優しいあなたは 
私じゃなくても優しい
それが悔しくて 
唇を強く噛みしめる
ひとり占め出来ない男は 
心を{ルビ蝕=むしばむ}む

胸が苦しいの 
肌が紅く染まっていく
女の身 ....
美しいモノが見たいというなら
それはもう美しくないかも知れない

汚いモノには目を覆いたい
だけど匂いはどうしようもない

私はたくさんの言葉を紡いできた
そこには僅かな真実があったのか ....
あなたに感謝状を差し上げましょう

ありがとう!

宝石のような言葉で
私を輝かせてくれる
あなたは素敵なペテン師さん

ありがとう!

負けず嫌いな私は
いつも敵を作ってしまう ....
あなたに逢えなくて
分かったことがひとつある
わたしの日常は
あなたを中心に廻っていたことを

トーストとハムエッグにサラダ
当たり前に並べられた朝食も
ひとりで食べると
なんだか味気 ....
泡沫恋歌(255)
タイトル カテゴリ Point 日付
【 雑記 道について 】自由詩17*12/12/7 7:32
【 紅葉 】自由詩18*12/11/30 18:11
【 ハイヒール 】自由詩11*12/11/26 20:38
【 遅延効果 】自由詩20*12/11/22 12:46
【 夢判断 】自由詩7*12/11/20 11:05
【 ——できなかった人へ 】自由詩7*12/11/17 6:19
【 夢想家の見る虹 】自由詩10*12/11/14 9:11
【 カマキリの災難 】[group]自由詩15+*12/11/9 20:48
【 擬態 — mimicry — 】自由詩11*12/11/7 12:17
【 音 】自由詩9*12/11/5 8:32
【 事件 】自由詩9*12/11/2 9:11
【 サンダル 】自由詩8*12/10/29 12:53
【 金木犀と月 】自由詩13*12/10/25 5:52
【 水子供養 】自由詩6*12/10/24 22:20
【 混沌 — chaos — 】自由詩8*12/10/22 10:22
【 カラスの勝手じゃない! 】[group]自由詩8*12/10/18 11:03
川柳 【 駄目詩人 】[group]川柳10*12/10/18 11:01
【 連鎖 】[group]自由詩11*12/10/14 13:37
川柳 【 誤字脱字 】[group]川柳9*12/10/11 12:26
【 情死乞 】自由詩7*12/10/11 11:20
【 砂丘 — 雑記帳 — 】自由詩13*12/10/9 10:24
【 白夜 】自由詩11*12/10/5 6:49
【 静かな夜 】自由詩14*12/10/2 14:56
【 柿 】自由詩7*12/9/30 14:06
【 ラッキーアイテム 】自由詩8*12/9/28 14:45
【 ドブの水 】自由詩10*12/9/26 7:21
【 柘榴 】自由詩17*12/9/24 10:39
【 移ろい 】自由詩7*12/9/24 10:31
【 感謝状 】自由詩11*12/9/20 9:58
【 デフォルト 】自由詩7*12/9/19 7:37

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