【 夜の雫 】
泡沫恋歌

そらに向かって 翳した
ちっちゃな指の隙間から
見える夜空

月と星 天上を照らす
蒼白く磨ぎ澄まされた星々は
夜の静間に息づいて
光年のときを数える

彗星のように 駆け抜けて 
やがて消えていく運命さだめ
きっと この星の光は
あなたには届いていない

朧げなる月よ
何故 わたしの心を見ない
もどかしさに身悶えて
星屑がひとつ消えていった

水面に広がる水紋
白く尖った月が
心に突き刺さる

今宵の月は哀しくて
翳したも 指の隙間も
夜の雫に濡れている



自由詩 【 夜の雫 】 Copyright 泡沫恋歌 2012-01-08 20:33:52
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